近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。
アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。
文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。
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家具転対策とは?
りす:本日は家具転対策についてお話ししたいと思います。
「家具転対策」というワードを聞き慣れない方も多いかと思いますが、これは東京消防庁が提唱している家具の固定などの概念です。
東京消防庁によると「大きな地震が発生すると、家の中の家具や家電製品が転倒・落下、または移動して大きな被害につながることがあり、これらの現象を未然に防ぐのが家具類の転倒落下移動防止対策」略して「家具転対策」と定義しています。
家具の固定とだけ言うと「電化製品」や、「ガラスの破損」などの対策までイメージをしにくいと思いますが、家具転対策は「落下」や「移動」というワードも入っていますので、ガラスが割れることや、電化製品の対策も含まれています。
大掃除をする機会に家具転対策をしましょう!
12月は大掃除の季節ではあるものの、最近は大掃除をしない人もいるとお聞きしています。
「暖かい時に掃除をした方が汚れがよく落ちる」と言われると確かにそうだなぁと思って、掃除はあたたかくなってからにしようかなと思うこともありますが、今度暑くなってしまうと、暑いからやめとこうかなと思ったりして、なかなか掃除ができないということもあるかもしれません。
12月に大掃除をするかどうかは別として、掃除をする機会があれば家具転対策も是非一緒にやっていただければと思います。
東京消防庁のサイトやYouTubeがオススメ‼︎
そして家具転対策をする前に同じく東京消防庁の「B-VR(ビーバー)」というサイトやYouTubeで「B-VR」「東京消防庁」と調べていただくと、アニメ調のリアルな地震の3DVR体験ができる動画を視聴することが出来ます。
※東京消防庁ビーバー
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/learning/remote_bousai/b-vr.html
※東京消防庁ビーバーのYouTube再生チャンネル
https://www.youtube.com/playlist?list=PLJ6976ih2IIiPZEuT2FNmcCxiAEdWzdD1
まずは「首都直下型地震」の震度6強が起こると、どんな状態になるかということを「学校編」,「通学路編」,「自宅編」とみることが出来ますので、しっかり見てどのように家具を置けばいいのか確認してみてください。
【首都直下地震】防災教育VR「B‐VR(ビーバー)」学校編
https://youtu.be/TOD2A3LuRqs?si=EH8UR8lFkqYBKYt2
【首都直下地震】防災教育VR「B‐VR(ビーバー)」~通学路編
https://www.youtube.com/watch?v=IdSYvMhywfg
【首都直下地震】防災教育VR「B‐VR(ビーバー)」~自宅編
https://youtu.be/GxtSodqXp5M?si=8sGGZcwbItbI7mRx
例えば学校の机は飛んで行ってしまうんですね。
自宅編ではソファーも飛んで行っちゃうんですね。
それからガラスは一瞬で割れてしまうんですね。
このような映像があるので、まずそれを確認してみて、家具の固定など、確認してください。
そして対策を取るときのコツも東京消防庁の家具転対策のページに載っています。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/bou_topic/kaguten/index.html
15秒ぐらいのわかりやすい動画も出していますが、そこで最初に言われていることは、家具を減らすということです。
https://youtu.be/AgBiPe_P4V
マンションの上層階、10階以上などになると、特に揺れが増幅しやすくなるので、つっぱり棒だけでは足りずに、他にも下にストッパーをするとか、他の固定器具類をつけて”合わせ技”にしてくださいということを言っています。
あとこれは別の実験なんですけれども、やはり高層階で、L字金具を上につけていたら、上のネジが破壊されて取れたという実験結果を「E-ディフェンス」という実際の揺れを再現できる実験装置で検証された論文も見たことがあります。
実は私は大学院で家具固定の研究もしているので、その関係でこの論文も読みました。
L字金具も上だけだと取れてしまうので、横にもつけた方がいいんじゃないかなど、このあたりはまだ検証中なので、確定的にどうすればいいってわけでもないのですが、とにかく対策をしていても、取れてしまったり、ずれてしまったりすることがあるので、家具を減らせるなら減らすというのが一番の対策になります。
