近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。
アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。
第76回となった今回のテーマは
「 災害時のデマ 」
台風の季節です。
ここ数年は特に、豪雨や台風による災害の発生が増えています。
災害時の情報発信に一役買っているのがSNSの存在です。
ですが、SNS上に溢れる情報すべてが「真実」だとは限りません。
非常時に怖いのが「デマ」です。
今回の放送では、災害時に流れるデマの7つのパターンについてご紹介しました。
詳しくはラジオライブラリーでお聞きください。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。
放送音源
文字情報
デマには7つのパターンがある
台風のシーズンになってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
災害が増えてくると、色々な防災情報を多くの人が発信されますよね。
今こんなことになっているよという被災地からの発信なども増えるかと思います。
先日、株式会社Spectee(スペクティ)というところが、災害時のデマについての最新情報を教えてくださったので、皆さんにお伝えしたいと思っています。
▶株式会社 Spectee Webサイト
SNSで発信されている情報というものは、災害の現状などをいち早く知らせてくれるというメリットがある反面、デマも含まれていますよね。
こちらの会社では、それらを AI が分析していくのです。
災害時に被災地の今の様子…として発信されている画像が、以前も使われたものではないかとか文章の論理構造がおかしくないか、その人が過去に発信してる情報と合わせて正確かどうかというのを、まず AI が判断するんだそうです。
その後、専門家によって、そのSNSで発信された内容を分析して、正確度が高いものを報道機関や企業、自治体などに情報として提供する。
今はこのような会社があるんですね。
それだけデマが多いっていうことなんでしょうけれども。
そこで教えていただいたのが
デマには7つのパターンがあるということです。
- オオカミ少年型
- ヘイト型
- 勘違い型
- 伝言ゲーム型
- トンデモ科学型
- 犯人探し型
- ディープフェイク型
順番に説明します。
デマのパターン:①オオカミ少年型
これは分かりますよね。
「オオカミが来た!」と大きな声で騒いだりすると周りの人が注目してくれる。
だから嘘を重ねてしまう。
これは「オオカミ少年」と言われるだけあって?
なぜか動物に関するデマのパターン多いです(笑)
例えば熊本地震の時も、「ライオンが逃げてきました!」っていうデマがTwitterで拡散されましたね。
引用: HUFFPOST 2016年07月21日
熊本地震の直後、「熊本の動物園からライオンが逃げた」というデマ情報をTwitterに投稿して、動物園の業務を妨害したとして、神奈川県に住む会社員の男(20)が熊本県警に逮捕された。災害時にデマを流し業務妨害をしたとして逮捕されるのは、全国で初めて。
「ライオン逃げた」熊本地震のデマ情報を拡散した疑い 20歳男を逮捕
大阪北部地震では「動物園からシマウマが脱走!」というデマも拡散されました。
海外でもありますよね。
どうしてみんな「動物園から逃げた!」というデマを流したがるんでしょう(苦笑)内容にインパクトがあるからなんでしょうね…
その他、過去の災害で使われた画像、例えばすごい海外の巨大な雲の画像、それから浸水している様子の画像とか、実は過去に発生した災害の際の画像なのに、今発生している災害のものとして使われているっていうパターンもあるそうです。
そんなすごい画像を見たら、思わずシェアしてしまうかもしれませんが、注意が必要ですね。
デマのパターン:②ヘイト型
災害時はヘイト型っていうデマがひとつのパターンとしてあるって分かっていると、シェアする前にちょっと立ち止まることができるかもしれません。
過去に、関東大震災で外国人が襲ってくるとか、井戸水に毒を流したみたいなデマが流れたということが有名です。
最近でも、被災地で「外国人窃盗団が来た!」っていうようなデマが流れたことがありました。
車のナンバーや車種まで書いてあったりするから、一見本当っぽく見えるんですよね。
そんな時は、その情報が警察や自治体といった確かな機関が発信しているかどうかというのはチェックしたいですね。
警察の情報なら安心かと言っても「友人の警察官からの大事な情報です」なんていうのはちょっと怪しい…
「ヘイト型」というものがデマのパターンとしてあるって知っておくことも重要です。
デマのパターン:③勘違い型
発信した本人は悪気がなく「ドームの天井に亀裂が入っている!」って発信したら、実はよく見ると、それは亀裂ではなく、メンテナンスのためのハシゴと見間違えたというパターンがあったそうです。
デマのパターン:④伝言ゲーム型
これも想像しやすいですよね。
会話しているうちにだんだん話が膨らんできちゃう。
「新型コロナウイルスの感染が発生するかも…」と言っていたのが、なぜか
「◯◯で発生しました…!」とか
「感染者が出ました…!」という話になってるというのはよくあることです。
デマのパターン:⑤トンデモ科学型
最近多いパターンがトンデモ科学型。
これも新型コロナウイルスの感染が拡大する中で
「コロナには◯◯が効くかも!」
「お湯が効くかも!」いうような情報も流れていました。
デマのパターン:⑥犯人探し型
これも最近多い傾向だそうです。
インターネットだと、SNSの発達も相まって、犯人の個人情報を調べやすく、一般の方が犯人探し・犯人の特定をしようとするんです。
その中には有名な「ガラケーの女」といわれる事例のように、全く違う人物が犯人と決めつけてられてしまいSNS上で情報が拡散されてしまいました。
デマを発信した人だけでなく、それをデマと思わずに拡散してしまった人たちも訴えられ、社会的信用を失ったというケースもありました。気をつけなければなりません。
事件は19年8月10日、常磐道であおり運転をした男(傷害罪などで公判中)が相手の車を停車させ、運転席の男性を殴ってけがをさせたものだ。その際、「ガラパゴス携帯(ガラケー)」と呼ばれる折りたたみ式の携帯電話を持つサングラス姿の女が、笑いながら暴行の様子を撮影していた。この姿を収めた動画がSNSで拡散され、テレビのニュースでも繰り返し報じられた。男の粗暴ぶりだけでなく、同乗していた「ガラケー女」にも世間の関心が集まった。
引用: 毎日新聞 2020年8月19日
あおり運転の「ガラケー女」に誤認、今も続く中傷
それでも「裁判通し誰かの役に立ちたい」
デマのパターン:⑦ディープフェイク型
ディープフェイク(Deepfake)とは
引用: Weblio辞書
高度な画像生成技術を駆使して合成され、偽物とは容易に見抜けないほど作り込まれた偽動画の通称である
もう少し詳しく解説すると、ディープフェイクは、Aさんの顔を数万点ものパーツに分解し、表情ひとつひとつにAI (人工知能)がディープラーニング(深層学習)という手法を用いることで、Bさんの顔をAさんの顔にすり替えて顔の表情を自然に動かすことができます。単純に顔の静止画を切り抜いて動画に当てはめるのではなく、映っている人の表情に合わせてそれぞれのパーツが自在に動くため、何も知らない人が見て「加工された動画だ」と気付くことは困難です。
引用: Ledge.ai AI:人工知能特化型メディア
最近増えてきたパターンです。
AIを使って、いかにもその人が話してるように、偽の動画を作り出すことができてしまうそうです。
災害が発生すると、被災地の助けになりたいという思いから様々な情報の拡散をしようとされることがあるかもしれません。
今日お話した7つのデマのパターンを知っておいて、情報発信をする際は注意をしてください。デマの拡散により、皆さんの社会的信用が失われることのないようにと思います。
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今回は、「 災害時のデマ」についてお伝えいたしました。
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