検査に向かう乗客、職員の離職、減り続ける売上…それでも走り続けたタクシー会社の記録、三幸自動車株式会社 代表取締役社長 町田栄一郎さんのお話です。
コロナ禍において「街の足」を支えるタクシー会社は、相次ぐ乗務員の離職や売り上げの激減、感染リスクと隣り合わせの現場など数々の困難に直面しました。
当時の現場の実情や雇用を守るための取り組み、乗務員を支えたお客様の言葉、そして「移動を支える仕事」の使命について三幸自動車株式会社 代表取締役・町田一郎さんが語ります。
さらに、家族での感染経験や後遺症への思い、地域のつながりの重要性、経験を記録として残す意義など、コロナ禍を経て見えてきた教訓とこれからへのメッセージをお届けします。
町田さんのお話はここからお聞き頂けます(約13分30秒)
//// お話の文字起こしはこちらから ////
パンデミック下で直面した不安と混乱
三幸自動車株式会社 代表取締役の町田一郎と申します。
コロナ禍は一種のパンデミックのような状況で、何がどうなるかわからない中、事業の方向性にも大きな不安がありました。加えて、従業員の健康やご家族への影響についても大きな心配がありました。
タクシー車内にシールドが!
私たちは対面の商売ですので、現在もタクシー車内にシールドが設置されていますが、あれは当時の名残でもあります。
離職者の増加と売り上げ激減という現実
祖母と同居している20代の若い乗務員が仕事を続けられなくなったり、親の介護をしている方が退離職したりと、離職者が相次ぎました。高齢者が感染すると重篤化しやすいといわれていた時期でもあり、辞離職者が大量に相次ぎました。
さらには、お客様が激減し、売り上げは通常の3分の1ほどまで落ち込みました。
感染の不安と現場での葛藤
タクシーの乗務員は1日に20名ほどのお客様をお乗せします。当時は病院への送迎が増え、感染の疑いがある方が公共交通機関を避けてタクシーを利用するケースもありました。降車時に「実は検査に来たんです」と打ち明けられることもあり、現場は常に感染リスクと隣り合わせでした。
プライバシーの問題もあり、乗車前に申告されないことも多く、途中からは感染の可能性がある場合は乗車を断ってもよいという通達もありましたが、実際の運用は簡単ではありませんでした。窓を開けて換気を徹底するなどの対策を続け、現在もマスク着用が習慣として残っています。
雇用調整助成金が支えた会社と従業員
金銭的な面では、雇用調整助成金に大きく助けられました。生活水準は多少下がりましたが、残業が減り、結果的にノー残業に近い働き方になりました。残業代は減少したものの、基本給は維持され、働いている従業員の方もこの会社に行って大丈夫かなというような形でありましたので、金銭的に助かったというのが雇用調整助成金制度でした。
お客様からの言葉が乗務員の支えに
乗務員からは「お客様に励まされた」という声も多く聞かれました。「こういう辛い時に頑張ってくださってありがとうね」「三幸さんがないと病院にすら行けないから」といった言葉が、大きな支えとなりました。
こういう時こそお客様から感謝されたという形が、乗務員をどれだけ励ましていただいたかという気がいたします。
乗務員自身がこの仕事を続けていくのはどうかなと思っていた時に、古くからのお客様からの感謝の言葉は 「やはりこの仕事をやっていて良かったんだ」と、離職せず、今もなお続けてくださっています。 うちの場合だいたい平均10何年という勤続年数です。
「街の足」という原点の再確認
私たちは「街の足」を担っているという原点を再確認しました。世の中は分業で成り立っています。FM局が放送を担うように、タクシーは移動を支える役割を担っています。その使命を改めて感じる機会となりました。
個人的に感じた変化と新しい交流「ZOOM飲み会」
個人的には、飲み会が激減したことに助けられました。ワクチン接種をしていないと何人以上の会は無理だとかがあり、付き合いの会合が減り、生活スタイルが変わりました。肝臓にとっても大変良かったです。
