りす:今回は東京缶区気象台地域防災推進課 情報利用推進官
多田英夫さんにお越しいただいております。
多田さん、またお会いできて嬉しいです。よろしくお願いします。
多田さん:ありがとうございます。東京管区気象台の多田でございます。
よろしくお願いいたします。
りす:前回は新しい「防災気象情報」についてお話をお聞きしましたが、 今回は気象庁の発表される「地震の情報について」お伺いします。
※気象庁ホームページ
https://www.jma.go.jp/jma/index.html
※東京管区気象台のホームページ
東京管区気象台
近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。
アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。
文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。
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文字情報
気象庁が出す「地震の情報」について

りす:一昨年夏に南海トラフ地震臨時情報が出されましたし、 昨年12月と4月に北海道三陸沖後発地震注意情報が発表されましたよね。
改めてこれらどういう「情報」なのかを教えていただけますでしょうか。
多田さん:まずは気象庁が出しているこの情報ですね。「地震予知」の情報と受け取られがちなんですけれども、 今、技術的に地震予知というのは難しい状況がありますので、 この情報、「日々の備えの再確認をするものである」ということにご留意いただければと思います。
まず南海トラフ地震臨時情報、これ一昨年に出たものですけれども、 今後来ると予想されている南海トラフの想定震源域の中で、 ある程度の大きさの地震、これは最終的に来る大地震ではないんですけど、 ある程度の大きさの地震が発生した時に、トラフ全域を対象に引き続いて 大規模な地震が発生する可能性が普段より高まっているということをお知らせする情報です。
昨年12月と今年の4月に出た「北海道三陸沖後発地震注意情報」
これも似たような「情報」なんですけれども、 これは根室沖から三陸沖、日本海溝にかけて巨大地震の震源、ここも発生が予想、想定されているのですが、 その外側も少し含めて、ある程度の大きさの地震が発生した場合に、 やはりその地震の影響で新たな大規模地震が引き起こされる可能性が普段より高まると、こういった昔からの研究の知見もありますので、そういったことに伴って出す情報となっています。
地震の発生の情報というのは不確実性が大きいところなのですが、 普段の備えというものを改めて促すということで、被害をできるだけ減らそう、 そういう考えで出している情報ということをご理解いただければと思います。
りす:普段の備えということで、避難のためのリュックを準備したり、津波避難がある方とか、 それから家の耐震性の確認、家具の固定の確認という、昔から言われている基本的なことを再確認するということですね。
りす:その時に、例えば去年の夏の南海トラフ地震臨時情報の時は、 海水浴場、観光施設の閉鎖など、社会的にいろいろありましたけれども、 これについてはどのように考えたらいいのでしょうか。
多田さん:あの時は、施設が閉鎖されたり、鉄道がゆっくり走ったりとか、かなり社会的に影響が大きかったですね。
これは、その後も分析がなされていますけど、「伝えるべきメッセージがしっかりと伝わらなかったことが原因」というふうに分析しております。
南海トラフ地震の臨時情報というのは、巨大地震警戒、巨大地震注意、調査中、調査終了とか、 いろいろモードに応じて出していくんですけども、一昨年のは「巨大地震注意」でしたね。
この注意の時は、日常の生活は続けつつ、地震への備えの再確認、 もし津波が来たとした時の避難ルート、避難場所を確認しましょう、そういった情報なのですが、 もうすぐ大地震が来るんじゃないかとか、1週間の呼びかけ期間があったかと思うんですけど、 そこが「予知期間」のような感じで受け止められてしまって、「社会的に多少混乱があった」ということかなと思います。
りす: 初めてのことだったし、注意情報が出た時の対策というところも決めているところと決めていなかったところがあったりしたので、「 1週間以内に来るかも」みたいに、一般の人は多く捉えたというようなことが原因ということですね。


気象庁から地震の情報が出た際、気を付けるポイント
りす:では実際に2つの情報を聞いて、注意する、行動する上のポイントというものは何なんでしょうか。
多田さん:先ほども申しましたけれども、地震発生をピンポイントで予測するというのは、現代の科学では難しいですので、 やはり何といっても「日々備えていただくということ」が大事になります。
地震注意情報などで、普段より可能性が高まっていると言いますけれども、 例えばこの高まっている状況で、例えば1000回に1回とかというような感じの数なんですね。
そうなるとやはり「突発的に来る地震の方が圧倒的に多い」ということになりますので、 やはり普段の備えをしていただければというふうに思います。
この2つの地域では、例えば南海トラフの地域は東南海と南海の地震が連動したりとか、 北海道三陸沖でも引き続き起こると、そういったようなことが起こりやすいという科学的な知見をもとに発表されていますので、 確かに可能性は高まっているんですけれども、 やはり普段の備えというものをしっかりしていただくということが基本になるのかなと思います。
りす:普通、普段の備えは普段しておけばいいんですけれども、あまり普段は忘れちゃっているということもあるので「この注意情報を受けたら、普段の備えを必ずやる」ぐらいにはモードを上げていただくぐらいの感覚で。
でも1000回に1回ぐらいなので、旅行をキャンセルしなさいとかそういう話ではないということですね。
なかなか難しい伝え方だと思いますけど、 日本のように地震の多い国に暮らしている人であれば、こういう情報もあるということで考えていただければいいですよね。

