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「休校とテレワークの狭間で~コロナ禍が家族と働き方に残した問い」「聞かせてくださいあなたのコロナ禍~私たちは何を学んだのか?」

「子育てが一番大変でした」コロナ禍は、教育と働き方の両方を同時に揺さぶった。中学進学と同時に休校を経験した息子の不登校、家族のメンタル不調、そしてテレワーク拡大によるこの地域でのコワーキング需要の急増。子育てと事業運営という二つの現場から見えたのは、「元に戻す」のではなく、変化に適応する社会の姿だった。OK西東京を運営する伊勢佳弥子さんのお話をお聞きください。 

伊勢さんのお話はここからお聞き頂けます(約15分)

//// お話の文字起こしはこちらから ////

OK西東京がオープン直後に直面したコロナ禍

伊勢佳弥子です。

私が運営しているコワーキングスペース「OK西東京」は、2019年11月にオープンしたばかりでした。ですので、2020年はまさに“コロナ禍での運営”がメインだった一年ですね。

仕事の面でも大きな変化がありましたが、個人的には――当時、小学校から中学へ上がる長男と、小学生の娘を育てていて――振り返ってみると、子育てが一番大変だったと感じています。

休校、オンライン、そして不登校へ

長男はちょうど中学校へ進学するタイミングでした。
ところが入学直後に一斉休校。どこのご家庭も同じだったと思いますが、子どもたちは学校へ行けず、親は仕事を調整しながら、家での生活を回していく日々でした。

当時はインターネット&タブレットを活用した学習「GIGAスクール構想」という話はありましたが、まだ十分に整っていない時期。
自宅での学習環境も手探り状態で、「さてどうしよう」という空気が社会全体に漂っていました。

思春期の入り口という難しい時期でもありました。
オンライン学習が始まる一方で、ゲームにのめり込むようになり、いわゆる昼夜逆転のような生活に。

中学1年生の間は自宅学習が中心でしたが、2年生で登校が再開したあと、2学期から再び通えなくなり、そのまま中学3年生まで不登校の状態が続きました。

親として、本当に多くのことを考えた時期でした。

「不安をあおらない」会話を心がけて

―その頃、お子さんと話す機会は増えましたか?


増やそうと思いました。

ただ、思春期なので、こちらが話しかけてもなかなか会話にならないことも多くて。
さらに当時は、本人がうつ状態のような状況にあり、後に双極性障害の可能性があるという診断も出ました。

無理に問い詰めても難しい。
だからこそ、見守りながら、不安をあおらないようにすることを意識しました。

「何が正解かわからない」状況でした。でも、わからないからこそ、コミュニケーションを続ける。
お互いがどう感じているのかを、少しでも共有できるように――それだけは心がけていました。

家族それぞれの葛藤

相談先は、学校のスクールカウンセラーと、紹介していただいた思春期対応のメンタルクリニックでした。

正直、劇的に何かが解決したわけではありません。
でも、「自分たちだけで抱え込んでいない」という安心感はありました。

実はその時期、主人も体調を崩し、メンタルが不安定でした。
長男、妹、夫、それぞれが不安を抱え、会話がかみ合わないこともありました。

それでも、「諦めたらバラバラになる」と思って、家族の会話だけはつなぎ続けました。

地域に必要とされたコワーキング運営に訪れた転機

一方で、コーワーキングスペース運営の仕事面では意外な追い風もありました。

もともと「OK西東京」は女性限定の施設としてスタートしました。
ところがコロナ禍でテレワークが一気に普及。男性からの問い合わせが急増したのです。

自宅での仕事に不安を感じる方が増え、「安心して働ける場所」を求める声が高まりました。

状況の変化を受け入れ、男性の利用も受け入れることに。
結果として、現在も安定的に利用していただいています。

「柔軟さ」が教えてくれたこと

―コロナ禍で得た教訓はありますか?


一言で言えば、柔軟さの大切さです。

子育ても、仕事も、当たり前だったことが急にできなくなりました。
「前の状態に戻そう」と思うと苦しくなる。でも、変わった状況に対応していくことが大切だと学びました。

女性限定で始めた施設も、ニーズに合わせて形を変える。
必要とされていることに応えていく。

それが、社会の中で生きていく力なのだと思います。

安心できる場を守り続ける

コワーキングスペースとして、不特定多数の方が利用される場所だからこそ、衛生管理は徹底しました。

毎日の清掃、アルコール消毒、スタッフのマスク着用、手洗い・うがいの徹底。
厚生労働省の指針にも準じながら、利用者の方が安心できる環境を守り続けました。

オンライン対応も積極的に行いました。
女性創業支援講座「ハンサムママ」や、ハグヨガのレッスンなど、Zoomを活用して発信を継続。

「休む」のではなく、「できる形に変える」。
それを繰り返してきました。

人は、乗り越える力を持っている

当たり前が当たり前でなくなった時期。
それでも私たちは、なんとか生き延び、乗り越えてきました。

「よく頑張ったよね」
そんな言葉を、先生方とも交わしました。

人間には、環境が変わっても適応していく力がある。
コロナ禍は、そのことを強く実感させてくれた時間でした。

ありがとうございました。