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AIが見つけた“危ない場所”~子どもたちがデータで学ぶ交通安全授業 in 西東京市立保谷小学校

児童の登下校時の交通事故を減らすため、
西東京市で全国的にも珍しい実証授業が行われました。

西東京市立保谷小学校にて小学3年生が2週間GPS端末を装着し、通学時の行動データを記録。そのデータをAIが分析し、事故リスクの高い場所を可視化するという取り組みが行われ、2/25にはその交通安全学習会が実施されました。

開発を担ったのは、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社。
歩行者先進安全支援システム「APAS(Advanced Pedestrian-Assistance Systems)」を活用した先進的な取り組みです。

本取り組みは、安全教室の授業や教材を共同開発したパートナーである株式会社リバネスと、西東京市と包括連携協定を締結している損害保険ジャパン株式会社の協力で行われました。


保谷小学校での実施は昨年から続いて2年目。全国数校だけの珍しい取り組みです。
昨年の公募に保谷小学校の教諭が応募したところ採用され、本年も続けての実施です。

※授業で使われた資料は↓画像↓をクリックすると全スライドがみられます

開発の狙いと手ごたえ「安全に冒険できるまち」を目指して
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 日永田佑介さんからお話をうかがいました

事故のないまちづくり。特に児童が“安全に冒険できるまち”を実現したいと考えています。開発は研究室の中だけでは完結しません。児童や保護者の方とつながりながら、一緒にシステムを育てていきたい。それがこの安全教室の大きな目的です。子どもたちが笑顔で参加している姿を見て、
「この方向性は間違っていない」と確かな手ごたえを感じました。

きっかけは、娘の誕生だった

このプロジェクトは、日永田さんが社内の研究提案会で立ち上げたものです。その原点には、2人の娘さんの存在がありました。
「娘が生まれたとき、この子たちが安全に過ごせる社会をどう作れるかと考えるようになりました。」


日永田さんのお話をお聞きください↓

もともとは自動運転の研究者で、調査を進める中で、日本の道路環境は歩行者と車が混在する場所が多く危険だということに気づき、自動運転だけを進化させても事故はゼロにならない。歩行者側にも支援が必要だと感じ、そこから生まれたのが、
この位置情報だけでなく“行動”を検出するGPSシステムです。

システムの特徴:「走っている」「飛び出している」をデータで検出

このシステムでは、

  • 走行
  • 飛び出し
  • ふらつき

といった事故リスクの高い行動を検出します。

安全に歩けば「安全スコア」が上がる仕組みもあり、
ゲーム感覚で正しい歩き方を身につけることができます。

さらにデータを集約すると、
児童が危険行動を取りやすい場所がマップ上に浮かび上がるのです。

「学校だけではできなかった授業」
3学年の担当教諭からもお聞きしました。

子どもの歩く速度によってデータマップ上の色が変わる。そういう可視化は学校だけではできなかったことです。
今回の取り組みは、保護者の協力もあって実現しました。
アプリの導入など、ご家庭の協力があってこその授業でした。
データを見ながら地図づくりを行ったことで、子どもたちの意識は大きく変わっています。
視覚化されることで、「気をつけよう」という気持ちが強くなりました。
今後も振り返りを続け、日常へつなげていく予定です。

子どもたちの声

授業後、児童たちはこんな感想を話してくれました。
「またやって、もっと気をつけるところを確認したいです。」
「僕が危ないと思っていなかった場所も、他の子が教えてくれて勉強になりました。」
「友達やお母さんに、ここは気をつけたほうがいいよって伝えたいです。」
事故に遭わないために気をつけることをたずねると、
「カーブミラーを見て、手を上げて、右左を見て渡ります。」という具体的な答えも返ってきました。
車が止まるか止まらないか不安になることはないですかという問いには、
「 すごくあります。止まるのかなと思って行こうとしたら車も来て、今度は避けようとしたら急に止まったり、、します。」

「めんどくさくてもちゃんとやらないと危険な目にあう」という言葉には、
今回の授業の成果がにじんでいました。

主観とデータが重なった瞬間

興味深かったのは、
子どもたちが「危ない」と思っていた場所と、
データ上で実際にリスクが高かった場所が、完全には一致しなかったこと。

車が多い場所だけでなく、
「みんなが走ってしまう場所」も危険地点として浮かび上がりました。

主観と客観を組み合わせることで、
より深い“気づき”が生まれた瞬間でした。

交通安全から、子どもの総合安全へ

現在は交通事故対策が中心ですが、
将来的には防犯やけがの多発地点などにも応用可能とのこと。

企業の技術、学校の教育力、家庭の協力。
三者の連携による、データで見つけた“危ない場所”。
今後の展開に期待が寄せられる取り組みです。