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病診連携について④ 2024年4月20日・27日(土)放送分

まつばらホームクリニック

まつばらホームクリニック『ラジオ在宅NOW』!

この番組は、保谷駅から徒歩三分の場所に位置する、まつばらホームクリニックの松原清二院長に、日頃医療の現場で感じていらっしゃることをお話頂き、皆様にも在宅医療に対しての理解をより深めて頂ければと思います。

第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします!

【4月のテーマ】
『病診連携について』

皆様是非お聴きください!!

↓放送内容を文字起こしした内容はこちら!↓

田中ヒロコ:先生、本日もどうぞよろしくお願いいたします。病診連携についてですね。

松原先生:この前はね、自分の心のトゲがちょっと取れたというような話をしてですね。思ったのはやっぱり対話は必要なんじゃないかなっていうことです。

どういうことかっていうと、自分も含めてどのお医者さんも、忙しいのは事実なんですよ。なのでお互い見える関係にすることが大切で、難しい患者さんのこととかもしっかり話し合うことが大切かなというふうに思います。

田中ヒロコ:先生どうしでもってことですよね。

松原先生:そうですね。
結構いろんな先生と懇親会で話したんですけど、僕も 60 人全員とは喋れなかったんですけど、3 人の先生とお話しして、僕の悩んでる事をお話しさせてもらったんですよ。
やっぱりどの病気も共通してるのが、いろんな治療をし尽くして、その状態で病院に送って今更何するの?っていう気持ちも、在宅でやり尽くしてるんでね。
そのあと病院送ってどうするの?って思う時がたまにあるんですけど、そういった時でも先生方ってこう、お答えをしてくれるんですか?っていうことを相談したんですよね。

病院の中でも急性期病院は何か治療して回復させることが目的なわけで、最後の最後で受け入れるっていうところとは性質が違うんですね。
だから僕もすごい悩みながら聞いたんですけど、いや、それはもう相談してもらえれば全然構わない、と。
本人もそうだし、家族も大変、そういった時にはいつでも相談してもらえればそれで構わないですよ。っていう風に言ってもらった時にはさらに心の雪が解けてったっていうか・・・よかったなーっていう気持ちでした。

ただね、一番初めの頃のモヤモヤを打開するために渾身の努力はしてきて、いろんな知識も技術も身につけてきました。だけど、それでもうまくいかないようなケースが現実には稀にあって、そういった時の相談相手がいるっていうことを知れたことは自分の中では良かったなって思いましたね。

田中ヒロコ:やっぱり先生は先生どうししゃべる機会があった方がいいってことですよ。
先生の気持ちがわかるのってやっぱり先生、同じ業種の人ですよね。

松原先生:その懇親会には別の立場の方もいらっしゃってましたけど、僕はたまたまお医者さんとしか喋らなかったんです。
ただうちのスタッフの連携室の人はやっぱり向こうの連携室の人と話してくれたりとか。立場立場で交流ができているんで、それでいいんじゃないですね。

田中ヒロコ:先生のそのお話しした人もやっぱりご家族があって、やっぱりおっしゃってるところが、やっぱり先生方って家族の方までもちゃんと気にして見てくれてるんだなっていうのがすごいありがたいなって感じました。

松原先生:まあどうしてもね。効率化社会になってしまってるので、その効率の中に人を当てはめていかなきゃいけないところもあるんだけど、必ずしもそうじゃないところがあるんだなっていうのを再認識できたので、それは嬉しかったですね。

田中ヒロコ:心の雪解けがなんかあれですね。エルサみたいですね(笑)

松原先生:僕は手が冷え性ですからね(笑)。
意識障害の人に手を触れたら意識覚醒したことがあって、それ以来自分の手がこわくなっちゃって診察する時にシャツの上からお腹の触診とかするようになったんですよ。

田中ヒロコ:手が冷たくて・・・?血は通ってるんですよね?

松原先生:血は通ってますよ!(笑)

田中ヒロコ:先生AI とかじゃないですよね?今までずっとお話ししてましたけど(笑)

松原先生:本当にでもそれショックでさ、意識障害の人が「あ~冷たい!」とか言って起きた時に俺の手凶器だな、とか思って(笑)
それ以来本当に直接素手で。お腹触るのはもう夏以外無い!
冷房に触れてなかったら大丈夫。冷房に触れてたら・・・エルザかもしれない(笑)

田中ヒロコ:それはもうちっちゃい頃からずっと今まで手が冷たいんですか?

松原先生:子供の頃覚えてないんだけど、少なくとも社会人になってからは冷たいよ。
手冷たい人は心温かいってね、言わせないでください(笑)

田中ヒロコ:ごめんなさい。私が言わないといけない(笑)
私手は熱いんですよ。なんだか逆なのかなと思って。今ちょっとドキッとしちゃいました(笑)

でもよかったです。先生どうしのそういう会があって。
立場の立場の違いでもあるけど懇親会があって。
最近はコロナ禍だからなかったけども、定期的に行われるものなんですね。

松原先生:行われますね。あちこちで結構やってますよね。

田中ヒロコ:すごいいいと思います。
これから超高齢化社会じゃないですか。その中でやっぱりどうしても中にはこの先生冷たいよねって思っちゃったりとかもう診てもらいたくないな、とかやっぱりあるんですよね

患者の立場から見て、全員が松原先生じゃない。
病診連携っていう言葉を私も今回初めて知りましたし、そういう仕組みだったりとか、先生たちのご苦労だったりとかっていうのがなかなか病院に行ってるだけではわからないので・・・
だから「なんで診療所に送られないといけないの」とか、やっぱり疑問に思ったりすることが患者さんの中にはあるので、そういったものが先生のお話を伺うとこちらも心の雪解けというか埋めていけると思います
知識もちゃんと入ってくるしっていうのがすごくためになります。

松原先生:最近、流行りの考え方が多職種連携とかそういう考え方なんですね。
僕もこのラジオでお話ししてたんですけど、やっぱり病院と病院との連携だと、基本は医者と一緒だろうなって思っていて、向こうの先生の考え方の哲学とか家族との関係とか、そういうのはちゃんと理解した上でね。

さっきお話しした先生も患者さんの家族にお会いして、治療してほしい、と言われて。
だけどご本人は「もう辛いから」って言っていて。でも家族は「全然治療してないですよそんなんじゃ」とか言ってたそうです。
患者さん可哀想になってきたから、その先生が「あの患者さん頑張って治療してます!!」とか言ってて、ちょっとジーンときちゃって本当に優しい先生だなと思って。

僕もそう思ってるんだけど、一番見てる先生が言ってくれないと、と思っていて。そういうやっぱり本音トークができる場っていうのが、カンファレンスというのがあるんですけどね。

そこで本音をしっかり出してくれると安心してくれるというか。先生もちゃんと前向きにやってくれてるんだっていうね。

田中ヒロコ:そうですね。ありがとうございます。先生、懇親会人見知りだと思うんですけど、また出てくださいね。

松原先生:3 日ぐらいちょっと疲れましたけどね(笑)
気疲れしちゃってね(笑)

田中ヒロコ:でも、世の中にはやっぱりこう、熱い先生、患者さんをすごい見てくれてる先生がたくさんいるんだなと思って、すごく心温まるお話でした。