りす:本日は、高知市防災政策課課長、そして地区防災計画学会幹事、集落の区長、自主防災会の会長としてもご活躍の山中晶一さんにお越しいただいています。
山中さん、よろしくお願いします。
山中さん:はい、山中です。よろしくお願いします。


山中さんにはオンラインでお話を伺いました。
近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。
アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。
文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。
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「全国防災関係人口ミートアップ」とは?
りす:山中さんは、「全国防災関係人口ミートアップ」というオンラインの会議室のようなものを立ち上げていらっしゃいます。
そして、全国の公務員仲間と一緒に防災に関わる活動を継続しているということですけれども、「オンライン市役所」というところから始まったということで、ご説明いただけますか?
山中さん:はい。ご紹介いただきましたように、この番組のリスナーの方は全国にお住まいということで、私は高知県高知市でお世話になっております。
市の職員もやっていますが、集落で区長をやっている一市民でもあります。
コロナ禍の時に、いわゆる「オンラインでのネットワークづくり」が来たかなと思うんですけれども、その時に「オンライン市役所」という全国の公務員が集まるプラットフォームが立ち上がりまして、現在は約5,000人以上が参加しています。
そのオンライン市役所の中に、〇〇課というリアルな市役所のような交通〇〇課、防災政策課といったところがありまして、その「オンライン市役所防災対策課」というのを立ち上げました。
公務員限定のプラットフォームだったので、公務員用語で言うと自主研修グループみたいなものですが、そこでも150名ほど集まりました。
その自主研修グループみたいなもので色々な活動をしていましたが、公務員だけで閉じて、クローズドで防災や災害対応をするというのには限界や違和感がありました。
やはり日頃から、立場や地域を超えた顔の見える関係づくりが、コロナ禍だからこそ、オンラインだからこそできるのではないかということで、毎週月曜日に「オンライン市役所防災対策課公開ミーティング」というのをやっていたんですけれども、これがだんだんと広がっていきまして、ついには名前も変えてしまいまして、「全国防災関係人口ミートアップ」となりました。
これはぜひ、あんどうりすさんにもご指導いただきたいなと思っています。
発想とか行動力は人並みにあるのかなと思いますが、コンテンツとかネーミングとか仕上げるのが下手なんです。
とりあえず動く、やるという感じで「全国防災関係人口ミートアップ」というのを毎週月曜日20時からオンラインで行っています。
立場や地域を超えた顔の見える関係です。
災害時の「はじめまして」は、なくそうとしています。
あんどうりすさんはご存知のとおり、災害時は既存のシステムがシャットダウンして、平時の動きができなくなりますよね。
その時に、民間・行政・市民など、様々な方が助け合わないとダメですけれども、その時に「はじめまして、よろしくお願いします。」と言っていたら間に合いません。
ですから、平時から立場や地域を超えた顔の見える関係を作っていこうということで、毎週月曜日に始めて、令和2年くらいからなのでもう5年が経過しました。


りす:継続していらっしゃるということで、このプラットフォームは、オンラインでZoomを用いて会議されていると思いますが、例えばこの番組を聞いているリスナーの方が防災について知りたいなと思ったら、気軽に参加しても大丈夫ですか?
山中さん:そうですね、参加が狙いでしかないです。
こういうコンテンツ企画作り、番組作りというのは対象者を絞ると思いますが、本当に何でもありです。
立場や地域を越えて集まる。
そういう臨場感あふれるコンテンツというか、僕はジャズのセッションだと思っていますが、みんなで集まってクラシカルのオーケストラを譜面通り奏でるのではなく、みんなが楽器を持ち寄ってみんなでセッションしていくようなものだと思っています。
つまり、皆さんの得意、もしくは弱みを持ち寄って集まっていただければ、それがそれぞれの学びになって相互連携・相互補完につながると思っています。
ぜひ色々な方に集まってほしいです。
誰でも参加できる、そういった居場所になっています。
りす:はい。普通に公務員の方だけで悩みが打ち明けたりしがちですが、あえて公開にして、色々な方と考えるというプラットフォームになっていると思いますが、最近の話し合いの内容で印象に残っていることやこんなものがありましたと言うことをご紹介していただけますか?
山中さん:内閣府もおっしゃっていますが、「場所の支援から人の支援へ」というふうに、軸を少しずらしていますけれども、いわゆる避難所の「場所」ということではなくて、一人ひとりの「災害ケースマネジメント」ですよね。
そういったところがすごく盛り上がっていまして、弁護士の永野海先生に精度・自治体の対応力チェックみたいな形でそういう話をしていただいた後に、NPO法人YNFの江﨑太郎さんに、局地災害と大規模災害の支援の格差というところでお話をいただきました。
先日は、静岡の株式会社の方ですが、地域でも「災害ケースマネジメント」をあらかじめ学んでおくことで、自治体や支援者を助けることができる。被災者一人ひとりを日頃から知っている地域こそが関係していき、考え方と知識を身につけるんだとおっしゃっていて、やはり立場や地域を超えたというところが機能してきた。
そういった実感があります。
りす:なるほど。初めて被災するところというのは、混乱が起きがちだったりするんですが、こういうプラットフォームなどに参加した公務員の方とか市民の方が、事前に学んでいたことが役立った、みたいなことはあるのでしょうか?
山中さん:そうですね。令和2年からやっていますから、これまでも色々な災害が全国で起こっています。
能登半島も然りですけれども、毎週月曜日やっていることで、「月曜日のあの時にお会いした」とか、オンラインでお会いしているんですけれども、実際の被災地でそのネットワークを活かして活動されている。
そして、被災地で活動したことをまたこのミートアップでご報告いただいている。
そういったオンラインとリアル、リアルとオンライン。そして被災地と未災地、未災地と被災地。
そういうところを行き来しながら、そういった境界が溶けていく、そんな手応えを感じています。

