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フレイル予防について 2025年7月5日・12日(土)放送分

まつばらホームクリニック『ラジオ在宅NOW』!

この番組は、保谷駅から徒歩3分の場所に位置する、まつばらホームクリニックの松原清二院長に、日頃医療の現場で感じていらっしゃることをお話頂き、皆さまにも在宅医療に対しての理解をより深めて頂ければと思います。

第1週と第3週に本放送を、その他の週は再放送をお送りします!

【7月のテーマ】
『フレイル予防における食生活について』

皆様ぜひお聴きください!!

西東京市を中心に患者さんの自宅に行き、診察をしている在宅医療専門診療所「まつばらホームクリニック」のホームページはこちら→https://m-hc.jp/

↓放送内容を文字でもお読みいただけます!

田中ヒロコ:では、松原先生本日もどうぞよろしくお願いいたします。

松原先生:よろしくお願いします。

田中ヒロコ:先生、今日はどんな話を伺えますでしょうか?

松原先生:今回は、前回「フレイル予防」に3つのものが重要だと話しましたね。食事、運動、あとはコミュニティに参加すること。そしたら、実際に長寿の人の食生活とか、どんな感じかって知りたくありません?

田中ヒロコ:そうですね。そういった統計も取れてるってことですか?

松原先生:「健康・体力づくり事業財団」っていうところが、1993年に出してるんですけど、面白いなと思って見てます。100歳まで生きた人に、「40歳くらいから現在まで食事の摂り方について心がけていることは、どういうことですか?」という質問を男性女性に分けて統計を取っていたのですが、1日3回規則正しく食べる。これがダントツで50%以上。

田中ヒロコ:そうなんですね。

松原先生:あとは腹8分目を心がける。これも約5割。あとはですね、緑黄色野菜を食べる。だいたいこういったところと、あとは魚、魚肉、卵等を食べるっていうのがあげられます。あとはコミュニティって意味で見ると、家族揃って食べるっていうのも、実50%あります。

田中ヒロコ:そうなんですね。中々家族みんな時間帯違うから難しかったりするけど。

松原先生:例えば、分かりやすく言うと、病院に入院している患者さんが入院していると全然食べないけど家に帰って家族に囲まれると食べるというのが、実は食べるという姿勢に関わってきているんじゃないかな、というふうに思います。

田中ヒロコ:そうですね、環境ってことですね、食べる環境。

松原先生:さらにですね、「食事のパターンと生存率」がクラフに出てて、これが4つの群に分かれてんですよ。野菜の多い群。乳製品の多い群。飲み物の多い食事パターン群。穀物の多い食事パターン群。これで見ていると生存率で最も高いのがどれかということになると、乳製品の多い食事パターン群が1番生存率が長かったというふうに出ています。

田中ヒロコ:乳製品なんですね。

松原先生:そうですね。だからチーズとか牛乳とかそういったものですね。

田中ヒロコ:先生はヨーグルトをたくさん食べられてますよね。

松原先生:めちゃくちゃ食べてます。朝昼晩食べてます

田中ヒロコ:やっぱり乳製品はいいんですね。

松原先生:昼、ヨーグルトないとちょっと気持ちが落ち着かなくなって(笑)

田中ヒロコ:ヨーグルト中毒?(笑)

松原先生:そうそうそう、スタッフにそういう中毒症はありませんからって。まあそうだよなぁみたいな(笑)

田中ヒロコ:聞いたこと確かにないです(笑)

松原先生:まあちょっと僕の場合、マメなんでそこらへん。

田中ヒロコ:ハマるタイプですよね、先生。

松原先生:さらに面白いのが認知症と高次生活機能、要は日常生活ができなくなっちゃう群とか色々見たんですけど、認知症発症リスクに関して、いわゆる飽和脂肪酸、これは動物性の脂肪ですよね。あと、一価不飽和脂肪酸、これはオリーブオイルとかそういったもの。あとは多価不飽和脂肪酸、これは魚の脂とかですね、EPAとか。こういった脂肪酸と、あとはビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどいろんなものを多く食品摂取している方っていうのは、認知症の発症が一番低いというふうに言われています。また肉とか魚とか、卵牛乳、大豆、緑黄色野菜、海藻類、果物、芋、乳脂類、それらをほぼ毎日食べる、多く食べているという方のほうが、知能とか社会的役割、家事とか、そういったものが自立しているという風に出ています。なので、バリエーションを多く食べるというのは、よく小学校の給食とかでも言われてはいるんですけど、理由があるんですよ。

田中ヒロコ:年配になってもそういった栄養ってやっぱ重要なんですね。簡単に食べられるからって結構菓子パン買って食べちゃったりとか、高齢の方とかスーパーで見ると、もちろん1人分だから、色々作るの大変だから菓子パンになってしまう。うちの母とかも菓子パン買ってくれってすごい言うんですよ。やっぱりバランスいい食事を絶対したほうがいいってことですよね。

松原先生:実はですね、そういうことも書いてあったりするんですよね。

田中ヒロコ:そうなんですか?

