りす:今回はこの番組のスポンサーでもある、株式会社デコスの田所憲一さんをお迎えしています。
田所さんよろしくお願いします。
田所さん:株式会社デコスの田所です。
よろしくお願いします。
株式会社デコス
https://www.decos.co.jp/
りす:まずは、1月1日に起こった能登半島地震で、デコスさんが「石川木造応急仮設住宅」というプロジェクトに関わっているとお聞きしたのですが、このプロジェクトはどういったものなのでしょうか?
近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。
アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。
文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。
放送音源
文字情報
能登半島地震に関わられた経緯について
田所さん:今回の地震で、石川県の被害がとても大きかったものですから、災害救助法が適用になり、大体7000戸ほどの仮設住宅が建設されました。
その中の要望の一つとして「木造で仮設住宅を建てたい」というものがありまして、そこにデコスの技術が採用されました。
りす:石川県の方からお話があったということですか?
田所さん:全国木造建設事業協会が仮設住宅の建築を依頼されたのですが、そのトップが熊本にある工務店「エバーフィールド」の久原さんという方で、熊本地震や、熊本の豪雨災害の時に木造仮設住宅を建て、熊本県庁にすごく評価されました。
その実績から石川県から要請があった時に呼ばれて、そんな経緯があり採用になりました。
熊本モデルの木造仮設住宅の特長
りす:なるほど。木造の応急仮設住宅は他のものと違ってどのような特徴があるのでしょうか?
田所さん:今回採用になった熊本モデルと呼ばれている木造仮設住宅は、プレハブやトレーラーハウスなど他のタイプの仮設住宅も今回一緒に採用となったわけなのですが、そういったほかのタイプの仮設住宅はだいたい2年ぐらいを目途に引き上げてしまいます。
しかし私たちの熊本モデルは恒久利用。
そのままずっと使い続けるというコンセプトで、要は壊さない建物を建てたという大きな違いがあります。
壊さない建物ということで、ずっと住み続けることが出来るレベルのお家にする。
しかも自然素材を使用し、瓦も乗っています。
石川県は木造の仮設を建てるにあたり、街並みをそろえていきたいという意向から景観をすごく大事にしましたので、そういった材料を使っています。
りす:長く住むためには、やはり今まで見慣れているような素材と材料で、しかもずっと住めるからエコであるという事なのですね。その中でデコスさんはどのような役割を果たしていらっしゃるんですか?
田所さん:私たちは新聞紙をリサイクルした断熱剤で「セルロースファイバー」というものを製造しているメーカーです。
今回木造仮設住宅として建った熊本モデルは全部で8団地9現場623戸、そこのすべてで断熱材として屋根・壁や天井で採用になっています。
りす:私も実際現地に見に行きましたが、工務店の方々が、掃除機みたいなものを逆流させて壁の中に断熱材を入れるという作業を見学しました。
田所さん:そうですね。ブローイングと呼ぶ、専用の機械にセルロースファイバーをほぐして入れて、ホースを使って空気で送り込むという形で、施工します。
りす:そのセルロースファイバーというものは、どのような特長があるのでしょうか?