公務員限定で振り返る時間も大切
りす:災害が起きたらその地域の公務員も被災してしまうので、市民に言いにくい公務員の悩みとかもあると思いますが、その会議の中で、最後に公務員だけのお話し合いの時間もあるんですよね?
山中さん:そうなんです。一回切ってから、公務員の運営側の振り返りを少ししますが、「話題提供者は少し残ってください。フィードバックをしたいから。」と言っているんですが、「少し」が1時間ぐらいになっていますね。
本当に申し訳ない。
だから終わってからも長いっていうね。公務員だけで振り返りをする時間を作っています。
本当は公務員って分けたくないんですけども、どうしてもやっぱりぶっちゃけた話をしたいところもあると思いますので、より踏み込んで話をしたいという思いでその後に時間を取っております。
やっぱり話題提供をいただく民間の方や先生、有識者、あんどうりすさんのような実践者、インフルエンサーの方が、公務員にお話ししたいこともありますので、本当に忌憚のない意見をぶつけていただく貴重な時間になっています。
りす:公務員の人ということで、オンライン会議中に何かあったりしますか?
山中さん:そうですね、本当に立場や地域を超えた仲間が集っている場所ですから、「公務員」と「公務員ではない方」という二項対立ではないはずなんですけれども、やっぱり行政に対してサービスは「提供する側」と「される側」というマインドセットで参加される方もいます。そういう方が「行政もっと頑張れ」とか「ちゃんとやれよ」という意見をチャット欄に書き込んでくることもあります。
でも逆に、民間の方で「いやいや、そういうあなたは何をしているんですか?」とか、「ちゃんと地域防災やっていますか?」というように助けてくれる方もいます。
そういう仲間も、誹謗中傷や公務員を責める方も含めて、「仲間」というか、市民、地域だと思っていて、立場や地域を超えて、私たち公務員も、あんどうりすさんも、皆さん含めて「地域資源」だと思っています。
だからその地域資源が、みんなで作っていくのが正解だと思っていますので、そういうのを修練している場所になっておりますが、あんどうりすさんどうでしょうか。「ハレーション」、大事ですよね。
りす:なるほど。
山中さん:「ハレーションの後のハーモニー」という言葉もありますけど、やっぱりハレーションを恐れていて、隙間で苦しんでいく人がいます。
その平時の隙間が顕在化するのが自然災害なので、「ハレーションを恐れて隙間を作っている社会」ではなくて、「ハレーションを恐れずに、みんなで作っていく社会」を平時から作りたいですよね。
全国防災関係人口ミートアップにご参加ください
りす:素晴らしい構想、ありがとうございます。
これを聞いてね、行政の職員の方、議員さん、市民の方も参加してみたいなと思う方がいると思いますが、いつも何人ぐらいいらっしゃる感じですか?
山中さん:毎週月曜日はだいたい100人から150人ですね。あんどうりすさんの時は200人ぐらい集まるんですけれども、だいたいいつも100人ぐらいでやっています。
りす:はい。「参加したい」という方も増えてくると思うんですけれども、リスナーの皆さんに伝えたいことはありますか?
山中さん:「全国防災関係人口ミートアップ」という長い名前ですが、これは団体ではなく、コミュニティであり、「人と人のつながり」だと思いますので、ぜひ気軽に参加していただきたいと思います。
コンテンツなんですけれども、そういう一つの考え方だと思っています。
立場や地域を超えて環境を作っていくというのは、災害時に必要なんですが実は平時の地域社会にこそ必要なんですよね。フラットに、イコールパートナーシップで、平時から地域課題を共に考えていく。
正解は誰かが与えてくれるものではなくて、みんなで作っていくものだと思います。
災害時でもそうですし、平時も「正解をみんなで作りたい」、そのように思っていますし、そういう人の居場所にしていきたいと思っておりますので、ぜひお気軽にご参加ください。
りす:参加したいと思った時に、どのように参加すればいいんでしょうか?
山中さん:これはFacebookグループにぜひ入ってほしいです。
そこで毎週月曜日にどんな話題提供があるかということとZoomのURLを案内していますのでそこを見ていただきたいなと思います。
よくFacebookをやっていない人はどうしたら良いですかといただきますが、お声がけいただきましたらZoomのURLをお送りいたしますので、山中宛てにMessengerでご質問いただければと思います。
りす:エフエム西東京の方でもサイトを載せておきます。
そのFacebookグループは承認制などではなく、誰でも見られる公開のグループですよね?
山中さん:そうですね。よほどのことがない限り誰でも見られます。できるだけオープンにするつもりです。
それが最大の狙いです。逆に言えば趣旨に沿わない、不適切な発言などは控えていただきたいと思います。
みんなでのチャレンジだと思っておりますのでぜひご参加ください。お願いします。
りす:はい。ありがとうございます。本日は全国防災関係人口ミートアップの山中晶一さんにお越しいただきました。山中さん、ありがとうございました。
山中さん:もう終わりですか。たまーるか!ほいたらね。どうもありがとうございました。
全国防災関係人口ミートアップ/FBグループ
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