松原先生:うん、料理と健康状態っていうのが書いてあって。台湾の方で取ったデータなんですけど、男性で料理をしない人の死亡率を1としたときの死亡リスクっていうのが書いてあって。全くしない人の死亡リスクが1の場合、週に1回から2回3回、4回5回となるにつれて、結果的に死亡するリスクが著しく低下してくるんですよね。なので菓子パンだけに頼っちゃうとバリエーションも、幅も広がらなくなってしまうので、栄養が偏ってしまうというのがあります。

田中ヒロコ:料理をしてたほうがいいということですよね、全くしないより。それに栄養バランスにも影響してくると。

松原先生:そういうふうに推測されますね。こういうのを見ると、菓子パンだけとかカップラーメンだけとか、そういうのなんとなくダメなんだなぁと知ってるけど、こういうデータで見るとやっぱりそうなんだなぁっていうふうに思いますね。

田中ヒロコ:あと体も動かすし作ろうという考えもあるし。

松原先生:それもあるんでしょうね。認知機能とかね。手順とかそういったものも出てきますよね。だからヒロコさんの言う通り、菓子パンっていうのは、それだけってちょっとやめたほうがいいかもしれない。

田中ヒロコ:そうですよね。でも食べたがりますね。せっかく作って置いてっても、菓子パン食べてるみたいな。

松原先生:そうなんですか。

田中ヒロコ:そうなんですよ。仕事に行くときに、朝は作って、昼、夜って作って置いとくじゃないですか。そうすると、何故かそれを食べずに、菓子パンを食べてるとか。やっぱり菓子パンの方が食べやすいのかな。まあ私の料理がまずいかもしれないというのがあるんですけど。

松原先生:結構重要なところで、実は物を食べるっていう要素に関して言えば、やっぱり口の中がどうなの?っていうのは重要な話なんです。お母さん歯は何本ぐらいあるんですか?

田中ヒロコ:全部あります。

松原先生:全部。そうなると話がしづらくなってきました(笑)

田中ヒロコ:すみません、答え間違ってました?(笑)

松原先生:いやいや(笑)なんでかっていうと、高齢になればなるほど、歯の本数が減ってくるんだよね。結果的に、ものを食べるのが億劫になってくる。結果、低栄養につながるとか。だから、口のケアもしましょうよっていうふうに言われていて。

田中ヒロコ:よく、セットのリハビリのところとかありますよね。

松原先生:そうそう、80歳以上の人歯が10本以下の人とか急激に増えてくるって言うんですよね。

田中ヒロコ:でも入れ歯するじゃないですか。入れ歯で噛めるからいいとかそういうことではなく、やっぱり自分の歯がいいんですか?

松原先生:統計を見るとそう言わざれないよね。入れ歯が全部カバーしているのかって言われると…実際に入れ歯をしている人の話を聞くと、うちのドライバーさんとかでも「私入れ歯なんだけど、でも硬い煎餅好きなんですよね。入れ歯しないで硬い煎餅食べてるんですよ。」とかよく分かんないこと言っていて(笑)

田中ヒロコ:入れ歯ないで硬い煎餅を食べてる?

松原先生:よく分かんないですよね(笑)僕が言いたいのは何かというと、入れ歯ってもともと固いもの食べるとか、咀嚼をするためにとてもいい道具だと思うんですけど、実態としてそこまで役割を果たしきれていないなっていう印象がある。多くの80歳越えの方だと、やっぱり痩せが進んでしまっているので、結果的に歯茎が細くなってしまうんです。

田中ヒロコ:歯茎も痩せるってよく聞きますもんね。

松原先生:入れ歯ってなかなか調整難しいんですよ。歯科の先生に来てもらって入れ歯を合わせようって話になっても、何回も合わせても結局だめだからもういいわみたいな話になっちゃう人も、残念ながら多いです。

田中ヒロコ:そうなんですね。やっぱ自分の歯って結構大切なんですね。

松原先生:だと思います。