満員電車を避けるための遠回りルートの工夫、講演活動の停止、そしてオンラインへの転換。コロナ禍は生活と仕事の形を大きく変えた。その中でたどり着いた答えは、「健康は自分で学び、自分で守る」というシンプルな原点だった。食事、運動、入浴、そして睡眠。一般社団法人日本眠育普及協会の代表橋爪あきさんが次の感染症時代を生きるためのヒントを語ります。
橋爪さんのお話はここからお聞き頂けます(約10分30秒)
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「どこか遠い話」だった感染症
一般社団法人日本民育普及協会の代表理事をしております、橋爪あきです。
2020年の初め頃は、中国で感染症が流行っているというニュースを、どこか他人事のように聞いていました。ちょうど2月には京都へ行く予定もあり、街は観光客であふれていて、とても賑わっていましたね。そのときは、まだ強い危機感はありませんでした。
その後、3月から4月にかけて状況が一変します。仕事の合間に書籍の原稿を書いていた時期でしたが、感染拡大が進み、さらに母が亡くなるという出来事も重なり、心身ともに慌ただしい日々でした。
できるだけ外出を控え、感染しないように心がけてはいましたが、仕事上どうしても出かけなければならない場面もあり、不安な一年でした。
満員電車を避けるための“遠回り”
一番大変だったのは、都心へ出ることでした。
花小金井(小平市)から港区方面へ定期的に通う必要があったのですが、何より怖かったのが満員電車です。
それまでなら西武新宿線から山手線へ乗り継げば済む話。でもそれが怖くて、自宅からタクシーで吉祥寺へ向かい、井の頭線の比較的空いた車両に乗り、さらにガラガラのバスで目的地へ向かう――そんな遠回りをしていました。
当然、時間もお金もかかります。それでも「少しでも安全な方法を」と必死でした。
講演が消えた日々、そしてオンラインへ
協会の活動では、自治体や学校などからの講演依頼が大きな柱でした。しかし、集会や講演は軒並み中止。収入面でも影響は小さくありませんでした。
また、事務職の方が満員電車での移動でしたので、感染を懸念し、来て頂かなくても大丈夫なように自分自身で事務仕事をするようになり、思いのほか大変でした。
それから2年ほど経つと、自治体や学校から「講演をZoomでお願いできませんか」という依頼が増えてきました。オンラインでの講演復活です。
ただ、当初は相手側も不慣れで、リハーサルを重ねるなど準備に手間がかかりました。それでも、「伝える場」が戻ってきたことは大きな前進でした。
最大の学びは「健康を自分で守る」こと
コロナ禍を通して、私が一番強く感じたのは、健康は自分で学び、自分で守るものだということです。
お医者さま任せではいけない。正しい情報を見極める力も必要です。インターネットで検索すれば何でも出てきますが、どのサイトが信頼できるのかを吟味するようになりました。
うがい、手洗いはもちろんですが、特に食事には気を配るようになりました。免疫力を高める食材を意識し、運動も欠かさない。そして何より、毎日続けているのが入浴です。
湯船にしっかり浸かり、体を温め、自律神経を整える。旅行先でも必ず実践しています。
「都心に行かなくても暮らせる」と知った
もうひとつの発見は、都心に出なくても多くの用事が済むということでした。
オンラインの活用はもちろん、買い物や用事も立川など近隣エリアで十分間に合う。今では、やむを得ない用事以外で都心に出ることはほとんどありません。
コロナ禍で学んだ生活様式は、今も続いています。
次の感染症に備えるということ
感染症は、10年に一度は大きな波が来るとも言われています。
だからこそ、「また起きる」という前提で考えることが大切だと思います。
世界の在り方も、私たちの生き方も、コロナで大きく変わりました。次の世代には、親子で感染症への対処法を学び、社会全体でも対応できる仕組みを整えていくことが必要ではないでしょうか。
睡眠は健康の要
特に伝えたいのは、「睡眠の大切さ」です。
睡眠が不足すれば、免疫力は下がります。感染症にかかりやすくなるのは当然です。どうすれば質のよい睡眠をとれるのかを学び、毎日の生活で実践してほしい。
しかし現実には、勤務形態やSNSの影響で睡眠が削られている人も多い。とりわけ日本の子どもたちの睡眠不足には、強い懸念を抱いています。
子どもは抵抗力が弱く、重症化のリスクもあります。だからこそ、親御さんにはぜひ睡眠を大切にしてほしいと願っています。
ありがとうございます

