あんどうりすの防災四季だより 23年7/16（再放送7/23）ゲスト：かながわ 311 ネットワーク代表理事伊藤朋子さん

りす)
本日も かながわ311ネットワーク代表理事伊藤朋子さんにお越しいただいています。
伊藤さん今回もよろしくお願いします。
伊藤さん）よろしくお願いいたします。

認定ＮＰＯ法人かながわ 311 ネットワーク
https://kanagawa311.net/

りす）
前回のお話で、マンションというのは記載した時、地震で人は死なないかもしれないけれども、その後大きな揺れで大変なことになったり、備蓄とかの備えがないと被害が長期化するというお話もありましたが、それ以外にマンションで心配になる事ってありますでしょうか。

あんどうりすの防災四季だより

近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか？
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。

アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた！そんな時間になるはずです。

文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。

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放送音源

文字情報

マンションでの震災関連死について

伊藤さん）
はい、あるんですよね。というのは、熊本地震の時に震災当日に亡くなられた方は 50人ぐらいだったんですが、その後、震災関連死。
つまり色んな震災後の大変さの中で亡くなられた方が200人以上いらっしゃって、4倍以上の方が震災後に亡くなられてるんです。
いわゆる被害想定とかで行政が出してる数字っていうのは、震災関連死が入ってないので当日亡くなる方の分だけなんですよ。
だから、実際にはものすごくその後多くの方が困難に向かわれるんですけども。
マンションってドア閉めちゃうと、中で何してるか分かりませんよね、電気も来ない、水も来ない状態で、例えば高齢の高層階に住んでらっしゃる方っていうのは、弱ってその後孤独死なさる方っていうのがおそらく大量に発生する危険性がある。
そこに声をかけてあげる人がいて、うまく物資が届けられれば、防げる死なんですけども、特に賃貸でどこに誰がお住まいかよくわかってないとか、交流が全く普段からない方とかってなるとその危険がありますよね。
りす）そうですね。
伊藤さん）
家具の下敷きにちょっとなってるだけでも一人では抜け出せないっていう方もいらっしゃいますし、多少声を上げてもマンションは聞こえづらいんですよ。
りす）
お出かけされているのかもしれないとかでもわからないですもんね。
伊藤さん）
事件が起こっていることが分かりにくいのがマンションの特徴ですから。
普段でも孤独死という事が時々新聞に載りますけれど、普段の困りごとが10倍、100倍に膨らむのが災害時なんですよね。
だから普段起きてる孤独死の人数が、やっぱり10倍、100倍になるだろうということをかなり危惧しています。

震災関連死を防ぐには？

りす）
どのような対策を取ったりすれば孤独死が防げたり、災害時のそういう安否確認体制が取れたりするもんなんでしょうか。
伊藤さん）
それはやっぱり事前のお約束と訓練だと思います。
マンション内の安否確認って何のためにやるの？ってよく聞かれることが時々あるんですけれども、やっぱりそういう孤独死や震災関連死を防ぐことと、マンションの中で困ってる人がいることが外部に伝わりにくいんですよ。
だから、安否確認をしてこれだけの人が食べ物が足りない。
電気がなくて困ってるっていうようなことを外部に伝えるって言うのも、管理組合や自治会の大事な役目になってきます。
そこをきちんとやっていけば震災関連死というのは、その協力体制によってはかなり減らせるはずです。
りす）
安否確認の時に例えば、ドアノブのところに磁石とかで「無事です」とかそういったもの、ステッカー貼り付けるというようなものを準備されているようなところもありますよね。
伊藤さん）
ありますね。あれ有効です。
ただちょっと前までは「避難しました」とか、「助けてください」っていうシートもあったんですよ。
でも「避難しました」はちょっと泥棒の心配があります。
「助けてください」が貼れるくらいなら、貼る必要ないんですよね。
安否確認のシートを出すってとこまでは結構やってらっしゃるんですけども、続けて、出ていないところにどうやって声掛けをしていくか…っていうのが事前の訓練やルール作りの役割かなと思ってます。

りす）
管理組合によっては例えばバールをもって、マンションのドアって地震のときにこじ開けないといけないケースがほとんどで、ドアの周りの壁が弱いからって、それで一軒一軒回ることをされてるところもあるようですよね。
そこまでした方がいい感じなんでしょうか。
伊藤さん）
そこはやれる範囲で。管理組合も素人とですし、みんな素人なのでやっぱり怪我をしない。 二次災害をしないってことも大事になってきます。
マンションの災害っていうと水害もこの頃心配ですよね。
マンションの水害って、「うちは高層階だから大丈夫だわ」って思ってらっしゃる方多いと思うんですけども、電気設備が水害でやられてしまうと、マンションで停電したのと同じことになって、外からの停電より長期化するんですよ。
マンションの中の電気設備がやられてしまうと。
1ヶ月電気が来ないっていうような状態が続いてしまいます。水害で電気がやられると。
電気が止まると停電・断水、断水がついてきますから、外は水がいっぱいなのに、水が出ない。あるいはトイレが流せない。っていうのもついてきます。
だから、分譲マンションだったらだったら特に、自分のマンションの電気設備とか、設備がどうなっているのか。
で、そこは水に対して守られているのか、ちょっと弱いのか。
弱かったらどうやって対策すればいいのか？ってことをぜひ皆さんで考えていただきたいと思いますね。
りす）
対策の仕方ってあるんですか？
伊藤さん）
電気室でしたらその周りを防水扉にする。っていうような、ちょっとお金のかかる対策から…水が来る時に土嚢を積むとか、防水板を置くとか、そういったようなこともいつになったらそれをやるのか。
「誰が号令をかけてやるのか」を決めておかないと、例えば道具だけ揃えておいても実際やるときに遅れてしまうっていうケースが多いと思います。
そういうところでやはり訓練とか事前にみんなで相談して決め事を作っていくというのが集合住宅でも大事になってきます。
りす）
マンションの普段からのコミュニティ作りというようなものが、災害対策としても、普段からの孤独死対策としても重要っていうことですね。

ということで本日もかながわ311ネットワーク代表理事伊藤朋子さんにお話をお聞きしました。
伊藤さん、どうもありがとうございました。

伊藤さん）ありがとうございました。

認定ＮＰＯ法人かながわ 311 ネットワーク
https://kanagawa311.net/

リスナープレゼントをいただきました

りす）
本日のゲストのかながわ311ネットワークの伊藤さんから、「災害が来た！どうするマンション」の本を1冊リスナープレゼント、プラス「マンションで大地震を生き延びる」の冊子というもの。
これはA4の4ページ分ぐらいなんですけれども、普段10円で販売されてるものを 10部ほど、プレゼントしてくださるということです。
ぜひ今回のご意見など、ホームページの方に書いていただいて、リスナープレゼント応募してみてください。

詳しくはコチラ↓

https://842fm.com/?p=44510