2024年のJ1リーグ最終節、セレッソ大阪戦。
放送では試合後の、荒木選手、仲川選手、高選手のインタビューをお届けしました。当番組では小平グラウンドで行われたディエゴ選手の囲み取材を、先週お送りしました。
セレッソ戦後のディエゴインタビューは、第1、3火曜『FC東京スピリット(DJ コセー)』でお届けするかと思います。
謎に今年の鬼門となってしまったホーム味の素スタジアムですが、3-0の快勝で締めくくりました。
賞金の有無はあれど、両チーム順位としては高いモチベーションになるほどではない成績。
となれば、長きに渡りJリーグ、とりわけFC東京で愛され活躍したディエゴ・オリヴェイラ選手のラストゲームに華を添えるべく、パッションを見せた東京の気迫勝ちとなりました。
アイキャッチ画像はベテラン同士の固い握手、7年を共にした同い年の東慶悟選手との一枚です。
引退するとは思えない活力をこの試合でも見せたディエゴは、先制の場面でも絡み…。
荒木のラストパスはあまりに見事な視野と強度。
それなりに強さがあったパスをコントロールミス無くトラップ、からのボレーは紫電もとい輝電一閃の仲川。
この2人が適度な位置で絡めると東京は攻撃が動きます。それが離れたままだといい試合にならなかったなと今年は感じました。
先制の起点となったのは右サイドバック白井選手。この日は守備でも距離感に優れ、自由にクロスを上げさせず。
今年の東京の失点ポイントととして、クロッサー、中のターゲット、どちらも自由にさせてしまうという基本の疎かさがあったかと思います。その中でも、白井選手はサイドバックメンバーの中でしっかりタイトさを出せていた一人です。
撃たなきゃ入らない。を体現した追加点の高。あの位置に入っていくことが重要。来季も大きな期待がかかる選手です。
まだ粗削りな部分も多いながら、プロ一年目で主力として走り回った安斎選手。
オフェンスとして出場した際に、個人で突破からラストパスとチャンスを作れる選手になれるかが来季以降のポイントでしょうか。
怪我もあり、出場機会が限られた山下選手。
タイプ的には前線一人で相手を背負うよりは相棒がいた方が生きるかと思いますが、この日はポスト役やラストパスを受けるポジショニングで存在感を示しました。あとはオフサイドを搔い潜るほんの一味が加われば。
この日は高さで圧倒的な強さを見せ、だめ押し点を奪ったエンリケ選手。リーグ前半で絶対的な存在だっただけに、後半は怪我に泣いたのがチームとしてはとても痛かった。
ご子息の無事な誕生を願っています。
そして、試合途中の交代で現役を退く事となったディエゴを、両チームが花道を作って送り出すガードオブオナー。
他では行われたことがあるようですが、私は国内としては試合で始めて視聴しました。日本が、Jリーグが、ディエゴが素晴らしいと感じた一幕。
さて、昨年途中で監督を代えるも、結局今年いっぱいにかけてベースが作れなかったのが現実。
潮流として、強く、早く、前へ。というサッカーになってきているようで、元々FC東京の強みはそこにあったものの、意図してそれを作り出しているというよりリアクションな面が強く、さらに遅攻の技術やコレクティブもチームとして未成熟。だからこその一昨年アルベル監督就任であったように思います。
未成熟なままなのでまた『縦に早いサッカー』を目指しても元の木阿弥といいますか、チームとしての強さの基盤、成長とはいかないでしょう。
やる事は多いですが、FC東京はどちらも取り組まなければ上位、優勝は成せません。
その歩みを、新規ではなく強い積み重ねとして来年踏めるでしょうか。
著:酒匂匠
撮影:赤木真二(転載不可)