今日の放送では先日の横浜Fマリノス戦を振り返り、試合後の橋本拳人選手、高宇洋選手、そして来季トップチーム加入内定ユース選手(尾谷ディヴァインチネドゥ、菅原悠太、鈴木楓、田中希和)による試合前ピッチでの挨拶をお送りしました。
今回のアイキャッチ画像は、追撃の足掛けとなった山下敬大選手のシュートシーン。
防がれはしましたが後ろにいる高選手が詰めてゴールとなりました。
新人のハツラツとした様子とは真逆に、エンジンが掛かるのが遅すぎたトップチーム。
3連戦3連勝を焼きなおすような試合展開を目論んで見事に嚙み合わなかった印象でした。3失点は大きすぎます。
相手がビルドアップを潰しに来るのは想定としても、掻い潜るその出口となる長倉選手不在が響き、好調だったサイドの組み合わせを変え(特に動きがキレていた安斎選手は未起用の謎)、ならば裏を取るボールを送るのかと思えばそうでもない。
選手のインタビューからはやらなかったよりやれなかった感を受けるので、組織としての齟齬だったのかと思います。
マリノスのクロス精度は非常に高かったですが、失点の多さもまた露呈。今後の対戦相手も狙っていく指針になってしまったでしょう。
終盤2点を返したものの反撃の合図は遅く追いつけず。
残留はまだ決まっておらず、さらに長倉選手が1カ月は離脱というニュースも週明けに入り、ラストに向けてちゃんと組織的な事を見直せと天から言われているようです。
マルセロヒアン選手、最近の中では身体を張ってポスト役をしていたように思えます。けれど得意のDF背後への抜け出しが出来るようなパスは来なかった。

PKによる2点目を決めたアレクサンダーショルツ選手。

相変わらず攻守に高いパフォーマンスを見せていますが、縦への配給は警戒され、数試合武器となっていた長友選手との右サイド連携は左では発揮できず。サイドハーフに誰がいるかでも違ってくるでしょう。
コンビを組んだ土肥幹太選手。

勿論失点は一人の責任ではありませんし直接の原因ではないものの、オフサイドノーゴールとなった前半ではマークの後ろに付いたまま出遅れ、2失点目では全く身体で抑えられてないのでゴール前に入られ、3失点目も相手の後ろに付いてクロスになすすべ無し。得意のフィードも鳴りを潜めてしまった。
すっかり鳴りを潜めたもう一人は俵積田晃太選手。

インサイドで、細かい連携で、守備でと、多々取り組むべき事はありますが、多少数的不利でも前を向いてサイドで貰えたなら仕掛けてほしい。特にチームが打開策に欠いている状況ならば。
その点からみると、少しポジションを外し過ぎな感じはあるもののすぐさまチェイスし直す精力で補いつつ、オフェンスでも上を行く存在を見せているマルコスギリェルメ選手。

ただ、3失点目のクロッサーには詰めなければいけなかった。
久々に本職右サイドで出場の室屋成選手。

オフェンスでの持ち味はこちらの方がやはり輝きますし、この試合のチーム内では評価が高いはず。
ただ、多少の不向きを敷いても連勝で光っていた長友ショルツ右ラインをチームとして継続した方が武器になったのではないだろうか。
佐藤恵允選手。決めてくれっ。

PK奪取の仕掛けを見せ、さらにもう一本かとも思わせた野澤零温選手。

試合毎にムラが大きすぎるけれどクイックの速さは一級。
迷わない、一瞬の判断、積極的な仕掛け、そしてそれをモノにする技術精度を高パフォーマンスで続けられればそれこそフロンターレの伊藤やゼルビアの相馬のように、ゴール近くで怖い存在になれるはず。
残留はまだ決まっていない。天皇杯準決勝には長倉選手と、代表活動でキムスンギュ選手と長友選手は出られない可能性がある。夏に加入のショルツやマルキー頼りではなく、年始からいるメンバーがシーズンクライマックスを引っ張っていく気概で臨んでほしい。

後日気になるニュースで日産がマリノス身売りの話。
フリューゲルスサポーターがFマリサポになったケースがどれだけいて、今もそれを続けている方がどの程度いるのかわかりませんが(著者もフリエファンでしたがそっちには行かなかった)、マリノスサポーターとしては愛着ある形が大きく削がれるのはもう遠慮願いたい事でしょう。

著:酒匂匠
撮影:赤木真二(転載禁止)

