あんどうりすの防災四季だより 24年5月5日（再放送5/12）ゲスト：株式会社テイト微研代表取締役社長　首藤隆利さん

りす）
本日は災害時に一番困ると言われている「トイレの問題」についてお話しいたします。
災害用トイレは凝固剤などを使用して、固めて処理できるようになっているんですけれども。
特に大の臭いが結構大変になる問題があります。しかもこれからの時期、気温がだんだん温かくなってくると臭いもひどくなりす。
そんな問題を解決できるということで
株式会社テイト微研代表取締役社長首藤隆利さんにお越しいただいています。
本日はよろしくお願いします。

首藤さん)
こちらこそ、よろしくお願いいたします。

株式会社テイト微研
https://www.teito.org/

あんどうりすの防災四季だより

近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか？
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。

アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた！そんな時間になるはずです。

放送の文字起こしを、記事と同じページに掲載しています。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。

文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。

放送音源

文字情報

微生物を使った災害用トイレの処理剤とは？

りす）
テイト微研では特に、大の臭いを抑える微生物を使った災害用トイレの処理剤を販売されているとお伺いしたのですが、これは一体どういうものなのでしょうか。

首藤さん）
排便はくさい臭いが出てきますよね。
これは硫黄系や、低級脂肪酸などが原因となりますが、この臭いだけではなく、臭いの元である排便そのものまで微生物が分解するというものになります。

りす）
どんな微生物が分解してくれてるんですか?

首藤さん）
ほとんど主体となっているのが放線菌ですが、それ以外にも全部で9種類ぐらいの微生物が入っていて、アンモニアを分解する菌なども含まれます。

りす）
その微生物を、災害用トイレの使用後に振りかけるということですか？

首藤さん）
そうですね、排便の上から振りかけるだけです。
それであとは袋を閉じてしまえば、臭いはその場から一切出てこなくなります。

りす）
介護をされている方や子育て中の方なども実験で振りかけてみたら、臭いがなくなったとお聞きしたのですが、それは本当なんですか。

首藤さん）
本当なんですよ。普通は防臭袋というものがよく使用されています。
その防臭袋を使用した病院から話を聞いたのですが、防臭袋って絶対ガスを出さない仕組みになっているので、袋がパンパンに膨らんでしまい保存に困ってしまったと聞きました。
結局、防臭袋も非常に良い商品だと思いますがそういった問題も発生しますし、中には膨らまないという防臭袋もあるんですけど、それは化学的に言えば、少し漏れているということになります。

りす）
でも、この微生物を振りかけておけば膨らまず、臭いも抑えられるということですよね。

首藤さん）
そうですね。市販の普通のポリ袋で十分臭いを抑えられます。

りす）
実際に、テイト微研さんがある東京都北区では、こちらを災害用に購入されているということなんですけれども。

首藤さん）
そうですね。実際に担当官が使用し、「間違いない」ということで、採用になりました。

りす）
コロナの時期に病院などでも臭いを抑えることで役立ったとお聞きしたのですが。

首藤さん）
コロナの時は、まだ当時は排便が入っているオムツを交換しても、それをすぐ焼却に出してしまうと感染するのではないかということで、1週間以上保存していました。
ところが保存といっても病院の中に保存するための部屋はあまりなく、屋上に置くなどしてたそうなんです。
それでも冬場でもやっぱり臭ってしまうということで、「こういうのがあるよ」と販売店が病院に持っていったら、臭いが出ないということですぐ持ち帰って使用してくれました。

りす）
臭いを抑えられるというのはすごく心強いと思うんですけれども、実際に首藤さんもお家で実験もされているということなのですが。

首藤さん）
そうなんですよ。保存は1か月あれば十分なのですが、元々私、大学が化学だったということもあり実験が好きなので、せっかくと思い実験したものをずっと残しておきました。
そうしたらいつのまにか４年過ぎてしまいましたが、まだ臭いは出てきてないです。結果3年過ぎた時に「中身の写真撮ってくれ」と販売店から言われて撮ったのですが、その時も臭いはなかったです。

りす）
能登半島地震でも被災地で使われとお聞きしましたが。

首藤さん）
そうですね。ボランティアグループと某役場が持ち込みたいということで、水と食べ物とポリ袋は足りているが、排便処理剤が無くて困ってるということで、2つの団体が持っていってくれました。

りす）
やっぱり、特に夏場は臭いに困りますし、首都圏・都市部では大災害時に汚物をすぐゴミ収集車が来てくれるわけではないので、自宅のベランダなどに置いておかなくてはいけないということになりますが、とは言ってもベランダに置いたものが臭ってしまったら、近所の方から苦情が来そうですよね。
大体どのくらいの量があればいいのでしょうか。

首藤さん）
そうですね、災害時はあまり食べることができないと思いますので、1回の排便に対して15グラム必要と考えています。

この臭いの問題は、13年前の東日本大震災の時に浦安でトイレの凝固剤を配っても、ベランダに置いておいたら排便の臭いがひどくて困ってるということを直接聞いて「これは微生物でできるはずだ」と考え、実験を重ねてしっかりとした研究所で作らせた微生物で上手く作ることができました。

りす）
なるほど、こちら購入するにはどうすればいいんですか？

首藤さん）
私の方にメールしていただいたら販売店を紹介いたします。

りす）
分かりました、それではホームページなどで見ていただければよろしいですね。

はい、ということで本日は
株式会社テイト微研の代表取締役社長首藤隆利さんにお越しいただきました。

どうもありがとうございました。

首藤さん）
ありがとうございました。

株式会社テイト微研
https://www.teito.org/
お問い合わせ：E-mail：t_syuto@teito.org
電話/ＦＡＸ：０３（３５７６）０３３４