今回は、「地震と火事」の話についてお話しいたします。
近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。
アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。
文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。
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文字情報
地震と火事
阪神淡路大震災から30年。
阪神淡路大震災の時には、長田地区で火事が起こり、延焼してたくさんの方が亡くなっているということが報道されましたので、記憶に残っているという方もいらっしゃるかと思います。
それから昨年1月1日の能登半島地震でも輪島で火事がありました。この輪島の時はそれほど風が吹いていなかったのにかかわらず、火の手があれだけ燃え広がったということで、研究者の中でも災害時の火事対策の重要性が改めて認識されました。
そして今現在も消火活動が行われているカリフォルニア州のロサンゼルスで山火事。
日本の山火事では同じように住宅街まで広がるという事はあまり無いと言われていますが、地震の後の火災については関東大震災の時も発生したように、気を付けなければいけないものです。
ロサンゼルスでは山の手線の内側の2倍の面積が焼失したと言われていますね。
風の影響が非常に怖いです。
そして経済損失が24兆円ということで東日本大震災の経済損失16.9兆円よりも大きい数字が出ています。
もちろん高級住宅街があったということもあるんでしょうけれども、同時に多くの方々がお亡くなりになられているということで、私たちも今一度火事対策について考えられたらと思います。
防災の情報をアップデート(更新)する必要があります!
災害対策として、よく持ち出し用の防災グッズのセットが紹介されることが多いですが、いまだにロウソクが必要だと書いてあることがあります。


災害時にローソクの使用は危ない!
以前は推奨されていましたが、現在は地震の後は使用しないように強く言われてます。
災害時にローソクを使用しないようにと書いてある論文まであります。
2018年に発生した北海道胆振東部地震の時、夜中の3時の地震だったので、灯りを取るのにロウソクを使用された方がいらっしゃって、そこから引火した火災が5件ほど起こり、1名の方がおなくなりになりました。
ですので、灯りを取るためにロウソクを使用するのは本当に危ないということを覚えておいてください。
それなのにも関わらず、能登半島地震の後にネットでシェアされた情報の中には古い防災グッズリストがたくさんありました。
国や自治体が発行しているようなものだったら信用できると思って、シェアされてる方もいらっしゃったのだと思います。何年に発行されたと書いていないものも多いので、そう思うのもしょうがないと思います。
実は2011年の東日本大震災の後ぐらいに出された古い資料でも、見た目がオシャレだったり今でも通用しそうなデザインだったりするので、現在は誤っているとされる内容が載っている行政の資料がシェアされてしまうことがあります。
とある国が過去に発行した資料にも、ロウソクが書かれていることがありました。
もちろんロウソク自体が完全悪といいたいわけではないです。
イベントの時なんかに火を灯すときれいに見えて、雰囲気が良くなるので私も好きなんですが、やっぱり火なので気をつけなきゃいけないです。
火がついていればずっと見ていないといけないんですけど、地震などの災害時はなかなかずっと目を離さずにいることはできなかったりしますよね。
なので今はロウソクの代わりにLEDの使用を推奨されています。
古い資料でもおしゃれで見やすいからとシェアされることがあるので、「チェックリストにロウソクと書いてあったら古い資料だと思った方がいい。」これをぜひ覚えておいてください。
ちなみに古い資料に「持っておいたらいいもののリスト」として「紐なしのズック靴」と書かれていることもありました。ズック靴ってなんだかわかりますか?私わからなくて何のことかを調べてみました。
そうすると上履きや紐のない運動靴のようなものをズック靴と呼ぶみたいですね。
でもなぜわざわざ紐無しの靴なのかちょっとわからないですね。
逃げるときにすぐ履けるからというニュアンスなのでしょうか?
このように、なぜこんなものが書いてあるのかと不思議に思ってしまうことがあったら疑ってみることも大事かもしれません。
このような古い情報はマスコミがシェアしてしまっていることもあります。
資料自体に何年発行と書いてないので間違いやすいのだと思いますが、ロウソクと書いてあったり、ちょっと意味不明のものが書いてあったりしたら、うん?って皆さんも思ってみてください。
何度も言ってますが、ロウソク自体が悪いというわけではないので、それだけは気をつけていただけたらと思います。
地震の後や大型の台風などで窓ガラス割れてしまうことがありますが、風が吹くとろうそくも危なくなってきます。
カセットコンロやリチウムイオン電池も注意!
それから火事対策ではカセットコンロも気を付けなければいけません。
これは国の 独立行政法人 製品評価技術基盤機構NITEのサイトに注意喚起動画が載っています。
カセットコンロを2台並べた上に大きい一枚の鉄板を置いて加熱をすると、爆発してしまうという映像があったり、最新の動画では電源を付けたままのIHコンロの上にカセットコンロを置いてしまい爆発したという映像があったりします。是非見ておいていただけたらと思います。


動画→ https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/nenshou/02020101.html
動画→ https://www.youtube.com/watch?v=-fi34yJlUiQ&list=TLGGh5ByKI1yQfAxNTAxMjAyNQ
それから家具の転倒対策の時にもお話しましたが、スマホやモバイルバッテリーなどリチウムイオン電池が使用されている製品が増えましたよね。
リチウムイオン電池は強い衝撃が与えられると、火災が発生します。
ですから家具が転倒してしまい、スマホなどが燃え出さないようにするために、家具転対策も大事だというお話しもしました。
今一度、火災対策として思い出していただけたらと思います。
このNITEのページにもスマホが燃える映像などが入っています。
※製品評価技術基盤機構NITE
https://www.nite.go.jp/index.html
あともう一つ、ロウソクの代わりに「ツナ缶で灯りをつけることができる」ということが紹介されていることがあります。
ツナ缶の上のほうに穴を開けて、”こより”みたいに通して火をつけるんです。
そしたらツナ缶の油が燃えて缶詰のまま即席のロウソクができますよと紹介されます。
これ結構人気だったりするんですけれども、今は「その情報を広げないで!」とおっしゃる学者の先生もいらっしゃいます。
やはりロウソクの火が火災につながりやすいので、ツナ缶でロウソクを作るよりもLEDのライトやヘッドランプを普段からつけていただければと思います。
ちなみにツナ缶ロウソクを作ると家中にツナの匂いが広がって美味しそうではあるんですけれど…。
地震の後や災害時には使わないということも新常識としてぜひ皆さん知っておいてください。
ということで今回は火災対策、防災用品リストにロウソクが入ってたらもう情報が古いと思っていただいたり、ツナ缶ロウソクなどそういうものを作らずに、LEDを活用していただいたり、カセットコンロを使用する際の注意事項だったりご紹介しました。


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あんどうりすの防災・減災 りす便り
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