ラジオはFM西東京! FM++(プラプラ)のアプリでもラジオが聞けます!

骨粗鬆症について① 2024年5月4日・11日(土)放送分

まつばらホームクリニック

まつばらホームクリニック『ラジオ在宅NOW』!

この番組は、保谷駅から徒歩三分の場所に位置する、まつばらホームクリニックの松原清二院長に、日頃医療の現場で感じていらっしゃることをお話頂き、皆様にも在宅医療に対しての理解をより深めて頂ければと思います。

第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします!

【5月のテーマ】
『骨粗鬆症について』

皆様是非お聴きください!!

西東京市を中心に患者さんの自宅に行き、診察をしている在宅医療専門診療所「まつばらホームクリニック」のホームーページはこちら→https://m-hc.jp/

↓放送内容を文字でもお読みいただけます!↓

田中ヒロコ:今日はどんなお話をうかがえますか?

松原先生:今回は、骨粗鬆症ですね。ヒロコさんくらいの年齢ぐらいだと関心のあるテーマじゃない?

田中ヒロコ:私、子供の頃から 6 か所骨折して・・・あばら、尾てい骨とか

松原先生:最近?

田中ヒロコ:子供の頃からで、最近は転んで手首です。なので、かなり関心があります

松原先生:子供に当てはまるかどうかちょっとわかんないんですけど、今回はその骨粗鬆症ですね。

要は骨が脆い病気と、骨折。あとはそれがもたらす高齢者に対する影響についてちょっと話をしたいのと、あとは実際問題、自分が在宅医療でどう関わっていいのかというのを話していきたいなと思っています。

一応ですね。骨粗鬆症って、本当にヒロコさんおっしゃってるように、多くの人が普通に知ってる病気なんですよね。で、やっぱりその女性の場合、特に女性ホルモンが閉経を迎えるにあたって、どうしても骨が脆くなってきちゃうということで、言葉はほとんどの人は知ってると思うので、骨粗鬆症っていうのは簡単に言えば、骨が脆くなる病気

結果的に簡単に転んだりすると、さっき話になった手首の骨が折れるとか、あとは背骨が折れるとか、あとはその大腿骨が折れるとか、そういうようなことがよく知られています。

実はその折れることによって何が問題かっていうと、動けなくなってしまうということ。

田中ヒロコ:そうですよね、大腿骨は歩けないですよね。

松原先生:歩けなくなりますね。そうするとやっぱり、その介護をするっていうことが発生してきます。

田中ヒロコ:私の父も大腿骨骨折してから、ずっと介護に入りましたね。

松原先生:実際、厚労省の方が令和元年に出してるデータでも、骨折転倒が介護に必要になる主な原因として 3 位に挙げられてるんですね。ですから第 3 位なので、そこはやっぱりしっかり日頃から気にしなきゃいけない病気なんじゃないかなと思っています。

田中ヒロコ:でも先生、見た目だと、自分の骨が弱いか強いかって分からないですよね。難しいです。

松原先生:それ結構重要で、骨粗鬆症検診とかを受けるとか。あともっと重要でそれより菅便なのは、今ヒロコさんがおっしゃった、例えばお父さんの大腿骨頸部骨折、そうすると結構骨折するリスクっていうのは残念ながら高いんですよ。

田中ヒロコ:家系は重要ですよね・・

松原先生:家系は重要です。そこは自分がリスクはちょっと高いんだっていうような観点になって整形外科とかに行って、骨密度とか、そこら辺評価した方がいいと思います。

田中ヒロコ:それは測ってくださいって言ったら、簡単に測ってもらえるのでしょうか?

松原先生:骨粗鬆症が気になっていて、あとは家族がその骨折してるから、ぜひ測りたいんだって言えば問題ないです。

この前、確かヒロコさん、正常でしたよね!(笑)

田中ヒロコ:そう!先生に測っていただいて、ここでなんか正常だったので結構安心はしてるんですけどね。

松原先生:1年に1回とかでいいと思いますけどね。

田中ヒロコ:私の場合、慌てておっちょこちょいみたいなのが重なって、多分骨折につながった感じですけど、あれから測ってないですね。

松原先生:あれから、どれくらいになりましたっけ?

田中ヒロコ:あれからもう1年ぐらい・・・?今もう弱ってるかもしれない。不安・・・。

松原先生:(笑)大丈夫です。また測りましょう!

実はですね、うちのケアマネージャーにも、実は骨粗鬆症っていうのは、介護保険の対象になる疾患なんだよっていうような説明をしたんですよ。まあ、前提としては骨折を伴う骨粗鬆症って言って、骨折をしてないといけない骨粗鬆症なんですけどね。

そしたら、そうなんですか?とか言われちゃって意外に介護のプロの人でも知らないんだなぁって感じたんですよね。

田中ヒロコ:じゃあ、骨折をしたらその介護を受けられる年齢の方だったら、申請はしていい?