リスナーへのメッセ―ジ
りす:「情報」について改めてリスナーさんに呼びかけたいことありますでしょうか。
多田さん:2つの「情報」ですね。皆さんも出たときには驚かれたかと思うんですけれども、 情報が防災対応を1週間呼びかけているというところなんですが、 この1週間という期間は、1週間過ぎるともう地震起きないよというようなそういうのではなくて、 人々が緊張感を持って対応続けられる限度というような社会的な理由による期間ですので、 この1週間が過ぎても地震の可能性がなくなるわけではないと、ここは注意いただければというふうに思います。
先ほども申しましたように、何より物を言うのは「日頃からの地震の備え」ですので、 大きな地震に遭遇したら「まず自分の身を守る行動」というのをとっていただきたいと思います。
私もいろんなところの講演会で時々お話しすることがあるんですが…。
例えば10秒あったらどこに逃げ込む、1分あったらどういう行動をとるとかというようなところをですね、 ぜひ頭の中でシミュレーションいただいて、シミュレーションだけじゃなくて実際に体を動かしていただくと、 そういうところまで持っていっていただければと思います。
また、日々の備えですね。
家具の固定とか、先ほど安藤さんもおっしゃいましたけれども、 家具固定したり避難場所や緊急時の連絡方法とか、そのあたりのところを、 改めて確認いただいて日常生活を送っていただければというふうに思っています。
りす:ありがとうございます。私の場合はもうゼロ秒、最初から激震というのは直下の地震で体験しているので、 10秒もないよというようなこともお話ししているので、東京消防庁のBVRとか動画を見てもらうと、 もう一瞬で最初からぶっ飛んで、ソファーも一瞬でひっくり返っているので、「事前の対策が第一だよ」という話をしています。
今年は東京管区気象台創立80周年だそうです。気象台として何か予定はありますでしょうか。
多田さん:突然話題を変えていただいてありがとうございます。
東京管区気象台は戦後の昭和20年8月に設置されて、 その翌年ですね、昭和21年11月に業務を始めております。
11月1日なのですけれど、今年でちょうど80年ということで、記念イベントですとか、そういったようなものを行おうというふうに計画しています。
今、東京管区気象台は、清瀬市にあるんですけど、平成元年に移ってきたんですが、それまでは東京の大手町で気象庁本庁と一緒にありまして、 大手町にあった本庁も我々が清瀬に来た翌年に港区に移って、バラバラに仕事をしております。
本庁で11月には記念式典も予定しておりまして、講演会などを企画しているところです。
りす:清瀬ではないんですか。
多田さん: そうですね、清瀬はちょっと遠いです。本庁に行くと大きな講堂ですとか施設が整っていますので、いろんな方に来ていただけるのかなと思っています。
りす:皆さんいかがでしょうか。ちなみに昨年は気象業務150年ということですが、何かイベントがあったりしたんですか。
多田さん:気象庁全体では今、言っていただいたように明治8年の6月に業務を始めている 昨年でちょうど150年の節目でした。 翌年には確か天気予報も始めているという感じですかね。
実は6月1日が気象記念日なんですけれども、翌2日に天皇陛下にご臨席いただいて都心で記念式典を開催しております。内閣総理大臣ですとか350名に出席いただいています。
あといろいろ小中学生対象としたアイデアコンクールですとか、動画の作成、天気を題材としたキャンペーンとか、いろいろと昨年度はイベントが目白押しでした。
りす: 昨年はあった。今年は80周年のイベントということですね。気象台としての今後の抱負一言お願いします。
多田さん:申し訳ないですけど気象台何周年って内輪の話ですので。
清瀬移転からまだ10年も経っていないということで、これからも身を引き締めて業務に当たりたいと思います。
今日も気象台から外に出てこうやってお話しさせていただいてますけれども、どうしても技術的な難しい話が多くなりますので、情報を受け取る方の身になった説明を今後も心がけていきたいと思います。
またですね、災害から避難した人に聞くと、やはり「身近な人からの呼びかけ」というのは非常に効くというふうにありますので、まずは気象台が身近な存在になってもらえるように、こういった活動を取り組んでいきたいと考えています。
りす:はい、ありがとうございます。本日は東京管区気象台、多田英夫さんにお越しいただきました。
多田さんありがとうございました。
多田さん: どうもありがとうございました。
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