りす:本日は、能登町の危機管理監である上田知史さんに、オンラインでおつなぎしてお話をお聞きしたいと思います。上田さん、よろしくお願いします。
上田さん:よろしくお願いします。


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文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。
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文字情報
りす:上田さんがどんな方かというのを先にお聞きしたいんですけど、 能登町の危機管理監ですけど、最初から能登にいらっしゃった方ではない、能登半島地震後に行かれた方ということなんですけど、どういうことでしょうか?
上田さん:はい、私は和歌山県海南市から、応援職員として能登町に派遣されている者です。
私は平成20年から防災担当として災害対応に携わってきておりまして、東日本大震災や紀伊半島大水害、そういうところの教訓を踏まえて、和歌山県の海南市の方で地域防災計画の見直しとか、 事前復興計画の策定とか、これからの地域防災のあり方について検証し、地域の方で実践につなげて来たというようなことがございました。
また、令和5年度には海南市の危機管理課長だったのですが、その時に災害救助法の適用となる令和5年6月豪雨の対応を経験しまして、こうした「防災とか災害対応の経験から」、 能登町の「長期派遣」につながっておりまして、令和6年5月に着任しております。
りす:はい、ありがとうございます。
公務員の方たちのご苦労というものが、なんかこう、わかるような気がいたします。
南海トラフ地震で津波などの被害も想定されている和歌山県の海南市というところから、より被災したところの状況、またご自身の災害対応を伝えるというようなこともあって、能登町に行かれたということなんですが…。
そもそも能登町がどんなところか、教えていただけますか?
能登町はどんなところ?
上田さん: はい、能登町は石川県の能登半島、奥能登地域に位置しておりまして、海と山に囲まれた自然豊かな町です。
世界農業遺産の能登の里山、里海に代表される美しい風景、豊かな食、祭りとか伝統文化、そして地域の人と人とのつながりが大切に受け継がれてきている地域です。
ただ、一方で災害前から人口減少とか高齢化が進み、地域の担い手が不足すると、そのような多くの課題を抱えておりました。
また、今後20年間で人口が半減し、高齢化率の60%を超えるということも予測されており、それが災害で前倒しになっていると、非常に厳しい状況にはなっている地域でございます。
※能登町ホームページ
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「令和6年能登半島地震・奥能登豪雨 災害対応の記録とその検証」について
りす:その能登町、今回ネットでも読めるのですが、「令和6年能登半島地震・奥能登豪雨 災害対応の記録とその検証」という地震と豪雨の記録と検証の文章を出されて、結構特徴的なんですが、他のところにはない特徴もあって、この内容を簡単に説明していただけますでしょうか?
上田さん: 私自体、派遣されて3年目となるのですが、1年目に復興計画の策定業務ということで復興計画を作らせていただきました。
そして2年目の時に能登半島地震、奥能登豪雨の災害対応の記録とその検証というのを取りまとめをさせていただいたのですが、やはり復興計画を作る中で地域の方々の顔が見えたりとか、そういうところがすごくあったわけです。
そういう方々にこの記録と検証というのを読んで頂いて、それを「未来につなげていきたい」という思いがすごくございました。
そういう中で作成の方を進めていったというところでありますけれども、私自体が発災直後、能登町にいた職員ではないので、応援職員だったために、当時対応に当たった職員を含めて地域住民とか地元の事業者とか、地域の方々の声を丁寧に聞きたいと思って、ずっと能登町の中を走り回っていたというところです。
取り進める中で、分かってきたこととしては、限られた情報とか、すごく少ない中での頼りに地域を守るという思いとか、使命感、そういうもとで、職員はもちろん地域の住民さん、地元の事業者さんがみんな奮闘していた、そういうところが非常に見えてきたところでありました。
未来につなげていく!
上田さん:その一方で、この記録検証誌を作る中で、通常、災害の記録とか検証というのは、壊れたものばかりにクローズアップしたりとかできなかったことは何か?というところを炙り出すわけでございますけれども、そうではなくて、この災害の中でも残ったもの。自然もそうですし、人々の支え合う地域の素晴らしさとか、そういうところをどう評価して未来に繋げていくかというところも、 主観に置いたところでありました。
やっぱりこの奥能登というのは、豊かな海や山、そして里山里海の風景、地域で育まれて来た食べ物、食、祭りとか伝統文化、そういうものが全て、当時の災害の時の対応のところにもつながっていたということも見えてきたので、 そういうことこそ、《地域特性を生かした災害対応》なのかなと思いまして、そういうところはクローズアップさせていただいたところではあります。
りす:こちら読んでみると、もちろん災害対応、災害後にこうすればいいというようなことも見えてくるんですが、なんだか読んでると、「奥能登の人たちと触れ合いたくなるみたいな、奥能登に行ってみたくなるような、そしてこんなふうに頑張ったんだ」っていうのが見えてくる内容だなってすごく思ったんです。
リスナーの方も読んで頂きたいのですが、「子どもの声」も入っているんですよね。検証文章に。
その中には「なんだか母の偉大さがわかった」みたいな、そういうような内容も書かれていて、このようにお子さんの声が入っている検証文は初めて見たなと思ったのですが、それはやっぱり未来につなげたいって思いがあったから、こういう内容を入れられたんでしょうか?