また、Zoomなどオンラインでの打ち合わせや交流が広まり、友人との「Zoom飲み会」も行いました。
当時、同じ弁当を皆さん配達してもらって、 その同じお弁当を食べながらZoomの飲み会をするというのがありました。
現在では高校の剣道部の仲間とのZoom飲み会が続いており、新しい交流の形として定着しています。
家族での感染経験と後遺症への思い
私自身も感染はしましたが免疫力があるのか、2日くらいで熱は下がりました。さらに子どもからも感染して2回感染し、家族全員が感染しました。
感染対策としては帰宅後すぐにシャワーを浴びるなどの工夫をしていました。
知人の中には後遺症で「歩けなくなっちゃった」とか、 「縦読みが読めなくて横読みだと読める」とか、 全体的に疲れている方もなど、今なお後遺症の影響に悩んでいる方がいらっしゃいます。
これからの感染症対策と日常の習慣
現在はインフルエンザも流行して学級閉鎖もあるということですが、感染しているところには近寄らないとか、手洗いなど基本的な習慣を続けることが大切だと思います。今後、新たな感染症が現れる可能性もあり、家庭に持ち込まない工夫は続けていく必要があるでしょう。ただ、現時点ではシャワーをあびることはもうしていません。
経験を未来に残す「アーカイブ」の重要性
今回のような経験は、きちんと記録として残すことが重要です。人は時間が経つと忘れてしまいますが、放送や文章として残しておくことで、数年後や将来のパンデミック時の参考になります。
例えば文書としてどこかに残っていると、必要な時に検索エンジンでクリックする、 AIがそれを参照してくれるという形になれば、 今からまた3年後、10年後、何年後かわかりませんけれども、 その時の皆さんの苦労や、さらに一番大きいのは、どういう工夫をして乗り越えた後どうなったか…
やはり後遺症になって、今なお現実に苦労されている方、悩まれている方がいると思うんですけれども、 次の新たなパンデミックが万が一出てきた時に、 コロナの時には皆さんがどういう思いをしてどうなったのかなと、 そんな形で一つのキーワードになれるかもしれません。
地域のつながりが孤立を防ぐ
俗にいう近所づきあいというか、地元の活動に目を向けて、例えば、誰も知り合いがいないという場合には公民館の講座などに参加するなどすると、新しい出会いが生まれます。
子育て中は親御さんたちの「親父の会」などもありますが、卒業してしまうと、また新たに共通点をきっかけに人の輪を広げて…
地域の絆という言い方もあるかもしれないですし、 「地域のわ」というのは2つございまして、 みんなの和という形のですね、 あとリングに言われる輪、 つまり和と輪の2つがありまして、 やはり地域のつながりというふうに言い換えてもいいかもしれないんですけれども、 それを普段から関心を持っていくと、
例えばNO残業デーがあった時に、 8時半ぐらいからの地域の集まりがあったりとか、 あとはFM西東京さんがやっている交流会などは、初めて参加する時は知らない人が多くて大変だなという形があるかもしれないんですけれども、 同じ何々町だとか、 例えばどこどこ中学校出身だとか、 必ず何か共通点みたいなのがありまして、 普段からそういうお付き合いしていると、 やはり災害になった時ですね、 あの人今どうしてるかなという心配したり、 逆に心配されるとか、 Zoomで愚痴を言い合うというのもあるかもしれないんですけれども、 ただ無関心で外との繋がりをシャットダウンしちゃっていると、 本当に孤立した時にすごく辛くなってしまいますね。
そのきっかけになる簡単なことは、FM西東京を聞いて、交流会に参加して、番組の事を話題にしたり、、、
やはり地元にこのコミュニティFMがあるという、 そういう財産を皆さんで支えていただければと思います。
ありがとうございました。


