あんどうりすの防災四季だより 22年4/17（再放送4/24）ゲスト：一般社団法人痴漢抑止活動センター代表の松永弥生さん

りす）
共通テストの際に、痴漢を呼びかけるSNSが話題になっていました。
皆さんはどう思われましたか？
同じような事が2019年の豪雨災害でもネット上でありました。当時リスク対策. comでその記事を書いたんですが、やっぱり避難所は痴漢し放題というような内容でした。普段から性暴力が当たり前のように存在していると、当然災害時も性暴力、起こりますよね。

そこで今回は日常から痴漢抑止に取り組んでおられる
一般社団法人痴漢抑止活動センター代表の松永弥生様にお話を伺いたいと思っています。
松永さんよろしくお願いします。

松永さん）よろしくお願いします。

一般社団法人痴漢抑止活動センター
　 https://scbaction.org/

あんどうりすの防災四季だより

近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか？
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。

アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた！そんな時間になるはずです。

文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。

放送の文字起こしを、記事と同じページに掲載しています。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。

放送音源

文字情報

痴漢抑止活動センターの活動について

りす）
社団のお名前が「痴漢抑止活動センター」と、なんか直球ストレートど真ん中という印象の名前なんですが、どういった活動をされているんでしょうか？

松永さん）
はい、ありがとうございます。当センターでは電車内の痴漢犯罪をなくす活動をしています。
具体的には、痴漢抑止バッジといわれる缶バッジの製造をして、それの普及活動に努めています。
痴漢抑止バッジは、直径57mmで手の平より少し小さいくらいの、缶バッジとしてはかなり大きめのものです。こちらは色んなデザインがあるんですけれども、共通しているのは「私は泣き寝入りしません。痴漢は犯罪です」という文言が書いてあることです。

松永さん
この缶バッジを、後ろに立っている人に見えるようにつけると、「あ、この子はやめておこう」となって、痴漢の抑止効果があります。

活動のきっかけ

りす）
なるほど。思っていたよりも大きめで、目立つ缶バッジなんですね。
このような活動に至った経緯っていうのはどういったことなんでしょうか？

松永さん）
はい。私の友人の娘さんが高校入学した翌日から痴漢にあってしまったんですね。
関東在住の子なんですけれども、朝は女性専用車両に乗っていて大丈夫だったんですが、夕方のラッシュの時間帯に女性専用車両がないため、どうしても痴漢にあってしまったということです。
警察にも鉄道会社にも相談したんだけれども、解決しなかったということで、お母さんと一緒に一年間色んな対策を試みました。

その中で出てきたのが「痴漢は犯罪です。私は泣きません」と書いた、ハガキよりちょっと小さいぐらいのカードを作って鞄に付けて、後ろに立ってる人に見えるようにしたということです。
そうしたら痴漢はなくなったんですね。

それで私はそれを彼女のお母さんがSNSに書いたのを知って、すごくいいアイデアだからもっと誰もがつけやすい「缶バッジ」にして皆に使ってもらおうとアイデアを出して、この活動を始めました

りす）
痴漢にあわなくなったっていうのはすごく心強いと思います。
実際のあわなくなったという声のアンケート結果があるということなんですが、どういったデータなんでしょうか？

松永さん）
これは2016年に埼京線で電車通学している女子高校生70名に協力してもらったアンケートです。
彼女たちが9ヶ月間使ってみた結果、その94.3パーセントの子が効果を感じたと言ってくれています。
実際に痴漢にあわなくなって安心して電車に乗れるようになったとか、周りに女性が立ってくれるようになったといった声が寄せられています。

りす）
実際にそのようにバッジで効果があるというのが分かるって本当に心強いなと思うのですが、痴漢抑止バッジのコンテストも実施されていますよね。
そのコンテストで左半分が女性、右半分が男性のイラストで「相手は誰でも痴漢は犯罪です。私たちは泣き寝入りしません」って書かれているのがとても印象的だったんですけれども、男性も被害者になることや、男性も傍観者にならないっていうことも啓発できてすごいなと思っていたんですが、男性の反響はどうなんでしょう？

松永さん）
痴漢抑止バッジデザインコンテストは毎年夏に学生を対象に行っています。
例年3割から4割が男子で、男子も女友達に痴漢の事を聞いたり、色々文献を調べたりしてこんなことを許してはいけないと考えて応募してくださっています。

ご参考：2021年のサイトです↓
http://scb.jpn.org/contest/2021/

りす）
男子生徒も、こういう風に頑張ってくれるって凄く嬉しい話で、なんか元気が出てきますね。
実際に避難所なんかでも性暴力があっても、若いから仕方がないねみたいなことが東日本大震災であったりして、嫌な思い出がある方もいらっしゃいます。
普段からこういう傍観者を許さない活動ってすごいなって思いました。
今後の抱負をお聞かせいただけますでしょうか？

松永さん）
今後はこの缶バッジを使って、去年作ったアニメーションを学校の生徒さんたちにお見せして、学校で痴漢犯罪防犯講座をやってもらいたいと思って今活動しています。

りす）
心強い活動の報告ありがとうございます。
こちらの缶バッジ、ホームページからネット通販でも購入できて、3月から無料で入手できるようになっているそうなので、ぜひ松永さんの公式ツイッターチェックしてみてください。