上田さん:記録というのは、災害対応した職員とか関係機関、そういう方たちだけでしているわけではなくて、もう地域の方々含めて多くの声を残したいという思いもありました。
そしてその中には、やはり小中学生であったりとか、そういう方々も災害に携わられたわけなんですね。
避難所で活動したりとか、いろんなところで地域の大人と一緒に対応されたというところもありました。
そういう声をできる限り残していきたいというところもありました。
やはり子どもたちのその声というのは非常に大事なところで、そういうところだからこそ見える生活感であったりとか、避難生活の辛さとか、そういうところもそこで感じることができるのではないかと思っております。
そしてもう一つ大切なことは、この子どもたちというのは10年後には地域の担い手となるわけなんですね。
この方々が今後10年間この検証記録誌を見て、自分たちがそのとき何を感じたか、そして10年間それをずっと自分たちの中で勉強したりとか、感じたことを次につなげていく、そういうところも大事にしていただけるのではないかなと思ったので、 できる限り子どもたちの声を最後の未来につなぐというところに入れさせていただきました。
りす:ありがとうございます。それだからこそ多くの人にも見ていただきやすいものになっているので、見ていただきたいと思っております。
内容は
「令和6年の能登半島地震・奥能登豪雨災害対応の記録とその検証」
https://www.town.noto.lg.jp/kakuka/1011/gyomu/25/7/5233.html
ということになっています。
これ、冊子もあるんですけれども、ネットでも読めるということなんですけれども、どのようにして読むことができるのか教えていただいていいでしょうか?
上田さん: この記録・検証誌につきましては、能登町のホームページを検索いただければご覧いただくことができます。そして、一部1000円で販売もしておりますので、もしご希望の方は注文いただければお送りさせていただきます。
※能登町の該当ページ
令和6年能登半島地震・奥能登豪雨 災害対応の記録とその検証/能登町ホームページ
上田さんからのメッセージ
りす:最後に熊本地震が起こって、このような検証の記録を出された上田さんとして、多くの自治体職員、全国の自治体職員に伝えたいこととか、市民の方に伝えたいメッセージというのはありますでしょうか。
上田さん:私、この能登半島地震、奥能登豪雨の中でこちらに来て3年経ちました。
復興計画、記録・検証誌を作成する中で感じたこととしましては、災害が起こったときには目の前の業務にどうしても目が奪われがち、それに忙殺されるということになります。
でも大事なこととしては、「その業務をこなすということではなく、その先にいる被災者をどう救ってあげて、そして人々の生活をどう支えてあげて地域の復興につなげていくかということが本来の目的かと思います」ので、そういうところにつながることを意識しながら業務に取り組んでいただければと思っております。
被災者の方が何に困り、何を不安に感じているか、どんな暮らしを取り戻したいかを願っているか、そういう声にも耳を傾けて、今後災害対応業務の方を進めていただければありがたいかなと思っております。
りす:ありがとうございます。市民に向けての心構えとかメッセージというのは何かありますか。
上田さん:私、この能登半島地震でまだまだこの地域で、能登町におきましても被災された方々が大勢いらっしゃって、その方がまだまだ苦しんでいる状況であります。
熊本地震でも同じように被災された方々と共に手を取り合って前に進んでいければと思っております。
熊本地震への災害支援
りす:今回の熊本地震を受けて、能登町から熊本に災害支援をされたとお聞きしたのですが、どんなことをされたかお聞かせいただけますでしょうか。
上田さん:能登町の方では、能登半島地震の時に支援をいただいた氷川町、八代市の方々に向けて物資支援ということで、 トイレ袋であったり給水袋の方をお送りさせていただいたのと、同時に職員を派遣してトイレにお困りしているということで、トイレカーを派遣させていただいたところです。
りす:今、熊本で被害のひどかった氷川と八代の方たちが能登地震の時に支援に来てくださっていたんですね。
上田さん:はい。いろいろと避難所での支援を頂いておりました。
りす:そのつながりを生かして支援されたということで、ありがとうございます。
本日は、能登町危機管理監 上田知史さんにオンラインでおつなぎして、令和6年能登半島地震・奥能登豪雨の災害対応の記録とその検証のお話をお聞きいたしました。
上田さんどうもありがとうございました。
上田さん:ありがとうございました。
※和歌山県海南町と石川県能登町の災害応援協定の新聞記事
・わかやま新報
https://wakayamashimpo.co.jp/2026/01/20260116_135842.html
・朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASV193QC0V19PXLB007M.html

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