[あんどうりすの防災四季だより 25年12月7日（再放送12/14)：AEDのおもちゃとアプリについて

りす：本日はAEDのおもちゃとアプリについてお話ししたいと思います。

あんどうりすの防災四季だより

近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか？
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。

アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた！そんな時間になるはずです。

放送の文字起こしを、記事と同じページに掲載しています。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。

文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。

放送音源

文字情報

AEDは怖がらず、ボタンを押せ！

皆さんは、人が急に倒れる場面に出会ったことはありますか?
私は2回ほどあって、「野外救急法」という、野外のフィールドや野山で倒れたりした人がいた時の対処法の資格を取得していますので、まず脈や呼吸を確認して、どちらも脈・呼吸があったためAEDは使いませんでしたが、お一人は念のため脈を取る前に近くの人にAEDを準備してもらうようにしました。

でも実際にはまだ本当に倒れた人には使ったことはなく、実践としては使ったことがない状態です。

だからいざという時、倒れた人がいてAEDを取ってこなきゃ、そして使わなきゃと思う時に、怖そうとか本当にこれ使って大丈夫かなと思う人も多いのではないかと思います。

その野外の救急法ですごく大事なことを教えていただいて、これはそうだなと思ったことがあります。

倒れた人がいて近くに人がいたらAEDを取りにいってもらったりしますが…

「AEDの使い方の細かいことはいいから、とにかくボタンを押せ。」

と教えられました。

「AEDを入手してボタンを押せ。やり方とかは知らなくてもいいんだ。ボタンさえ押せば、あとは全部AEDが言ってくれるから、その指示に従って使えるかどうかも分かるから行動すればいい。」

「とにかく誰か人が倒れているという場面を見るだけでパニックになってもしょうがない、当たり前だから。AEDを取りにいってボタンだけ押せ。」と教えてもらいました。

それはすごく心の負担を軽くするために役に立っているかなというふうに思います。

そうはいっても一度も使ったことがなかったらハードルは高く感じるのではないかなと思っています。

そこでおすすめなのが「AEDのおもちゃ」ですね。

とても可愛いおもちゃがあります。

トイこころとは？

トイこころは、横が8センチくらい、縦が11センチくらいの小さなおもちゃですが、AEDと書いてあります。
本物のAEDは蓋を開けたら電源が入るものもありますが、こちらは電源ボタンを押すと始まります。

これは本物のAEDと手順は全く一緒で、喋る内容はお子さん向けに分かりやすい内容になっています。これは防災の講演の時にも持っていって、私の最近の防災の講座はVRゴーグルをつけて実際の熊本地震の震度6強を体験してもらいますが、その横でAEDのおもちゃを使って、ぬいぐるみで心肺蘇生やAEDの装着をやってもらうということをして、これが大好評です。

このAEDのおもちゃがどんなものか。

まずは音を聴いてもらおうと思います。

まず電源を押します。

♪

「パッドを貼ってみよう。」

「貼ったら体から離れてね。」

（りす：ここで体から離れます。）

「診断を始めるよ。」

♪

「電気ショックが必要だよ。体から離れて、ショックボタン押してみよう。」

（りす：両手を広げて体から離れます。ショックボタンを押します。）

♪

「電気ショック大成功だ。リズムに合わせて心臓マッサージをしてみよう。」

♪

「体から離れてね。もう一回診断を始めるよ。」

♪

「電気ショックは必要ないよ。」

りす：いかがでしたか。

この後、もう一回心臓マッサージをリズムに合わせて始めます。

最初に「パッドを貼ってね。」というふうに言われましたけれども、パッドを貼る位置もパッドに書いてあります。

体のこの部分に貼ってと、イラストで書いてあるのでその通りにパッドを貼ります。

そのため本物のAEDと同じように、音声に従って行動すればいいようになっています。

こちらは「トイこころ」というAEDのおもちゃですけれども、開発したのは北海道の「株式会社坂野電機工業所」代表、坂野恭介さんです。

息子さんがアンパンマンやパトカーを見るとすぐに指を差すけれども、AEDは少しも指を差さないと。

「あ、AEDだ」とならないということから、子どもが散歩しながら「AEDがあるね」と指差す世界を作りたいということで、全然おもちゃの会社ではないのだけれどAEDのおもちゃを作りたいとSNSに投稿したところ、「ぜひやってほしい」という声が集まり、一念発起して挑戦し、2024年の11月にまず1000個販売されました。そうしたらわずか7日で完売したそうです。

子どもも大人もたくさんの方から反響があったということです。

ただ、ほとんど手作りに近いような形で作っていて大量生産がまだ難しく、次回の販売予定が2026年3月ということになっています。

販売はまだ先ですが、前回の1000個もあっという間になくなり、私も防災講座で使っていますと、子どもたちが「あ、これ面白い！」と何度もやってくださいます。何度もやると、使い方もちゃんと覚えるしAEDが大好きになります。

防災講座では防災士さんとかの資格お持ちの方もよくいらっしゃいます。

防災士さんは資格を取るときにAED講習も受けられていますが、1回講習を受けただけだと忘れちゃうということはありますよね。

やっぱり何度もやっていないと、ということなので…

「おもちゃで練習できるのはすごくいい。自分の防災のレクチャーの時にもこのおもちゃを使ってみたい。」という声がありました。

また保育園や子育て支援施設などでも講演することが多いです。

そんな時にも「園に置いておきたい。」というような声もあります。3歳以上であれば使えます。最も反響があったと個人的に思ったのは看護師さん、助産師さんです。

「自分のお子さんにも伝えたい、やってもらいたい。」とおっしゃっていました。これはもともと「子どもたちにも知らせたい。」

ということで小児科の先生に紹介してもらったおもちゃです。

とても人気なので、次回3000個しかないのはあっという間にまた売れてしまうのではないかなと心配しています。