今回の後記ブログは25節鹿島アントラーズの写真です。
アイキャッチ画像は珍しいチョイスかと思います。お互いのいいプレーがあり、激しいバトルもありながら危険な行為はおそらくなく、ファール後も概ね相手へのリスペクトを感じた試合だったので、この一枚を。
東京側は佐藤恵允選手です。
今日の放送では試合後の長倉幹樹・高宇洋・アレクサンダーショルツの3選手それぞれの囲みインタビューをお届けしました。
内容的には上々(特に前半)で、前半のうちに1本決まっていればだいぶ違ったであろう、それを逃すといずれ傾くあるあるな0-1敗戦。
1分と3分、後半にも1つ。自ら外したわけではなく相手GKのセーブなのでさすが代表GKと褒めるしかありませんが、マルセロヒアンのシュートがどちらか決まっていれば…。


それにしても、ほとんどの選手が躍動した試合。
まずはベテラン長友佑都選手。

特にここ数試合はハードワーク、スルーパスへの抜け出しからのクロス、相手アタッカーの封じ込み。どれもパフォーマンスが高く若手を差し置いて日本代表に選出され続けているにはわけがある。
特にアレクサンダーショルツ選手が加入し、ショルツが自ら持ち運びパスコースを作るので個人ではなく連携が生まれしっかりと武器になっています。

怪我での途中交代の程度が心配な室屋成選手。

夏の戦いで東京が復調傾向にある一因は間違いなく室屋の加入。
4バックになり、戦い方も縦に早いシフトチェンジをするかと思いましたが、意外と繋ぐ戦術も継続しつつ精度が上がっています。
それは右にしろ左にしろ、室屋が安易にバックパスをせず前に付ける。もしくは横を使って上手く推進する。のようにビルドアップで頼りになっている。チームが攻守で多彩になっています。それだけに離脱するようだと痛すぎる。
それだけに、交代後のバングーナガンデ佳史扶選手が3バックにおけるウィングバック的位置取りと待ちの姿勢だった事で、左サイドの流れが滞ってしまったかと。

推進力で言えば佐藤選手。

ドリブルで巧みに交わすタイプというわけでもないけれど、迫力でコースをこじ開けてくれ、得点意識も高くシュートを選択できる。後半のシュートは惜しかった。
そしてこちらも一方として取り上げてしまうが、最初の思い切りいいプレーで豪快に外してしまうと、次のチャンスで消極的になってシュートもパスも出せないのが恒例っぽくなっている野澤零温選手。

ガムシャラさがウリのはず。そこを技巧的な選択をするのなら一層の精度を。
失点の場面は僅かな隙。ただ、その隙を意識としてもプレー精度としても逃さないのが鹿島。
岡哲平選手のみの責任ではないけれど、失点に至る一連で田川選手を見れておらずフリーにしてしまっていました。

あとは下で繋げない場合のロビングボールがあっさり相手が拾ってしまうも勿体ない。
木本、木村の2CB選手が移籍しましたし、粗削りとしても岡選手や土肥選手には森重・ショルツがいなくとも守備が頼もしいセンターバックとしてそろそろ頭角を表して欲しいところ。
キム・スンギュ選手の加入も非常に大きい。

ここしばらくメンバーにいない波多野選手がどうなってるのかわかりませんが、降格の危うさがあるチーム状況でスンギュ選手がいなければ1、2年目の小林・後藤の若いGKにゴールを預ける可能性もあったわけです。
セービング力は勿論、室屋選手でも触れたビルドアップにおいてスンギュ選手も、野澤(大)・波多野選手よりも高いレベルで行えています。
守備陣の向上が復調の一因になってるだけに、離脱が増えてきたことでまた停滞するのが怖いところ。抜けているメンバーに大事なく早めに戻ってきてくれるといいのですが。
長倉選手を起点に攻撃陣も復調が見られます。
拮抗した試合で分厚さを出して勝ち切るには、あとはボランチによる決定機への絡みだったりするでしょうか。

以前東京に所属していた時にはボックス内へ顔を出すことも少なくなかった橋本拳人選手。
そろそろ彼の謎得点力が炸裂してくれないものだろうか。

著:酒匂匠
撮影:赤木真二(転載不可)