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「布団の中で、時間が過ぎるのを待つだけだった――その先に、世界が待っていた」コロナ禍で見失った自分を取り戻し、“後悔しない人生”へ踏み出した9ヶ月×2の旅

コロナ禍の始まり、教員としての日常は一変した。
外に出られない、誰にも会えない、終わりの見えない不安―その中で、渡口奈都希さんは布団から出られなくなるほど心身のバランスを崩していく。

しかし、友人の死という出来事をきっかけに、「このまま人生を終えていいのか」と自らに問い直す。そして辿り着いたのは、“後悔しない生き方”だった。

教員を離れ、夫婦で世界一周へ。さらに日本一周へ。
旅の中で出会った人々、見えてきた日本と世界の姿――

どん底から始まったコロナ禍は、彼女にとって“人生の使い方”を変える転機となった。

※渡口さんとは、日本一周中に西東京市内の飲食店で偶然出会い、インタビューは和歌山とオンラインでつなぎ行いました。(音声に一部、乱れがあります)

渡口さんのお話はここからお聞き頂けます(約17分40秒)

//// お話の記事はこちらから ////

卒業式の準備中に訪れた「日常の崩壊」

名前は渡口奈都希です。現在はSNSなどで発信活動を行うインフルエンサーとして活動しています。2026年4月からは、前職である教員に復帰する予定です。

2020年2月頃は、和歌山県の公立中学校で英語教員として働いていました。教員生活12年目で、ちょうど卒業式の準備に追われていた時期でした。

そんな日常が、コロナによって一変しました。

「自分はインドアだと思っていた」崩れた自己認識

コロナ禍を振り返ると、ネガティブな要素がすごく大きかったなと思います。

もともと自分はインドア派だと思っていたんですが、緊急事態宣言で外に出られなくなったことで、強いストレスを感じるようになりました。

その結果、体重が10キロ落ちてしまったんです。

そこで初めて、「自分は外に出て人と関わることでバランスを取っている人間なんだ」と気づきました。これは自分にとって大きな発見でした。

布団から出られない――心と身体が止まった日々

当時は、ほとんど布団の中で過ごしていました。食欲もなく、1日1回食べれば十分という状態で、食べると気持ちが悪くなって吐いてしまうこともありました。

家族も心配して「食べて」と言ってくれるんですが、食べること自体がつらくて…。

そもそもお腹も空かないし、動かない。だからどんどん体重も落ちていきました。

今思えば、「どうやって1日を過ごすか」が分からなくなっていたんだと思います。楽しみ方が見つけられなくて、ただ時間が過ぎるのを待つしかなかった。

その結果、布団から出られなくなっていきました。

「見えないもの」への恐怖と、教員としての責任

学校現場にいたこともあり、「自分が感染したら学校全体に迷惑がかかる」という恐怖も大きかったです。

部活動の大会もある中で、感染すれば出場停止になる。ウイルスは見えないからこそ怖いし、どう対応すればいいかも分からない。

その“見えないものへの不安”が、常にありました。

友人の死が突きつけた「人生はいつ終わるかわからない」

そんな中で、友人ががんで亡くなりました。

彼は闘病中も前向きにブログを書き続けていて、「また会える」と思っていました。
でもコロナ禍で会えないまま時間が過ぎ、亡くなる2週間前にようやく会うことができました。

ただ、その姿はとてもつらい状態で…。

それでも、「会っておいてよかった」と今は思っています。

彼は結婚して4ヶ月後にがんが発覚し、子どもも授かりましたが、生まれて半年後に亡くなりました。

その現実を前に、「こんなことが起きるんだ」と強く感じました。

「このまま終わっていいのか」人生を問い直す

彼の出来事を通して思ったのは、「これは自分にも起こり得ることだ」ということでした。

じゃあ、自分は今この瞬間に人生が終わっても後悔しないのか。
そう考えたときに、「このままではダメだ」と思いました。

どうせ1日は誰にでも同じ24時間が与えられているなら、後悔しない使い方をしなければいけない。
彼の前向きな姿を見て、「ただ時間が過ぎるのを待つ生き方はやめよう」と思えたんです。

そして、中学2年生のときに抱いた「世界を巡る」という夢を思い出し、動き出しました。

教員を離れ、夫婦で世界一周へ

夫婦で同時期に退職し、9ヶ月間の世界一周の旅に出ました。

2024年4月に出発しましたが、日本ではまだマスクをしている人が多かったのに対し、海外ではほとんど見かけませんでした。

日本は「自分だけでなく周りも守る」という意識が高い一方で、それが同調圧力になり、苦しさを生んでいる面もあると感じました。

コロナ後の世界で見えた「変化」と「現実」

実際に世界を回ると、コロナによってさまざまなことが変わっていました。
入場料の変更や予約制の導入など、以前の情報とは違うことが多く、現地に行って初めて気づくことばかりでした。

情報だけではわからない、「実際に行くこと」の大切さを強く実感しました。

「国は違っても、人は同じ」旅で得た確信

出発前は不安も大きかったですが、行ってみると、どの国の人も本当に優しくて温かいと感じました。
文化や背景は違っても、人の本質は変わらない。

その実感は、自分の中で大きな安心につながりました。

日本一周で広がった「人とのつながり」

世界一周後は、日本一周の旅へ。こちらも9ヶ月間です。

各地で講演やイベントに参加しながら、世界と日本の良さを伝えていきました。

SNSで発信する中で実際に会いに来てくださる方も多く、その方々の人生を聞いたり、一緒に旅をしたりする中で、全国に“友人や親戚のような存在”ができました。

教員時代には出会えなかったつながりが広がり、大きな支えになっています。

コロナ禍が教えてくれた「後悔しない生き方」

コロナ禍から得た教訓は、「いつ何が起きるかわからないから、後悔なく生きる」ということです。

人生は一度きり。だからこそ、自分の心が安心して、楽しいと感じられる1日を積み重ねていくことが大切だと思います。

もし2020年の自分に会えるなら、「人生は楽しいよ」と伝えたいです。

当時は本当に苦しかったけれど、止まない雨はない。
だから、「大丈夫、人生は楽しいから頑張って」と声をかけてあげたいですね。

ありがとうございます