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在宅医療について 2024年12月21日・28日(土)放送分

まつばらホームクリニック『ラジオ在宅NOW』!

この番組は、保谷駅から徒歩三分の場所に位置する、まつばらホームクリニックの松原清二院長に、日頃医療の現場で感じていらっしゃることをお話頂き、皆様にも在宅医療に対しての理解をより深めて頂ければと思います。

第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします!

【12月のテーマ】
『在宅医療について』

皆様是非お聴きください!!

西東京市を中心に患者さんの自宅に行き、診察をしている在宅医療専門診療所「まつばらホームクリニック」のホームーページはこちら→https://m-hc.jp/

↓放送内容を文字でもお読みいただけます!

「松原ホームクリニックラジオ在宅NOW」今回は前回に引き続き11月17日に谷戸公民館で行われた“にしにしnet.定例会議”内、松原先生の講演内容を抜粋してお送りします。お話は「在宅医療と病院の連携」という内容に差し掛かっています。

 松原先生:最後はどうありたいか、とか理解をしてですね、世の中の病院の役割が もう違うんだということは分かってもらいたいなと思います 。

田中ヒロコ:確かにおっしゃる通り、急性期病院の場合、私の母も乳がん手術を高齢で昨年したんですけれども、手術して取ったら“はいじゃあ出てください”っていう 感じだったので、本人はあんまり体調よくないし、面倒見てもらえないですか?っていうわけにはいかないんだなっていうのをすごく感じたので、見てもらう側も病院を自分で選んでくとか、そのあとは普通の病院に切り替わるのか、在宅医療に切り替えるのかっていうのを私たちが選択していかないといけないんだなっていうのをすごい感じたんですね。

松原先生:そうするとですね、おうちで例えば在宅で患者さんを迎えるにあたって、やっぱり病気っていうのはどういう経過を辿るのかっていうのは、皆さんがご理解しておいたほうがいいのかなというふうに思います。例えばこの病みの軌跡と言われているもので簡単に言うと3つのカテゴリーに分かれていて、ガンの場合とか、あと心臓の病 気とか肺の病気、いわゆる良性疾患とか、あとは老衰とこの3つのカテゴリーに分か れているんですけれど、ガンって時間経過で見てみると比較的ある程度状態が保たれていて、突然ガタガタガタって崩れてしまうガタガタガタって崩れてしまって、この状態になってくるってどういう状態かっていうと、今まで普通に外に行けてた人が行けなくなってご飯食べれなくなっちゃう。それになってからだいたい1週間ぐらいでも最期を迎えるというのがガンの経過なんですよね。一方で、心不全の時とか肺のご病気の方っていうのはガタガタって崩れることはあっても、入院をしてある程度状態が戻ってきて、それでまたある程度状態が良くなってからまたガタガタって崩れて良くなって、それがどんどんどんどんどん衰弱していって悪くなっていくというのが良性の疾患。

 田中ヒロコ:極端に波の状態なんですか?上がったり下がったり・・・

松原先生:簡単に言ってしまうと、治療が確立されているというところがあると思います。症状緩和も。あとは老衰とか認知症のケースは緩やかにだんだん悪くなっていくというような経過をたどります。

例えば、在宅でガンの患者さんを迎える場合ですね、やっぱり皆さんですね、家に帰ってご家族と患者さんと時間を共有するということはとても大切なんですよ。それは限られてしまった時間でガタガタって崩れてしまうっていうのがあるんだということは分かってもらった上で関わっていくこが大切なんじゃないかなというふうに思います。

田中ヒロコ:はい、在宅医療はどんな病気だったら見れるの?って思っちゃうんです けど基本的には先生をいつも拝見してると何の病気でも受け入れてらっしゃいますよね。そこがいつもすごいなと思っていて 。

松原先生:そこは基本的にはかかりつけ医っていう概念なんですよね。

かかりつけ医っていう概念は基本は全部一通り見るということになってきます。その 中でも例えば専門性がどうしても必要なケースに関して言えば、地域の基幹病院に相談することがあります。 例えば、ガンであれば骨転移しているようなケースで放射線治療が必要で緩和医療をしなくてはいけないケースとか専門性が求められますので、地域の基幹病院に相談したり心不全治療でも強心剤点滴をご自宅でやっても治療反応性が乏しい場合とか、あとはカテーテル治療とかそういった病院でしかできないような治療に関していえば、それは地域の基幹病院でやらなきゃいけないと思います。 ということで基本は、地域のかかりつけで本来内科であれば全部見れると思いますので、そういうような形で全部受け負って、あとは必要に応じて地域の基幹病院に相談する。というのが理想的かなというふうに思います。先ほどですねそういったその病気に対しての辿るべき軌跡というのをご理解してもらってから、ご自宅では最期を迎るにあたってはどうしたらいいか。もしくは、最後なんか考えなくても、おうちで見るにあたってはどうしたらいいか。というのを考えるにあたっては、患者さんご自身の口からですね、自分はどういう病気なんだということをちゃんと喋ってもらう。 例えば肺がんの人だったら肺がんという単語をやっぱり出るかどうか。あとはどういうような経過をたどって自分はこのような状態になったのかというのは、自分の口からやっぱりしっかり喋ってもらう必要性がある。その喋ってもらった後自分には残された期間どういうことをやりたいか。そういったことをご家族の方、あとはケアマネージャー・訪問看護あとは医師がですねやっぱり納得してそこの自宅での生活をしっかり支えていくというのが在宅医療でのやりがいというかそういったところだと思います 。

