近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。
アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。
第81回となった今回のテーマは
「盲学校の防災科学教室 」
番組パーソナリティーのあんどうりすさんは、アウトドア防災ガイドとして全国各地で防災教室の講師を務められています。
そのりすさんが今回紹介してくださったのは、とある盲学校での防災科学教室について。
防災科学技術研究所とベルマーク教育助成財団の共催で行われている防災科学教室。五感に訴えかけるその内容が面白いんです。
詳しくはラジオライブラリーをお聞きください。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。
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ダウンジャケットは濡らさない
冬が近づき、寒いなぁと感じる日が増えてきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
寒いときにはダウンを着る機会が増えますね。
何度も言っていますが、ダウンは水に濡れないように注意が必要です。
雨で濡れてしまうと、ダウンの羽をすぼめてしまって空気が溜められなくなります。
「動かない空気層」というのが自然界最強の断熱材なので、ダウンは濡らさないこと。それから、風の強い日には風を防ぐこと。
これを是非普段から取り入れて、災害時も対応していただければと思います。
あんどうりすさんが書いたこちらの記事もお読みください。
リスク対策.com ダウンの下にたくさん服を着込むのが残念な理由 (2017.11.22)
面白い防災科学教室
私はこのような、日常に生かせる防災講座…みたいなことを話しているのですが、他にも色々面白い防災教室があります。
防災科学技術研究所というところとベルマーク財団が共催で行なっている防災科学教室というものがあるんですね。
9月末に八王子盲学校で防災科学教室が行われました。
講師は、国立研究開発法人防災科学技術研究所災害過程研究部門客員研究員 花崎哲司先生
花崎先生、以前は香川県の盲学校の先生だったんですね。
しかも音楽の先生だったんです。音楽で「防災」ってどういうこと?って思うかもしれません。
花崎先生が防災教室でどのようなことを教えてくださるのか…今日はそんなところをお話ししたいと思います。
得意なことを災害対策に活かす
盲学校に通う子どもたちは助けてもらうばかり…と思われがちですが、その子たちだからこそできる「得意なこと」というものがあるそうです。
例えば花崎先生は、最初にハンドベルを使い色々な音を出します。
そして「これは何の音?」と聞くんだそうです。
そうすると「ハンドベルの音~!」と答える人もいるかもしれませんが、盲学校ではその音を聞いたら「ソの音♪」「シの音♪」というように音をすぐに聞き分けられる、いわゆる「絶対音感」を持つお子さんが多いんだそうです。
音をちゃんと聞き分けられる能力、感性というものが身についているんですね。
そうすると音を聞き分けられるという得意なことを、災害対策に活かすことができるんですね。いざ自分に危険が迫った時、自分で考え判断できるよう、先生は色々とお伝えになっています。
その他授業では、土砂崩れが起きた時の音を流してくださいます。
最初は雨が降るような音が続きます。先生が「ここから音が変わるよ!」と言うと、そこからは音が激しくなり、岩がぶつかったり転がるような音、水が流れる音が聞こえてきます。
嗅覚は重要な感覚
さらに土のにおいや木のにおいがするよというようなことを教えてもらえます。
そこで杉のにおいがするもの、ヒノキのにおいがするものなどを子どもたちに嗅いでもらいます。音だけではなく、においも重要ですよね。
私は土砂災害の現場に何度か入っていますが、すごく土のにおいがするんですよね。
以前も、 VR で体験する防災教材みたいな話をしましたが、VRで目の前に水が迫ってきてもあまり「怖い」と感じなかったんです。もしかすると、「におい」がなかったからかなーって思ったんです。
においというものは災害では重要な要素です。
五感を使う防災科学教室
そのほかこんなものもあります。
ビニールプールをたくさん並べて、その中に泥水を入れます。そこを歩いて見るんです。もちろん歩きにくい…そんなことを体験してもらうコーナーもあります。
白杖をつきながら泥水の中を歩けるのかどうかということも、実際に体験することでわかる…なんてこともありますよね。
また、子どもたちに実際にブロック塀を持ってもらうということもやっているそうです。
そうすると、「これはこんなに重たいんだね」と声が上がる。ブロック塀は1個10キロくらいありますからね。触って、持って体感してもらうのと、持つことは何とかできるかもしれないけど、これが落ちてきたら本当に怖いね」と声があがる。子どもたちは目が見えなくてもきちんとわかってくれるそうです。
ほかにも、巨大な扇風機で風を送りその中で傘をさせるかどうかという実験。
例えばダンボールなど、色々なものを天井から吊り下げて、そこを歩き障害物にぶつかったらどうする?というような体験したり。
また避難所でトイレに行く時、点字ブロック等の誘導がないことがあったりします。
そんな時のために、防災教室ではこんなことをします。
まずトイレまでの道に人が引っかからないように床にロープを引いて、その上に養生テープを貼ります。
目の見えない子たちは、少しでも段差みたいなものがあれば、それを足がかりにちゃんとトイレまで自分で行けるんです。そんな体験もできます。
五感を使って体験する防災教室、楽しそうですよね。
防災科学教室をやってみたい!
特別支援学校以外の子どもも体験することができます。
ベルマーク財団からも申し込むことができます。
詳しくはこちらから→ https://www.bellmark.or.jp/foundation/30004269/
学校から申し込めば講師代もいりません。
PTA の皆さん、コロナ禍ではありますが、子どもたちはいつも会っている子同士だから集まるのは問題ない、防災科学教室をやってみたいということなら、このような体験もいいですよ。今日は楽しい防災科学教室についてご紹介しました。
あなたからのメッセージをお待ちしています!
今回は、「 盲学校の防災科学教室」についてお伝えいたしました。
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今月の防災ワンポイント
FM西東京では、毎月この番組のCMを放送しています。
その中で月替りで「防災ワンポイントアドバイス」をご紹介しているのはご存知でしょうか?
10月のワンポイントは…
今月のワンポイントは
車中泊は「ばすだしで」
「ば」は安全な場所。
「す」は寝る場所を水平にしてエコノミークラス症候群を避ける。
「だ」は断熱で寒さ対策。
「し」は収納場所を作り
「で」は車から電気をとる方法を知っておく。
車中泊は「ばすだしで」。寒くなる前に一度試してみてください。
このようにご紹介しています。
実はこのキャッチーな標語は、香川大 准教授 磯打千雅子さんと磯打先生のお嬢さんが考えた標語なんです。
詳しい内容についての記事があります。
こちらもお読みください✧
避難にも使える車中泊のコツは「ばすだしで」~マイ避難先のひとつとして車中泊を快適に
提供:
有限会社シムラ https://sumitai-ie.jp/
株式会社デコス https://www.decos.co.jp/
日本ボレイト株式会社 https://borate.jp/
さかもと助産所 http://www.cam.hi-ho.ne