西東京市で生まれ育ち、ものづくり社長が語るコロナ禍の記録。株式会社アジャスト 代表取締役社長 保谷博さんのお話です。
株式会社アジャストは、金属及び樹脂の機械加工品の設計、製造、販売を得意としている会社です。
ねじ類や締結部品、冷凍トラック内間仕切りなども製造販売しています。
コロナ禍では、対面打ち合わせが出来なくなり、また、取引先の生産減少により売上は落ち込み、特に飲食業界の変化は物流や製造の需要を大きく揺るがし、影響は大きかったと言います。
社会が落ち着いた現在も、人々のライフスタイルが変わり、かつての需要は戻らず、部品を製造する中小企業は新たな商品開発や事業転換を迫られています。
一方で無利子融資などの制度に助けられた面もあり、危機に備える経営の重要性を実感したと言います。
情報があふれる時代だからこそ、真偽を見極める力と確かな情報源の大切さを痛感。
人と会えない孤独や不安を乗り越えながら、正確な情報と柔軟な発想で困難に向き合うことの大切さを感じた保谷社長。現場経営者のリアルな証言をお聞きください。
保谷さんのお話はここからお聞きいただけます(約21分)
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西東京で創業したものづくり企業の経営者
中小企業のものづくりの会社の社長をやっているので、まあそういう立場ですね。
2020年当時だったら創業25年ぐらいかな。
2人で創業したので、僕は社長としては二代目だけど、でも2人で始めたので、まあ創業者ですね。
住まいは西東京市、中町。
もともとずっと生まれてからずっと西東京市というか昔の大谷市ですね。
生まれ育って、今もそこに住んでいます。
コロナ禍で直面した困難― 売上減少と対面打ち合わせの消失 ―
大変だったというのは、仕事の立場で言うと、もうお客さんも大変になっちゃうので、製造業なので相手もものづくり屋さんなんですけど、それぞれ皆さん生産台数が減ったりとかで、まあ売り上げが減りましたね。
それと、通常は会って打ち合わせをやるんですけど、それがお互い来ないでくれ、ウチも来ないでくれ、相手も来ないでくれということで…
それが大変でしたね。
打ち合わせができないというのは。
でもちょうどその頃、ZOOMだのなんだのっていうのが一般的になったので。
それでやるっていうことができたのは、これは良かったかなと思います。
でも最初は慣れないので、そのZoomとかTeamsとかWebXとか、いろいろあって、皆さんそれぞれ好きなの使ってるので、まあ基本的には一緒なんですけど、いまいち使い方がわからない、書類を画面に出すとかいうのが、いまいちよくわかんなかったりとか、 無料バージョンだと30分で切れるとか、そういうのがあって…
だから、慣れるまでは結構大変でしたね。
だから打ち合わせができなかったことが一つ大変だったのと、売り上げが激減っていうほどまではうちはいかなかったんですけど、これもう製造業全般が悪かったので、そこのところは非常にダメージを受けましたね。
コロナ後も戻らない夜の外食文化― 飲食業界の変化が物流と製造に影響 ―
売上は持ち直したか?と言われると、持ち直してないですね。
うちは製造業、機械に使うような部品を作ったりしているんですけど、そちらの方はあんまり大きな打撃はなかったんですけど、冷凍トラックの中に入れている仕切りの断熱材を作ってるんですけど、これはもう 半分以下になったんですよ。
コロナの前のことなのですが、、
飲食店などをまわる配送トラックで、冷蔵と冷凍と常温品とか、三つの温度の商品を1台で配達するトラックがあって…
居酒屋さんとかいろんなレストランとかねへ配達するトラックなんですが、そこが、 皆さんお店をやらなかったじゃないですか。
なのでトラックが動かないんですよね。
だからそのトラックが動かないから運送屋さんは仕事がない。
仕事がないから新車は買わない。で、新車は買わないから我々のそういう仕切りの板も売れないっていうので、もう半分ぐらいになりましたね。
それは非常にうちの方として売上の比率が高い商品なので、 結構痛手でしたね。
で、それがコロナ終わっても戻ってないです。
おそらく皆さんの生活が、その飲食のね、生活とか夜の時間の過ごし方が多分変わったんだと思います。
それまでは皆さんお仕事終わって、で、じゃあちょっと飲み行こうかとか言って、まあ一杯飲みに行って、その後じゃあもう1回行きますかみたいな。
じゃあカラオケ行きますかスナック行きますかとか。
そういうことって結構あったと思うんですよ。
でも最近僕もコロナ終わってから2軒目行ったことないんですけど、もう下手すりゃこの辺でも9時半ぐらいになるとオーダーストップですとか、ラストオーダーですとか言われちゃうぐらいお店閉まるの早いですよね。
ですからそれだけトラックで配達する消費も減っちゃってるんですよね。
なので前は夜中でも やってるところだと、その運送屋さんがそこのお店の鍵を開けて、自分で冷蔵庫へ入れたりとか、まあ、いろんなパターンの配達の方法があるらしいんですけど。