田中ヒロコ:今って絶対病気「がんですよっ」て告知されますもんね。だからなんか 自分が患者になったら告知され、病気を受け入れる、受け止めるっていうことがすごく必要になるってことですよね。

松原先生:基本はそうですよね。自分の口から話してももらうのが理想なんですけど、これも理想を押し付けることはちょっとできなくて、例えばガンで治ることができない、認知症もある人に無理に病名を言わせる必要性もないですし、そこは患者さんによるとは思います。ただ原則論は自分の口から言って理解してもらったほうがスムーズにはやりやすいと思います。

田中ヒロコ:でもね、病気じゃないって思いたいんですよね。やっぱり怖くって、病 院行くの怖いなとかね。自分自身で病気を受け止めるってすごく勇気いることです。

松原先生:それはねすごく理解はできるんですよね 。例えばモゴモゴモゴモゴおっ しゃった時にその時は無理に押すことはなくて、こういうようなご理解でこういうような形でこの方は生活していきたいんだというふうに理解をして、接していくことが大切なんじゃないかなというふうに思います。

田中ヒロコ:先生がおっしゃる人生会議の病気に対して向かっていくというのが、伴走してるような感じでいつも取り組んでらっしゃるので、本当に寄り添ってらっしゃるじゃないですか。じゃあこの人はこういう病気だからこういう治療してみようとか、 最初受け入れられなくても先生に相談するとだんだん自分で病を理解していってそれでそこに自分も乗っかれるみたいなイメージがあるのかなって 私はいつも感じてしまうんですけど。

松原先生:それはすごく重要なポイントで、そういうような形で在宅ではじめ見た場合、やっぱり在宅医療なんて、ほとんどの人が人生で初めてなもんですから。 制度が始まったのもごく最近なんで、どうしても不安に思うのも当然なんですけども、接することによって日頃からちゃんと話を聞いて検査をし、必要に応じて治療をし、  それで安心感を与えて、俺これだったら大丈夫。私これだったら大丈夫。って思ってもらえればそれが本望かなというふうに思います 。

はい。で一応ですね今話したシステムですね、今患者さんご家族がご本人の考え方を理解して、それで支えていくっていうのが地域包括ケアシステムという形になります。最近は、医療と介護の連携というのはそんなに強くは言われなくなってきているんです。当たり前のこととして多分理解されてきているんだと思うんですよね 。

医療は医療で病気であれば治療は必要だし、検査も必要だから当たり前なんですけど、 あとは患者さんが、排泄のこととかで困ってしまうとかはヘルパーさんの手助けとかどうしても必要になってくるし、転倒して骨折してしまうとそういうようなリスクをなるだけ避けるっていうことに関してはですね、福祉用具の力がどうしても必要になってくる。あとは看護師が関わって日頃の状態観察とか、排便管理とか、心不全だったら体重は増えてないかとをしっかり見てですね、ドクターに報告していく。そういった連携によって成り立っていくっていうのが医療と介護の連携というふうに言われています。ただ概念としてはあるんですけれども、僕自身も実は開業したのが9年前なんです。よく言われてたんですけど、仕事は別だよねみたいな感じで理解はしてたんですけれど、最近ちょっとを意識するようになったのは、どうしても私の立場だと患者さんの主治医意見書といって、患者さんの認知症の状態とか動けるレベルというのを評価して、それに基づいて介護度が決まってくるんですね。となると日頃から認知症はどの程度なのかとか、どうしたらよくなるのかとかあとはどうやったらこの人の身体障害の自立度を上げることができるか。例えば今までベッドで中心だった のが、トイレまで安定して歩けるようになるか、あとはそれに対して転ばないためには骨粗鬆症の治療はどうしたらいいのかとか?

そういったのをより深くここ9年は考えるようになってきたかなと。多分それが医療と介護の連携のお互いにかけ合うっていうよりも自分の中での深みというか、そういうのが感じるようになってきましたね。