次がレイアウトの工夫です。
特に寝室や子供部屋など、割とたくさん荷物が置かれていることが多いです。
そういったお部屋や通路、トイレにモノを置かない。
特に背の高いもの、重たいものを置かないようにしてください。
トイレ便器は壊れにくいものではあるのですが、重たいものが落ちたり倒れたりして当たると、壊れてしまうそうです。
壊れると水を溜めていることで下水道からの臭いを抑えているものが抑えられなくなって、大変なことになってしまいます。
減らすレイアウトの工夫ができたら、家具の固定や落下防止などの家具転対策をやっていただくことになります。
この内容も東京消防庁のWebページに載っている情報がとてもいいです。
私が研究をする中で、いろんな自治体のページやYouTubeの動画などを調べたのですが、一番良かったのが東京消防庁の家具転対策のサイトです。
なぜかというと新しいからなんです。
2024年版それが最新のもので、毎年新しくなっているので「うわこれ、めっちゃ古い情報じゃない!」みたいなことが載ってないのがいい点です。
それから実験結果に基づいているので間違いがないです。
そして情報が結構キメ細かくて、例えばウォーターサーバーや水槽の水が揺れる、スロッシングにより、容器や水槽ごと吹っ飛んでしまうという現象が起こるので、その固定の仕方。
上も下も、台も固定しようというようなことが書かれています。
研究者の人に話を聞いても「やっぱ東京消防庁いいよね」みたいな東京消防庁推しの人がいるのを知ってます。
固定方法で気をつけてほしいことは、突っ張り棒です。
一戸建ての1階などでは、天井が強い場合と板などで補強を行えば大丈夫なのですが、結構間違った方法で取り付けてしまっている方が多いので気をつけてください。
突っ張り棒は「家具の両端の奥」に取り付けます。
そして突っ張り棒の面が細い面が前、長い面が横になるようにしてください。
気を付けていただきたいのは、イラストが間違ってるなんてこと多いです。
そして、もったいないからって言って一つの家具に一本しか取り付けない方も見たことがありますが、一本だけだと全く何の役にも立たなくなってしまうので気をつけてください。
そして家具の下部ではゲルマットなどを使用して固定していただくのですが、ゲルマットはそんなに高くないです。
100円~500円ぐらいで売られています。
ただ気を付けていただきたいのは100円のものを購入する場合は、実験結果や成分、そして何キロまで耐えられるか。
この3つが書かれている場合は安い製品でも大丈夫です。
しかし、これが書かれていない場合はリスクがあると考えて、そこまで大事ではない家具に使うなど、工夫をしてみてください。
特にペットがいる場合には、成分が重要です。
万が一舐めちゃったり、かじっちゃったり、飲み込んじゃったりということがあるので、成分の記載がしっかり書いてある安心できるものの方がいいです。
赤ちゃんがいる場合にもやっぱり同じです。
論文などではテレビや背の高い家具を固定している人が増えてると書いてありましたが、皆さんは大丈夫でしょうか?
意外と忘れがちな家具が、冷蔵庫やカラーボックスです。
カラーボックスは背が低いですが、熊本地震の揺れは一戸建てにも影響を及ぼす揺れでした。マンションでも一戸建てでもカラーボックスの転倒が報告されています。
カラーボックスだったら、さきほどのジェルマットなどでも設置できますので、ぜひすべての家具で対策を取ってみてください。
それから棚や冷蔵庫の扉がパタパタ開かないように、開閉防止グッズもあります。冷蔵庫の中身がぶちまけられてしまうと掃除が非常に大変です。
地震の後に自分が腐った卵を掃除しなければいけないことを想像してみてください。そのアルバイト代だと思えば、開閉防止グッズも安く感じると思います。
ガラスの対策も防犯対策と兼ねてやっていただくといいですよね。そしてよくある質問で、固定器具を使用した実験の動画をYouTubeで見て、その中ではしっかりと固定できていたから安心という質問があります。
しかしYouTubeなどの実験動画で使用されている揺れは、起震車の揺れを再現してるだけなので、実際の地震で起こる3次元的な揺れとは違うものです。起震車で大丈夫でも、その防災グッズは大丈夫とは言えない場合もあります。
起震車でダメな場合はもちろん”いまいちのグッズ”ですが、こういった実験動画を見るときもこのことを念頭において気をつけてください。
なんといっても東京消防庁のサイトで確認していただくことが確実です。
※東京消防庁の家具転対策
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/bou_topic/kaguten/index.html
ということで、ぜひお掃除の季節は家具転対策を実施していただければと思います。
あんどうりすの防災・減災 りす便り
https://andorisu.jimdofree.com/
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