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あんどうりすの防災四季だより 22年7/3(再放送7/10) ゲスト:兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科准教授 澤田雅浩先生

りす)
今回も前回に引き続き、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科准教授の澤田雅浩先生にお越しいただいています。
澤田先生よろしくお願いします。

澤田先生)
よろしくおねがいします。


あんどうりすの防災四季だより

近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。

アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。

文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。

放送の文字起こしを、記事と同じページに掲載しています。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。

放送音源

文字情報

神戸のマンションの防災について

りす)
澤田先生は2004年新潟県中越地震の時に被災地の復興の支援に入られました。
その経験をもとに神戸にあるマンションの防災に3年前から関わっています。
そちらの神戸のマンションは実際にどのようなマンションなんでしょうか?

澤田先生)
ポートアイランドっていう名前を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれないんですけども、1980年代の初めに街開きをした人工の島です。
三宮という神戸の中心の駅からポートライナーという新交通システムに乗って行く人工島なんですけども、その街開きされた時には「ポートピア81」っていう博覧会があったような所なんです。

そこでは中心のエリアでマンションが分譲されていまして、その後もいくつかのマンションが立地をしているんですけども、人工島の中にマンションしか立地していないというエリアです。
1980年代に街開きをしていますので、神戸といえば1995年の阪神淡路大震災があったわけですけども、その時実際にそのマンションの中で被災をされた方がまだお住まいの地区になっています。
阪神大震災の時は人工島だったということもあって液状化をしたんですけども、建物の構造的な被害というのはなかったです。
ただ、橋が通れなくなって一時に孤立状態になりまして、船で三宮のエリアと中心市街地とを行ったり来たりしなくてはいけなかったりとですね。
水道が寸断されていて、マンションだったので水をを持ち運んで家まで持っていくのが大変だった…
というような経験をお持ちの方々が、改めて昨今の災害が多発する時代に、もう一度自分たちのマンションとしてどういうふうに災害対策をしていったらいいかっていうようなことを、少しずつですけど議論を始めて、具体的な取り組みを始めているというような地区になります。
実際1万数千人の規模に対して避難所のキャパシティが非常に小さくて、そう考えると、やはり災害があった時に避難所に行くっていう仕組みだけじゃなくて、それこそ自宅でなんとか留まって難を逃れるという対策をちゃんと考えないといけないということで、地区全体としては、区の防災計画にも書かれたんですけれども、被害がなければ在宅での生活を送るような取り決めをしています。

イラストACより

トイレの防災対策

りす)
そのような中で、例えばトイレの対策などについてどのようなことが話し合われているんでしょうか?

澤田先生)
そうですね。阪神大震災の経験をした人たちは家具の固定や食料の備蓄って結構されてるんですけども、じゃあ一番の心配ごとは何かというと『トイレ』なんです。
トイレが使えなくなった時にいきなり現実味を帯びてくるということで、一人ひとりが備えをしてもらうのも大切なんですけども、マンション全体、地区全体で皆さんの心配事をどう解決したらいいかっていうのを、そのマンションの管理組合を超えた、地区全体の防災対策委員会というものを作って、そこで議論をされています。

りす)
訓練も実際にされているって事なんですが、マンションのトイレの訓練ってどんな形ですか?

澤田先生)
残念ながらまだ全体というわけにはいかなくて、できるマンションから訓練をしてるんですけども…。
いわゆる使い捨てのトイレを配布をして、それを使ってもらうというような、実際に使ってみないとどういう風にそれが処理できるのか。
匂いはどうなるのかなどがわからないので、そういったことを地道に続けていってそれをだんだん皆さんに配布しながら意識を高めていってもらおうと考えています。

りす)
これからみなさんと話し合っていくポイントというのは、まずトイレについて話すと皆さん関心持ってもらえるとか、それ以外にこういったポイントがあるっていう事を教えていただけますでしょうか?

澤田先生)
はい。やはりアンケートを全世帯で取った際にも、「トイレの心配」についてはたくさんの方が回答されていて。
それをどういうふうに島としては対策を進めていくのかというと、まずはむやみに流さないことと、それまでになんとか非常用のトイレを使おう、使い方を習おうということですね。
あとはどうやって使える状態になっているかを確認すること。
そこまでやったら使えるようになりました、でも水が足りませんよね。
ですからそういった時には例えば仮設のトイレを使いましょうとかマンホールトイレを使いましょうというように、いくつかの段階でどういう選択肢があるのかというのを地区全体で試しながらこれはこういう風に使えるよっていうリストを増やしていくという取り組みをしていますし、それを年一回島で実施する総合防災訓練で実体験してもらいながら備えに繋げていただければと考えています。

りす)
澤田先生、神戸の実際のマンション防災についてお話いただきありがとうございます。
しっかり訓練されているということで他の地域の方も参考にできると思います。
今回は、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科准教授の澤田雅浩先生にお越しいただきました。

澤田先生どうもありがとうございました。

澤田先生)
どうもありがとうございました 。


あんどうりすの防災・減災 りす便り
https://andorisu.jimdofree.com/


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