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あんどうりすの防災四季だより 24年5月19日(再放送5/26)ゲスト:徳島大学 環境防災研究センター 教授 上月 康則先生

りす)
本日はブロック塀の対策についてお詳しい 徳島大学環境防災研究センター教授上月康則先生にお電話を繋いでお話ししていただきます。
実は上月先生、今 能登半島にいらっしゃいますので、地震でブロック塀がどのようになってしまったかをお聞きしたいと思います。
上月先生よろしくお願いします。
上月先生)
はい、よろしくお願いします。

上月先生には
お電話でお話しを伺いました。


あんどうりすの防災四季だより

近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。

アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。

放送の文字起こしを、記事と同じページに掲載しています。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。

文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。

放送音源

   

文字情報

能登半島地震でのブロック塀の状況について

りす)
まず、今回の能登半島での地震でブロック塀は倒れたのでしょうか?
そういったことをお話しいただきたいと思います。
上月先生)
地震の影響で家が倒壊しているという報道はよくされているのですが、それ以上にブロック塀が町の中でバタバタと倒れてしまい、無事に残っているブロック塀の方が少ないという状況です。


りす)
無事に残っているブロック塀が少ない!それくらい壊れてしまっている状況なんですね。
特に、こういうところが特徴的だったというのはあるのでしょうか?
上月先生)
一つはそもそもブロック塀が古いということ。
そしてあともう一つ、透かしブロックと言いまして、お花柄が入っているような、向こう側が見えるようになっているブロック塀があると鉄筋が入らないので、どうしても設置する場合は、控え壁という「家の方向に垂直にブロック塀を付けて支える」必要があるのですが、その控え壁がないというのが、見ていて大きな特徴かなと思います。

りす)
では、もともと倒れやすいと言われているブロック塀は、地震の影響で当然のように倒れてしまっているということなんですね。
あと、家の壁がブロック塀で出来ているものがあったとお聞きしたのですが。
上月先生)
そうなんですよ、家の壁をブロック塀で作っている。
そういう3階建ての家がありまして、そのブロック塀が、3階部分から全て倒れてしまっていたんです。
りす)
3階までブロック塀で作られている壁だったんですか!?
普通お家はブロック塀では建てられないですよね?
事務所とか、倉庫のようなものですか?
上月先生)
まあ、ひとつは事務所兼倉庫のように作られてたんですけども、その会社の中で一人で生活されているのが外から見えたという、そういう状況です。

りす)
その高く積み上げられたブロック塀が全部落ちてきてしまった所があったんですね。なかなか怖い状況ですが。
こうしたことも踏まえて、ブロック塀は無くした方がいいと言われつつ、なかなか無くならないですよね。

先生の研究で「車を走らせて写真を撮るだけで、一瞬で危険な状態かどうか分かる」という研究があるとお聞きしたのですが、一体どのような技術なのでしょうか?
上月先生)
これはですね関西大学株式会社日本インシークと徳島大学の3者で作っているものなのですが、車の上にレーダーを設置し、車を走らせながら測量していきます。するとレーダーがブロック塀の面に吸収されるようにプログラミングされているので、その地域内をぐるっと車で回るだけで、その地域のどこにどれだけの高さのブロック塀があり、どれだけ傾いているか、透かしブロックがあるかどうかなど、地域内の基本的なブロック塀の特徴を観測することができます。これは自動車だけではなく、自転車に積むことで測定を行うことも可能です。
りす)
今までブロック塀の危険性を測定するためには、磁石とか近づけて鉄筋の有無を調べたり、トントンと叩いたりしていましたが、そういう原始的な測定をしなくても危険性を測定することが可能というとですね。
上月先生)
ブロック塀の危険性を測るには、本当は13項目の検査を行う必要があり、それには大体10分程の時間がかかってしまいます。
それが開発されるまでは、学生と3年ほどその検査をやっていましたが、地域全体のブロック塀の場所や数、危険性などを測るには地域全部のブロック塀について知る必要があり、とても大変な作業です。そこで、ブロック塀の危険性の調査を様々な場所で実施するには、自動車にレーダーを積み検査を行うという、このような方法で測っていくというのが良いと思います。
りす)
その技術は土木学会で賞も頂いたそうですね。
上月先生)
はい、インフラのメンテナンスを行うことに長けているという、そのような賞を頂きました。
りす)
そんな素晴らしい技術があるにも関わらずあまり認知されず、自治体さんなどでもあまり採用されていないのは、なぜなのでしょうか?
上月先生)
そうなんですよ、私もこのような技術を作りながら行政の方にも呼びかけてはいるのですが、なかなかそこまで興味関心をもって、ブロック塀に対する危機感を持って頂けていないという点が、残念なところです。
なので、市民の方の中で地域防災に取り組まれている方は、このような技術を是非使って頂きたいと思っていることを、お伝えしたいと思っていることを、行政の方にお伝えいただきたいと思っています。
りす)
では、例えばラジオを聴いてくださった方が、こんな技術があるので地域全体でブロック塀のどこが危険なのか理解し、例えばブロック塀を持っている方も撤去時の助成金がありますよと、前向きに考えられるようになれば、地域全体でブロック塀が無くなっていきますよね。

上月先生)
はい、地域全体の防災力が格段に高まると思いますし、ブロック塀の回収する補助金というのもありますので、それをどんどん活用して頂きたいと思います。

りす)
ブロック塀は震度5くらいの揺れから倒れて、下敷きになってしまった誰かが亡くなってしまうというとても危険なものです。
その対策について、本日は徳島大学環境防災研究センター教授の上月先生にお話をお伺いしました。
上月先生、能登半島にいってらっしゃるお忙しい時にありがとうございました。

上月先生)
ありがとうございました。


あんどうりすの防災・減災 りす便り
https://andorisu.jimdofree.com/


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