りす:本日も皆さんお待ちかねの「気象についての質問のコーナー」にしたいと思います。
東京管区気象台 地域防災推進課 情報利用推進官、多田英夫さんにお越しいただいています。
多田さん、またよろしくお願いします。
多田さん: 本日もよろしくお願いします。多田でございます。

多田さんには田無駅改札そばまちテナスタジオでお話を伺いました。
近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。
アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。
文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。
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リスナーの皆さまからの気象についての質問
りす:多田さんのお話は要点をとらえた解説で、皆さんにも分かりやすかったのではないかと思うんですけれども、引き続き質問が来ておりますので、お答えいただけますでしょうか。

気象庁の障がい者雇用や取り組みについて
りす:今回はちょっといきなりですが、障がいをお持ちの方から「気象庁はなぜ障がい者雇用はやらないのですか? 才能高い障がい者がたくさんいるのに」という質問が来ているんですけれども、お答えいただけますでしょうか。
多田: はい。障がい者雇用についてですけれども、気象台に限らず、公務の職場では既に障がい者雇用は行っております。人事院が公務員全体の人事を管轄していますけれども、人事院のサイトに各府省庁の公務の障がい者の方向けの募集状況が掲載されていまして、これは随時内容が更新されていますので、ご興味があれば是非ご覧いただければと思っています。
りす: 雇用してもらえるかもしれないということですよね。
そして、「各障がい者向けに改良したお天気案内を公表してほしいです。現在のは全て健康な方が対象なので、各障がい者には向いていない気がします。」というようなことをいただきました。「私はお天気大好きなので、要請があれば全面的に協力をいたします。」といただいています。
多田さん: ご意見をお聞かせいただければと思います。
これはとても大事な課題で、気象情報を難なく入手できる方ばかりではないということで、気象庁もそういったことに対応するセクションを置いてやっているところです。
これは障がい者の方だけではなくて、外国からいらっしゃった方とか、日本語の気象情報が読めない方とか、そういった方も含めて、あらゆる配慮が必要な方向けの情報の改善というものに取り組んでいるところです。
一つ紹介させていただきたいんですけれども、茨城県にある筑波技術大学が日本で唯一の目と耳が不自由な学生さんのための大学なんですが、東京管区気象台は連携協定を結んでいまして、学生さんへの授業とか意見交換、また大学の先生を通じた全国の聾学校さんへの防災授業などを行って、そういう方々に情報を伝えるより良い方法のヒントを得ようとそのような取組を行っています。
エピソードとしては、「津波フラッグ」というのご存知でしょうか?
りす:赤と白の、目に見えやすいものですね。

多田さん:あれは津波警報が出た時に、耳の不自由な方が海の中にいて、サイレンとか聞こえないというような場合でも視覚で伝わるように、ということで普及を図っているところなんですが、この旗のデザインをどうするかについては、実際に海の中から見たり、夕方や昼の見え方など、いろいろな実験を行い、最終選定には筑波技術大学の学生さんの意見というのも大きく反映しました。
そういった取り組みも進めているところです。
りす: そうだったんですね。
旗の種類も、いろんな種類を使って実験したとお聞きしたんですが、そのような経緯があったんですね。
ありがとうございます。
いろんな工夫がされているということで、次の質問にいきたいと思います。
西東京市で気をつけないといけない災害は?
りす:「火山や海からも遠い西東京市で、一番気をつけなければいけない災害は何でしょうか?」という質問です。
多田さん: いろいろな災害が頭に浮かんでいらっしゃるのかなと思いますが、やはり日々の大雨というのが一番身近なのではないでしょうか。
そこに備えるためには、例えば周りに比べて低い土地が浸水したり、石神井川や白子川の近くにお住まいの方は、洪水の注意が必要かなと思います。
最近の大雨は、皆さんもお感じかと思いますけれど、短時間で浸水したり、川があふれたりということが多いので、その対策としては、西東京市が提供している「ハザードマップ」を見て危ない場所を知っておくということと、浸水しているときにその方向に逃げてはダメなので、いざというときにどっちの方向に逃げるのかということですね。
そういうのを考えておくのが有効かなと思います。

りす: ハザードマップなどでも、「逃げる方向」が書いてあったり、雨で浸水した時には使えない避難所があるので、そういうのを調べておくことが大事ですよね。
※西東京市ハザードマップ
https://www.city.nishitokyo.lg.jp/kurasi/iza/bosai/fusuigai/hazard_map.html
多田さん:避難所の場所も大事ですね。もしそこに行けなかったときの「セカンドベスト」も必ず調べておいていただきたいです。
りす: セカンドベスト、大事ですね。「これだけ」っていうのだとダメですよね。
雨以外ではどうでしょうか?
多田さん: 「首都直下地震」です。一昨年は関東大震災100年とかって言われてましたけど、この多摩地域も、断層が地下にあると言われてまして、震度6クラスの地震の発生の危険性が指摘されています。
そういった大地震への備えですね。家の耐震化や、家具の固定、あとは避難訓練などです。
最近、能登半島の地震や熊本の地震でも、耐震化してある家が結構持ちこたえたという例もありますので、そのような備えが大事だろうと思います。
あとは「火山や海から遠い」とありましたが、「富士山」ですね。

