あんどうりすの防災四季だより美味しい非常食パン「ボローニャ」の専務取締役真栄城嘉也さんとの対談　25年3月16日（再放送3/23,30)

りす：本日は、株式会社ボローニャFC本社専務取締役・真栄城嘉也さんにお越しいただいています。
よろしくお願いします。

真栄城さん：はい、よろしくお願いいたします。

株式会社ボローニャＦＣ本社
https://bo-logne.com/

真栄城さんにはリモートでお話を伺いました。

あんどうりすの防災四季だより

近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか？
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。

アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた！そんな時間になるはずです。

放送の文字起こしを、記事と同じページに掲載しています。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。

文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。

放送音源

文字情報

ボローニャのパンとは？

りす：真栄城さんは「ボローニャパン」ということで、毎回このお話になると皆さんもワクワクと美味しい話が大好きだと思うんですけれども。
ボローニャパンというものについて、まず知らない方もいるかもしれないので、お話しいただけますか？

真栄城さん：ボローニャは京都の祇園町で生まれたパン屋さんでして、祇園ではお父さんが遊んだ帰りに家族に買って帰る「別名・罪滅ぼしのパン」として人気が出た商品です。
当時、25年前にデニッシュパンブームあり、その火付け役の会社でして、祇園で遊んだ帰りに買って帰るというフレーズであったり、京都の祇園では舞妓さんも並んで買っていたというような人気のデニッシュパンを販売してきた会社になります。

りす：「罪滅ぼしのパン」ということですが、今は「罪滅ぼし」というより、災害に備えるというような事前の対策をするという方向で「缶 deボローニャ」ということで、デニッシュパンを美味しく缶詰にして、災害時の備蓄品として販売されているということなんですけれども、この内容についてお話しいただけますか？

缶 deボローニャについて

真栄城さん：先ほど言った祇園で流行ったデニッシュパンをですね、実は新潟県中越地震があったときに、このパンをトラックに大量に積み込んで被災地に送ったんですけれども、インフラが整っていない部分と、当時そのパンは7日間しか持たなかったということもありまして、実はパンを全部腐らせてしまったことがあったんです。
その経験から「身近な人も助けられないのか」という思いが生まれ、このデニッシュパンを缶詰に入れて長期保存できて美味しいパンを作れないか、というところから開発を進め、今に至るという感じです。
実際に缶になってからは、2007年から発売をしております。

りす：この缶、ただの缶じゃなくて、オリジナルラベルも作れたりするので、FM西東京のマークを入れたり、今年も防災イベントで兵庫県で行った際には、兵庫のマスコットキャラクターのイラストを入れたら、皆さんに人気があったりと、そういう外側も楽しく、中身も美味しくなった形ですね。

真栄城さん：はい、そうですね。それはもともと「防災非常食」という言葉はやはり国民には重い印象があるので、これをどう世の中に広げようかと考えたときに、缶詰のラベルを企業のロゴに変えたり、子どもの写真にしたりと、いろんな用途でノベルティとして使ってもらおうという方向にシフトしました。
そして、実はもらった人が3年半は捨てないんです。見えるところに置いていただけるという点から言うと、販促としてノベルティとしても適しているのではないかと考え、営業に回ったところ、ものすごく反響がありました。
この販促商品として、この非常食パンを使うという流れが、今すごく伸びて人気の商品になっています。

ボローニャFC WEBサイトより

りす：そうですね、やっぱり非常食は捨てないですし、災害時にもらって良かったとすごく感謝されますよね。

真栄城さん：そうですね。実際にはテレビでも取り上げられたことがあるんですけど、地震のときではなく、大雪で道路が通行止めになったときに、企業さんのロゴが入ったパンを配っていた企業さんがあったんです。
それがテレビに取り上げられた際、もらった人はすごく感謝されながら、「この会社のロゴが付いている」ということで、企業の認知度のアップにも繋がったんです。
狙っていたわけではないと思うんですけど、結果として非常に効果的だったと思います。

