りす:本日は11月9日午後5時3分ごろ宮城県沖で発生した震度4の地震について。
(S-netと気象庁見学についても)お話しします。
近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。
アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。
文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。
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文字情報
11月9日の津波注意報から臨時情報について
この地震では津波注意報が一時発表されていましたよね。
盛岡や内陸部において震度4の地震だったため、なんで津波?と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは以前起こったカムチャツカ地震のように海で発生する地震で、沖合で発生したため津波が起こりました。
しかも気象庁の発表によるとこの地震の規模を示すマグニチュードは最終的に6.9とかなり大きな地震だったんです。
この6.9という数字、あと0.1大きくて7.0になっていたら、気象庁が発表する「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の対象になっていた可能性がありました。
これは何かというと、去年8月に発表された「南海トラフ臨時情報・巨大地震注意情報」。
名前が長いですね。とにかく8月に臨時情報・注意情報が出されましたが、北海道や三陸、また忘れられがちですが千葉や茨城など関東も含めて「北海道・三陸沖後発地震注意情報」だと思ってください。
マグニチュードが0.1違うだけで、放出されるエネルギーは1.4倍も違うと言われています。
1.0違えば32倍も違うので、マグニチュードが少し違うだけでも全く大きさ異なりますが、どこでも今想定される震源域でモーメントマグニチュード7.0の地震が起こった時に臨時情報という注意情報が出る可能性があると思ってください。
臨時情報とか後発地震注意情報とか名前がややこしいのでイメージしにくかったりするかと思いますが、「注意情報が出てから1週間程度はどのように注意するか」ということについて、今、企業や学校の防災研修をしていても、「昨年の臨時情報で困ったから次に備えて今何をしておいたらいいか研修したい」という企業や学校が増えています。
もしも「考えたこともなかった」というケースが皆さんの周りであれば、そういった情報が実際に出された時に混乱してしまう可能性があるので、防災について改めて考える機会として情報を集めていただければと思います。
S-netとは何か?
さて、今回の宮城沖地震は、気象庁の海底観測網の「S-net」というものが津波を捉えたということも話題になりました。沖合およそ70キロの地点の海底で、津波を捉えたんですね。
この「S-net」というのは、海底に設置された地震計と水圧計を光ファイバーケーブルで繋いだ観測システムです。
東日本大震災後に設置されるようになりました。
房総沖から北海道沖まで約5,500キロにわたる海底ケーブル、それもS字のようにくねくねと曲がりながら150箇所以上の観測点が並んでいます。

これにより陸で観測する津波よりも数十秒速く、津波が実際に起こっている、近づいてきているというのがわかるようになっています。
だから今回も沖合でも津波がありましたということが発表されました。日本の地震観測の最前線ですね。
ちなみに同じシステムの南海トラフ版というのはもっと早くから開発されていて、「DONET」というものがカバーされています。
紀伊半島から四国・九州沖にかけて設置されています。
この両方を「防災科学技術研究所」というところが運用して、それを気象庁が受け取って津波注意報などを出せるようにされています。
※防災科学技術研究所 S-net
https://www.seafloor.bosai.go.jp/S-net/
すごいですよね。
以前よりも津波というものが発生した場合には注意報、警報などがすぐ出せるようなシステムが整ってきたということです。
様々な研究者の方や、こういったシステムにお金をかけてきたおかげだと思っています。気象庁は津波だけじゃなく地震や火山の情報なども24時間体制でリアルタイムに受け取って解析しています。
そのオペレーションルームというものが虎ノ門にある気象庁本庁にありますが、見学ができるんです。
私も実は、この宮城沖地震の数日前に見学に行ってきたところでした。
気象庁を見学してきました
私も実は、この宮城沖地震の数日前に気象庁の見学に行ってきたところでした。
会見室も入れるんです。しかも気象科学館の解説員の方の解説を受けながら見学できるんです。
会見室の後ろにはマスコミのカメラが常設してあって、いつ会見が行われても、もし記者さんたちが辿り着けなくても会見が放送できるような仕組みも整っています。
これは実は2名から予約可能で、2週間前までに電話予約をすれば2名から見学できるんです。
すごくおすすめです。ぜひ見学を考えてみてください。
特に地震というのは毎日震度1程度の地震が起こっているので、その度に画面が赤く変わったりして、それに対応している職員の方が24時間交代制でやってらっしゃるのを見ると泣けてくるような施設になります。
こんな方たちに支えられている緊急地震速報などを有効に活用しなければと胸に刻むことになります。
そちらは2週間前までの予約必要ですが、1階には予約不要の無料で見学できる気象科学館があります。
この気象科学館は結構面白い仕組みがあって、入口に「はれるん」という気象庁のマスコットがいるんですが、そこでフラッシュを焚いて撮影すると肉眼では見えないものが浮かび上がるような仕掛けや、新人の気象予報官になりきってクイズに答えていくような体験型の展示というものもあります。

※気象科学館
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/kagakukan.html
また360度映像の「うずまきシアター」というような上映があったり、「災害時どこが避難する際に危なくなるの?」というようなポイントをタッチして危険場所を確認する展示があったり、火山について仕組みを解説してくれる展示があったり、緊急地震速報トライアルとか、椅子が揺れるとか、いろいろな仕組みが展示などを通してわかります。
津波シミュレーターもわかりやすいものがあります。


これは和歌山県などの展示でも見たことありますが、虎ノ門でも見ることができます。
それから竜巻と台風が起こせる「うずのすけ」という展示もあって、どのように竜巻が起こってくるかわかるようなものになっています。
同じ建物に「港区立みなと科学館」もあって、合わせて見ることができます。
虎ノ門ヒルズ駅から徒歩4分とアクセスもいいです。
ぜひこちら、学びに行って、そして今後発生する様々な災害に対する備えを考えていただければと思います。

※気象庁マスコットキャラクター
はれるん
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/info/harerun.html
本日は11月9日の津波注意報から臨時情報の話に対する「S-net」のこと、それから気象庁見学についてお話ししました。
皆さんのおすすめ見学・防災施設などもお便りお寄せいただければ嬉しいです。お待ちしています。

あんどうりすの防災・減災 りす便り
https://andorisu.jimdofree.com/
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