田所さん:セルロースファイバー自体は綿状の断熱材ですので、まず柱と柱の間にポリエステルの不織布、マスクと同じ素材のシートをホチキスで止めます。
で、そこに穴を開けてホースを差し込み吹き込んでいきます。
壁の中って配線や配管、スイッチやコンセント、耐震化の部材などものすごくいろんなものが入っているので、断熱材を隙間なく入れるっていうのがすごく難しいです。
ですがデコスの場合は綿状の断熱材になりますので、バーッと吹き込むことが出来、隙間なく入れることが出来ます。
そうすると熱の出入りが起こってしまう断熱結損という場所がなくなりますので、きちんとした施工を行えるというのが大きな特徴です。
あとは、これは大きな特長の一つなのですが、音を吸う性能が優れていまして、家がすごく静かになります。
また、材料自体が湿気を吸って溜めて吐くことができる調湿と言う作用が働きます。
これが特に夏の屋根で顕著なのですが、夏は太陽が真上に上がるので、屋根からの熱がすごく熱く入ってきます。屋根が熱くなると、小屋裏の空気も熱くなるのですが、それをデコスのセルロースファイバーが吸い上げて、通気層というものを設けていると勝手に捨ててくれます。
そうすると、小屋裏の湿度が下がり、快適になる。簡単に言うと、勝手にエアコンのドライ運転をするような、そんな仕組みがあり、夏が非常に涼しく、快適になります。
りす:夏は涼しく、冬は温かくという、能登の気候とマッチしていますし、特にこの夏は暑かったので、除湿も自然にしてくれるってすごいですね。
田所さん:はい、これはエピソードがありまして、知り合いの大工さんが私と違う時期に、同じ仮設団地の施工をしたという連絡がありました。デコスが終わった後、みんなの家という集会場の施工があったのですが、そこはデコスの断熱材ではなくグラスウールだったということもあり、大工さんが休み時間に暑さしのぎに、完成していたデコスの住宅の中に入って涼んでいたと言ってました。
それぐらい違うというお話を聞きました。
りす:なるほど、仮設住宅といいつつ恒久的に済むことが出来るところに、それだけ高性能な断熱材が入っているのですね。
私の家にも欲しいななんて思いますが、特に仮設住宅だとお隣さんがすぐ近くて、音が気になるなんて声もお聞きしますが、デコスさんの断熱材を入れれば吸音性もあるということで、いいことづくめですね。
先ほどは職人さんのお話がありましたが、他に何かお話などありましたか?
田所さん:工事中は全国からいろんな大工さんやデコスの職人も来ていましたので、統率をとるのがすごく難しかったです。
現場って本当に戦場みたいな感じなので、何が起こるかわからないのと、場所の取り合いがすごかったです。
なによりそれぞれの大工さんが、自分たちの納期を優先して動いていくので、自分たちが確保しておいた場所や施工場所に何かものを置かれしまうんです。
そうすると、施工を進めるためにそれをどかすのに苦労しました。
本当にもう隙あらば、置かれてしまう。だからお願いしてどかしてもらう。
それが毎回毎回繰り返しでした。
要するにみんな一生懸命やっているので、そういうことが起こってしまうだけで、結構真摯的な職人さん多くて、きちんと頼めばどかしてくれます。
なので尻込みしてたらもう何も進まない。もうやられて終わりみたいなそんな世界だったのですが、きちんと言えばちゃんとみんな協力してくれたので、チームワークみたいなものはすごく感じました。
りす:戦場みたいだけど、チームワークもよくなってということですね。地元の方も参加されてたのですか?
田所さん:地元の工務店の人は参加してました。ボランティアの方は新築の現場には入っていません。
りす:なるほど完成後の反響はいかがでしたか?
田所さん:はい、実際現地に見に行ったのですが、それが夏の真昼間に行ったもので、暑くて外に誰も出ていませんでした。
だから現地の方からお聞きすることは出来なかったのですが、他から話を聞くところ、一番は「仮設住宅は狭い」って言っていましたね。
もともと向こうの方々が暮らしていた家は、やっぱり大きかったので、それと比較してしまうと、仮設住宅はすごく小さいと皆さん言っていました。ただ、やはり小さい分性能も良くなっているので、木造仮設住宅の方がエアコンの効きはものすごくいいと、評判は良かったです。
りす:なるほど。最後に今後の展望や視聴者の皆さんにメッセージお願いします。
田所さん:はい。これからもデコスとして環境に優しい技術を生かしながら、災害に強い住宅作りに取り組んでいきます。災害というのはいつ起こるかわかりません。
準備と連携というのがとても大事だと思います。
皆さんもぜひ日頃からの防災意識を高めていただきたいと思います。
りす:はい、ありがとうございます。
本日は株式会社デコスの田所憲一さんにお話をお聞きしました。
田所さん、ありがとうございました。
あんどうりすの防災・減災 りす便り
https://andorisu.jimdofree.com/
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