富士山も最終の噴火が300年前で、江戸時代です。
その時は関東地方も5センチ程度の火山灰が降っていますので、富士山噴火への備えも必要かなと思います。
東京都も対策に本腰を入れてきていますので、いろいろな情報を取っていただければと思います。
りす:質問にその「灰の対策」ということでご質問いただいていたんですけれども。


多田さん:例えば細かい灰が電気設備に入ると停電したり、東京都の対策と言いましたが、「浄水場に降ってしまうと水が出なくなったり」、車・飛行機・鉄道が走れなくなったりと、そういったことが想定されています。
そのような対策は社会的に行うところですが、我々としてはやはり火山灰をいかに掃除するかというところが大事なんだろうなと思います。
雨が降るとコンクリートみたいに固まってしまいますので。
りす:水をかけて掃除したらいけない、ということで、鹿児島などでは工夫されているとお聞きしたんですけど。
多田さん: はい、実は何年か前に鹿児島に勤務してたことがありまして、車を洗うと火山灰が降るとか、ジンクスがありました。
各家庭に「克灰袋(かっぱいぶくろ)」という、黄色い袋に大きく漢字で書いた袋が行政から配られていまして、火山灰は必ずそれに入れて、集積所に持っていくというふうに決まりになっています。
やっぱり専門の処分をしなきゃいけないというところもあります。
りす:水をかけちゃったらダメってことですね。「克灰(かっぱい)」はどのような意味なんですか?
多田: 「克服」の「克(こく)」に「灰」「袋」と書きます。何年も前でうろ覚えになっていますが、確かそういう字だったと思います。
りす: なるほど、ありがとうございます。火山灰にもプロフェッショナルでいらっしゃったということなんですね。
また よく言われているのは、コンタクトレンズは、ガラス質なので火山灰が入ると危ないので外して眼鏡に変えて、なんて言われていますよね。
正確な情報を取るには?
りす:そのほか、総合的な質問なんですけれども
「いろんなサイトから情報が取れる現在なので、一番早く正確な情報を取れる方法はどんな方法でしょう? 情報の取りやすさも含めてお聞きしたい」という質問があります。
多田さん: 今、スマートフォンでも良いアプリがたくさん出ていますよね。
我々気象台もホームページを持っていますので、情報発信元の「気象庁のサイト」が一番情報が揃っていて、掲載も早いので、ぜひ見ていただきたいなと思います。
※気象庁ホームページ
https://www.jma.go.jp/jma/index.html
※気象庁西東京市の防災情報
https://www.jma.go.jp/bosai/#pattern=rain_snow&area_type=class20s&area_code=1322900
※気象庁キキクル
https://www.jma.go.jp/bosai/#area_type=class20s&area_code=1322900&pattern=rain_level
そこは本音なんですけども、最近は使いやすいアプリもいっぱいありますので…
「普段使っていただいているものをしっかり使い込んでいただくと、何かあった時に大事な情報にすぐ辿り着けるように、普段から見慣れておいていただく」というところが大事かなと思います。
りす: 結構、スマートフォンの民間アプリでお天気だけは見てるけれども、風の強さまで見たことなかったとか、大学生に授業で防災の話することがあるんですけれども、「南から風が吹いてくる」とかいうことが分からずに、「南風って、どこから吹いて、南に吹いていくの?」みたいな大学生もいたりします。
あとはアプリの中の「メニュー画面」を見ると、河川の情報まで分かったりしますが、そこまで辿り着いてない人も多くいるので、いつも使ってそういうのを見れていたらいいですよね。
ありがとうございます。
最後に何か一言ありますでしょうか?
多田さんからのメッセージ
多田さん: 「情報リテラシー」という言葉がありますが、三本柱があって
何の情報があるのか
それがどこにあるのか
どう使うのか
情報を取るときには、この3つをセットで考えていただけると、自分のリテラシーが上がると思います。
気象情報も同じかなというふうに、普段思っています。
りす: ありがとうございます。
情報リテラシーの三本柱
「何の情報が」「どこにあって」「どう使うか」を考えておく必要があるということですね。
本日は、東京管区気象台 地域防災推進課 情報利用推進官、多田英夫さんにお越しいただきました。
多田さん、ありがとうございました。
多田さん:どうもありがとうございました
あんどうりすの防災・減災 りす便り
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