りす::前回から2回に渡って「いま能登を想う」というオンライントークイベントでの様子をダイジェストでお聞き頂いております。
このトークイベントでは、2007年と2024年の両方の能登半島地震を経験された大倉好子さんをお招きしてお話をお聞きしています。
前回は地震が起きたその直後、お家が全壊する中、命を守ることができたお話や、避難所での運営を乗り越えたお話をお聞きしました。
後半の今回は金沢への広域避難のお話や、そこで苦労されたこと、また仮設住宅に移ってからの過酷な状況のお話、そしてお聞きの皆様にぜひお伝えしたいことなどをお話ししていただいています。
どうぞ最後までお聞き頂ければと思います。
近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。
アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。
文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。
放送音源
文字情報
トークイベント「いま能登を想う」より
りす:大倉さんは広域避難もご経験されたそうですね。
大倉さん:そうです。私は22日間自宅近くの避難所で暮らし、その後金沢へ広域避難しました。
なぜその日にそこから脱出したかというと、積雪の恐れがあったからなんです。
金沢は本当に雪が多いから行けなくなってしまうと思いました。
また、地震によって道路事情が非常に悪かったということと、地震から日がたつにつれて避難所運営がうまく回るようになったんです。
それで「これで男性も女性も関係なく、みんながトイレ掃除や朝起きたら体操をすること、窓を開けて換気をすること、食事の準備をすること、全員そろって拭き掃除をすることなど、そういうルールのもとみんなが同じ役割をできるようになったので、もう大丈夫」と思って、そこの避難所を出ました。
それと私の兄や甥っ子など、家族が私のことをすごく心配したんです。熊本地震の時は直接死より関連死の方が多かったので、あまり家族にも心配させたくないなっていう気持ちもあり、夫と一緒に兄の家がある金沢に広域避難しました。
りす:金沢の方に行っていかがでしたか?
大倉さん:避難先のすぐそばにスーパーがあったんですけれど、やっぱり私は田舎者なので金沢での買い物は、あまりうまくいきませんでした。
もちろん精神的にも動揺していたという事も大きかったとは思うんですけど、そのスーパーにお財布やらスマホやら全部入っているバックをそのままレジの横に置いてきてしまったって、スーパーの方がカバンの中のものに輪島って書いてあるのをみて大変だと言って、電話をかけてきてくださって助けていただきました。
それから同じスーパーなんですけれど、クレジットカードをカード決済して、置いたまま家に帰ってしまったこともあり、このような大きな失敗を2回くらいしました。
りす:疲れとかやっぱり張り詰めていたものがあったのでしょうね。
大倉さん:そうですね。住んでいたお家は大丈夫だったんですけど、やっぱり買い物や避難先の周りの環境、やはり車を運転するにも慣れていないところを走るので、おどおどしながら生活をしていました。今は大丈夫ですけど。
りす:なるほど。そして仮設住宅ができたあたりで戻られたとお聞きしましたが。
大倉さん:はい、仮設住宅ができたので「鍵渡しをします」っていう連絡を頂いてその時に戻ろうと思いました。
ただ自分の口で兄に「戻る」と言うのは、ちょっと言いにくくて、夫に言ってくださいと頼んで、兄に「仮設住宅のカギを頂けることになったので戻ります」と伝えてもらい、兄は心配していたんですけど、こっちへまた戻ってきたっていう感じですね。
でもやはり慣れないので、輪島に3日くらいいて、1週間くらい金沢に行くっていう、そういうことはちょっと続きました。
やっぱり、4月だったのですごく寒かったです。
4月の初めというのは、能登半島はすごく寒くて、仮設住宅で支給していただいたお布団だけじゃ、とても寒くて慣れるまでちょっと大変でした。
りす:仮設住宅もいろんな種類があって、後から建ったものでは断熱性能が非常に高い仮設住宅もできたようですが、やはり早く仮設住宅を建てるという点では昔ながらの仮設住宅が建ったという事なんですね。仮設住宅を選ぶことは出来たんですか?
大倉さん:いいえ、全く選べなくて、「はい、これ。はい、これ。」という感じでした。私と同い年の人はご夫婦で四畳半一間だけ。キッチンも洗うシンクだけで調理するところがないような、そんなところでした。
りす:仮設住宅の中で、孤独死をしてしまった方もいらっしゃったそうですね。
大倉さん:はいその方は、息子さんが市役所の職員で、ここから3キロくらい離れてる浦上地区というところから3日に1回くらい、多い時は毎日顔をちょっとだけ見に来ていたんですけど、やっぱり仕事が忙しくて、3日くらい見に来れなかったですね。
そして3日ぶりに見に来た時に、鍵が閉まっていて入れなくて、窓から中の様子を見たら足が見えたので「あ、おるな」と思って帰ったっていうんですね。
そして翌日も行ったら同じところに足があったんでおかしいと思って、救急車呼んで、タオルで巻いた金槌を使って自分で窓をたたき割って中に入ったという感じですね。
りす:ありがとうございます。
もう時間も終わりに近づいてきましたが、最後に皆さんに伝えたいことがありましたらお願いします。
大倉さんからのメッセージ
大倉さん:そうですね。私は地震にあったら絶対に迷わず逃げるっていうことを優先して、そして日頃からどこが安全かということを意識してください。という事をお伝えしたいです。
よくテレビで地震のシミュレーション映像を流して、机の下にも潜るとかやっていますが…
私からしたらあれは「またやってるわ」っていう感じ見ているんですけれど。
今回の地震みたいになると、机もひっくり返りますし、体も飛びますので、机に潜るということだけがすべてではないということですね。
場合によっては、その時に自分がどう判断するかで、ケガももちろん生死も分かれるということです。
なので、瞬時に判断するということを忘れずに避難していただきたいと思います。
りす:はい、ありがとうございます。
録音でお聞きいただきました2回の能登半島地震を経験した大倉さんのお話を、皆さんがそれぞれ今後に活かしていただければと思っています。
※地震で壊滅的な被害にあっていらっしゃいますが、大倉さんは、ボランティアのみなさんと共にバラ園の復活などにも動いていらっしゃいます。
北国新聞より↓
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1353928
あんどうりすの防災・減災 りす便り
https://andorisu.jimdofree.com/
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