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第2回「元気か~い3.11ラジオです」2022/12/10 放送

この番組では、東日本大震災により西東京市に避難してこられた被災者の方々をお迎えして
11年経った今だから話せるいろいろな思いや真実、人とのつながりなど、心もほっこりする本音トークをお送りしています。

✱第1回(11月12日)放送に寄せられた感想やお便り、一部ご紹介

〇皆さんの素敵な落ち着いた声がとても心地よい番組ですね。
〇聴き終わった印象は、「上質のドキュメンタリー映画を見た後のような満足感」という感じでした。
〇ジェフリーさんらしさ、とても出ていたと思います。多くの方に聞いてほしいですね。
〇みっちり濃い内容でとても感動しました。リスナーは次も聴きたいと感じたと思いますよ。
〇聴きました。涙が出てきちゃいました。
〇あったことがない人まで東海さんのファンになりそうですね。

その他、ゲストの東海敬子さんのお友達からもたくさんいただきました。
ありがとうございました。
ラジオをお聴きの皆さまと「声で交流」ができたようで、とても嬉しかったです。

✱「元気か~い3.11ラジオです」第2回のゲストは、福島県富岡町(とみおかまち)から避難してこられた古堅益三(ふるげんますぞう)さんです。
古堅さんには、番組の前半に避難の日々を、後半に西東京市の暮らしについて伺いました。

放送の模様はこちらから↓
(著作権法に基づき、番組内の楽曲はカットしております。ご了承ください。)

(1)ゲストトーク 前半―避難の日々
古堅さんは火力発電所やプラントの設計技術を身につけ、東電関係の2次下請けとして独立し、原発の電気設計の図面を書いてきました。そして2011年3月11日に福島第2原発の企業棟の3階で作業中に大地震に遭い、やっと逃げ出せたグラウンドで45分後、大津波が破壊しているなんともいえない音を聴き、合掌しました。
翌朝、原子力緊急事態宣言が発令され、町の人たちはどんどん避難しましたが、古堅さんは、「原発は何重にも管理ができているから安全だ」と信じて避難せず、でも余震が怖かったので夫婦で車の中で過ごしました。
しかし、12日の午後3時半頃、爆発音がしたのであわてて避難しました。
その後は体育館や避難所や借上げホテルなどを転々として、武蔵野市の都営住宅に落ち着いたのもつかの間、原発の復旧仕事が舞い込んできたのです。

古堅さんは、原発に関わってきた責任感と、若い人に担わせてはいけないという思いで復旧現場にいきました。
そして、「それは当たり前でしょう」という古堅さん。
原発に関わってきた当事者の潔さと真摯な思いを強く感じた言葉でした。
一方、「妻は止めなかった」と笑っていらっしゃいました。

ゲスト:古堅益三さん

ここで、ラジオをお聴きの方々に、番組では原発を云々するのではなく、あの大惨事に命と向き合った作業員の現実の声、率直な感想に耳を傾けてほしいと語りかけました。

信じていた原発が爆発したと知った時は、頭が真っ白になった・・・。
そして、着の身着のまま富岡町の人たちが避難した川内村の体育館では、誰もが皆、2,3日したら帰れると思っていたのですが、あれからもう11年が過ぎました。
この間にはこんな良いこともありましたよ。
避難の最中に寄ったガソリンスタンドで、申し訳なさそうに「ガソリンがないんです」といいながら、「こんなものしかなくて・・・」とティシュペーパーの箱を何個も車に押し込んでくれた店員さん。嬉しかったね、やさしかったね・・・と、古堅さんはいつものように、淡々と静かに語っていました。

〇富岡町の夜の森の桜を唄った「花は咲けども」を聴きました。
この歌は、花は咲いても見る人のいない桜の木と、故郷に帰れない原発被災者の無念を重ね合わせています。

(2)ゲストトーク 後半―西東京市の暮らし
西東京市は住み心地よい町です。
沖縄出身で三線(さんしん)とギターが趣味の古堅さんは、昨年、西東京市社会福祉協議会主催のミニコンサートで私たちを楽しませてくれました。
サプライズ!
パスポートをもって上京してから54年、益三さんとともに苦難を共にしてきたお連れ合いの恵子さんから届いた「ハーイ、ます様」の手紙を読みました。目を閉じて聞いておられましたが、読み終わった時のやわらかな笑顔が印象的でした。

現在は西東京市内にある「柳橋保育園」と高齢者介護施設「緑寿園」で器材や機器のメンテナンスなどの仕事をしています。今までの技術を役立てることができやりがいがあります。保育園の子どもたちはかわいいですよ。必要とされる場所があるのは嬉しいことです、と、にこやかに語っていました。
今は、気の合う人たちと好きな仕事があるから良い時間を過ごせている
とおっしゃっていました。

(3)エンディングー第3回の予告
次の放送は来年1月14日(土)。
ゲストは西東京市職員の藤澤正樹さんと賀陽賢一さんです。
東日本大震災の避難所運営や被災者支援に参加し、地域の人たちとともに活躍しておられるお二人のお話しから人生を楽しむヒントがみつかるかもしれません。

●この番組は、NPO法人生活企画ジェフリー西東京市の協働でお送りしました。