りす：なるほど。じゃあ企業さんもそれを備蓄しておいて、いざというときに自分たちのためだけではなく、誰かにあげるために使えるし、普段もノベルティとして使えるのは素晴らしいですね。
また、その中身なんですけれども、この３月から保存期間がこれまで3年半だったのが、5年半まで持つようになったとお聞きしました。

真栄城さん：はい、そうですね。これまで3年半だったデニッシュパンを、検査結果や品質検査を行いながら、日々テストを続けてきました。
実際には5年半は持つ状態ではあったのですが、やはり「食味」という点で、被災地でも美味しく食べられるような状態にするために改良を重ねてきました。

そして、3月1日から賞味期限を5年半に延長することに決まりました。

りす：ありがとうございます。美味しいままで5年持つというのはすごいですね。

真栄城さん：そうですね。
食べて確認しながらの作業なので、私たちも毎日食べてというのは大変ですが、月に1回は試食する形で、開発には5年ほどかかりましたね。
もう僕の体はパンでできているんじゃないかというくらい食べました（笑）。

りす：なるほど。真栄城さん、オンラインで見ているとお肌ツヤツヤですね。
パンを食べて健康になったのかもしれませんね。
災害時にも美味しいっていうのは重要なポイントですし、パンの中身にはクマちゃんの形のものもあり、防災用ではないですが、そういった商品も販売されていますよね。
また、缶詰のパンを食器代わりにして、グラタンのようにアレンジするレシピなど斬新で美味しそうなものも紹介されていて、ホームページ見ているだけでもおいしそうだと思うんですが。
アイデアも豊富で、見ているだけで美味しそうですね。
このように食器として使ったり他のものにつけて食べたり、そういうアイデアっていうのはあるんでしょうか？

真栄城さん：そうですね、この缶 de ボローニャは実は僕らよりも、この消費者さんの方がキャンプ場に持ち出して、いろんな調理をされたりしています。
特に僕がYouTubeとか動画関係を見てて思ったのは、このパンを焼いてアヒージョにつけて食べてたんですけど、すっごい美味しそうだったんで、僕も試したんですけど、やっぱりすっごい美味しかったです。
非常におすすめだなっていうところですね。
あとは、自社でパンをくり抜いて中にグラタンを入れたり、クマのパンとか、缶詰の防災食ではないうちのメインの商品っていうのも他にはありますので、パンをくり抜いていろいろ調理をするという点でいくとですね、もちろん防災に近いようなキャンプ場とかでやったりすると、すごく可愛くて素敵な体験ができたりするんじゃないかな、なんて思ったりしますね。

りす：やっぱり普段そういうキャンプとか、家でも別にいいわけですよね。
まあ、そうですね、家でも楽しめますね。こうやってみると、非常に楽しい体験ができるし、災害時にも同じパンが缶詰になっているし、「災害時も使おう」とか「パンを持っているからそのまま食べようか」ということにつながりますよね。

今、お米が手に入りにくいという話もあるので、パンを買っておくっていうこともあるかもしれませんが、実は災害が起こってからはすごく人気が出て、ボローニャさんのパン、去年の能登半島地震の後とか、南海トラフの臨時情報の後とか、半月待ちでも手に入らない状態になったとお聞きしました。

真栄城さん：そうなんですよね。やはり、非常事態が起きてからだと、みんな欲しい時に僕らみたいなあまり大きくない会社の工場がパンクしちゃうっていうのもありますので、やはりこういう地震とか非常事態が来る前から備えをするっていうことがすごく大事になってくるのかな、なんて思ったりしています。
5年持つと言いながら、結構皆さん小腹がすいたら食べる方もいらっしゃるんで、非常食と言わず常備食として食べていただけるとありがたいなと思っております。

りす：普段からあると、「今お米が買えないな」って時に「パンを食べよう」とか、「アヒージョにしちゃえ」っなんいうふうに、いろいろできそうですもんね。
皆さんも、長く保存するよりも備えておくっていうことが、今後のいつ起こるかもしれない災害対策にもなるんじゃないかなと思います。