松原先生:介護を必要とするような、例えばしりもちをついたりして、脊椎の圧迫骨折をして動けなくなったりとか、そういうようなことで生活の支えが必要になった人っていうのは介護保険の対象になると思います。

田中ヒロコ:そうなんですね。私の親戚のおばちゃんも、転んで両手首を骨折してそういえば申請してたかもしれないです。

松原先生:そうですか。両手首でしょ?生活できないよね

田中ヒロコ:でも、現場の方も知らないってことは、結構世の中にはあんまり広まってないってことですよね?

松原先生:意外とニッチな知識なのかもしれないなと思って、まあ知っとくべきしかなのかなというふうに思ってます。

骨粗鬆症の定義なんですけど、いろいろ言われているんですが、簡単に言うと、骨ってみなさんのイメージでは、ギチギチに詰まっているものだと思うんですけど、そのギチギチがスカスカになってしまう。イメージだと、ギチギチな状態は、スイカみたいに詰まっていて、骨粗鬆症の場合はヘチマのような感じで、中がスカスカになってしまている。なので、しりもちついても折れてしまうし、最近では、ただ立ち上がっただけ、例えば、自分よりも上にあるものを取ろうとしたときに、背骨がボキボキっとなって動けなくなっちゃた人もいるんです。

田中ヒロコ:ぎっくり、とかじゃなくって、骨にきてしまう。

松原先生:在宅でレントゲン取ったら、3つの骨が折れてて・・・。

田中ヒロコ:それって痛いですよね。患者さん大変。何か要望とかっていうのは・・・?

松原先生:そこら辺はですね。お薬とかの話になってくるんですけれども、またちょっと、おいおい話ししようかな。

田中ヒロコ:知りたい!それ、次回ですね。

松原先生:実際今の骨粗鬆症でですね、骨が折れやすい部位っていうのはやっぱりあるんですよね。

田中ヒロコ:体の中で部位がある・・・?

松原先生:あります!ヒロコさんから話があったように手首とか。あと僕が話をした背骨とか、あとはやっぱり、自分の患者さんでも、年間 2・3 人は足の太ももの付け根を折っちゃうっていうようなことがあります。なので、ここら辺が代表的な骨折をしやすい場所ですね。多分ヒロコさんもご身内でいらっしゃって、他のスタッフの方もうちでいらっしゃったってことで、結構身近な疾患なんですよね。で、これがどういう影響を与えるのかとか、そこら辺とかもいろいろデータ出てるんですね。

一応ですね。骨粗鬆症の年齢別の発症率っていうのが実はあって 45 歳過ぎると、ヒロコさんのさっき話してもらった、手をついたら骨折しやすい。60 歳以降ですと、足の太ももの大腿骨とか背骨の骨折がぐ~んと増えてくるんですね。

田中ヒロコ:この先生のグラフ、今拝見するとそうですね。

松原先生:これが起こることによって、何が問題になるのか?っていうと、背骨の骨折だと痛くて動けないということだし。あとは太ももの骨折に関してよく言われているのが、80 歳以上とかになると、5 年生存率が約 20% っていう風に言われてしまっているんです。

田中ヒロコ:折ってしまったことによって、動けなくなっちゃう。

松原先生:自分の患者さんでもそうなんですけど、残念ながら骨を折ってしまって、それで 1 年以内に、前みたいに動けなくなっちゃう。だいたい半数。

田中ヒロコ:私の父も骨折してから半年で亡くなっちゃいました。

松原先生:だいたい皆さん共通してるのが片足骨折しちゃうとやっぱり自分の体を支えるのが不安定ということで、また転んで今度逆が骨折してしまう。5年生存率って話をしたけど、別に大腿骨骨折そのものが悪さをするっていうよりも、それがもたらす状態で、寝たきりになったりとか、寝たきりになることで肺炎になって亡くなったりだとか、そういうストーリーがあるんですね。ですから、これを極力避けるようにしなければならない。あとは、患者という目線で見るとそうなんだけど、それだけじゃなく、患者さんの家族、もしくは支援してくれている人に対する影響っていうのも考えなければいけない。

具体的には、骨折が介護者に与える影響っていうのは、ZBI22スコアっていうのがあって、簡単に言えば、点数が高くなればなるほど、例えばゼロから 88 まであって、だいたい 0 から 20 、そんなに負担感感じない。20 から 40 が軽い。 40から60 ぐらいがちょっと、 60 以上がかなり重いということなんだけど、それで見てみると、実は骨折で介護負担をかけているっていうのは、グラフによると中等度数 4。3% ということで、重症も合わせると約半数以上が、介護負担はやっぱり感じてるっていう現状だということです。まあ、これから鑑みるのはこういうことがあるからこそ、やっぱりその介護保険にも通るのかなっていうのが思いますね。