ですから、そういった形で飲食店向けがかなり減ってると思います。
なので、ええ、それが戻ってないですね。
だから戻ってないから、我々の商品も、コロナの前まで100%までは戻ってないですね。
おそらくもう戻らないと思いますね。もう皆さん、これでコロナ終わって数年経って、こういう生活に慣れちゃってるじゃないですか。だから多分もう終電まで飲もうとか、終電過ぎたからタクシーで帰りゃいいやみたいな、そういった形が多分もう戻らないんじゃないかなって気がしますね。
生き残りのための戦略転換― 新商品開発と“中小企業だからできる仕事”へ ―
結局そういうものだけ追っかけてると、こういう痛い目に遭うので、やっぱり我々としては別な新たな商品開発をして、それで違う世界、違う世界のものを作るってことは今やってます。
そうですね、お客さんから言われたものを作るのがうちの本業なんですけど、 それというのは、値段もなかなか競争があるので、価格勝負になってしまうし、特に今、世の中値上げ値上げじゃないですか。
一般の方はスーパーの食料品とかで感じてるかもしれないですけど、僕らものづくり屋は、それはもう材料とかいろんなものが上がってるので、運賃も上がってるし…
なので、その価格の転嫁ができないんですね。 要は値上げができないんですよね。なかなか。
なので要はライバルがいるので、「すいません、この1000円のものを次回から1200円でどうですか?」って言うと「はいはい」って言ってきて、いざ蓋を開けてみると注文がなくなるっていうのが我々の業界なんですよ。
だから値上げというものがなかなか認めてもらえないっていうのが非常に厳しいですね。
なのでそういった 価格勝負をするような商品はもちろん今もやってますけど、まあそうでなく、他があまりやらないような、中小企業だからこそやるようなものっていうのを今増やしてます。
危機から学んだ経営の備え― リーマンショックの経験と危機管理の重要性 ―
こういう、昔リーマンショックってあったと思うんですけど…
そういうものがあると、いろいろ勉強になりますね。
なので、またこういうことがあっては本当は良くないんですけど、だけど、こういう天災のようなものというのはどうしても防げないので、そういう時に会社がおかしくならないような、普段から手を打つというのは必要かなって、また本当に新たに考えさせられましたね。
コロナ禍で助けられた制度とその反動― 無利子融資が救い、しかし返済開始で倒産増加 ―
おそらく中小企業の会社の経営者さんみんな思うと思うんですけど、融資が出たってことですね。
銀行が普段は「オタクはちょっと今お金貸せるレベルじゃないですね」みたいないうところでも、はいはい、金利ゼロっていうのをやったので…
多分皆さんすごく助かったと思います。
例えば二年間、三年間据え置き返済をなくてもいいみたいなね、そういったサービスもあったんですけど、そういうのをやられたようなところなんかはすごく助かったんですけど、その反動が一昨年ぐらいに皆さん返済のスタートが始まって大変になっているのも事実です。
なので、 あの時にいっぱいお金を楽に借りて使っちゃった会社さんがいっぱいあるんですね。
その時に使ってしまって、今度返すお金がなくなって、もう今、倒産件数めちゃめちゃ多いですね。
新聞、テレビで見ていろんな話を聞いていると、なんか株価がどうのこうのって、5万円がどうのこうのって、なんかすごく景気良さそうな話ばっかり出てますけど、実態は。 中小企業実態、特にこの多摩地区は良くないですね。
もう本当、一昨年から会社はバタバタ潰れてます。
それが、コロナ禍で良かったことだけど、大変ってことですかね。
うちは良かったです。
うちはそこの借りたお金は使わなかったんです。もうそこは普通に運転資金として取っておいたので。
翌月から返済していたので、だから、その三年後に一気に返さなきゃいけないとかいうことはなかったので。
だから良かったことは、お金を審査なく、利子利子がなく借りられたって。 ことですかね。
今に生きる教訓― 情報は必ず裏取りを ―
教訓ですか。そうですね。いろんな形でいろんなことが耳に入ってくるじゃないですか。
コロナの感染にしても、いろんな話が出てきてますよね。
で、今の時代って本当にインターネットでいろんな形でSNSとか、いろんな方がいろんなことを言っているので、あのワクチンに関してもいいとか悪いとかだから、その本当は何なんだっていうのが、ちょっと今の時代なかなか難しい、判別が難しいんじゃないかなっていうふうに気がしてるんですよ。
で、それはコロナのことばっかりじゃないですけど…
特にネットで出ている情報っていうのが、やっぱり裏を取らないと、本当かなっていう判断をしないといけないかなっていう、これがありますね。
だから、メディア、こちらの放送局のような、こういったちゃんとしたメディアから出てくる情報っていうのは、信じられるかなととか、新聞とかですね。
だから新聞社が出しているネット上の記事もいいかなと思いますけど、そうでない、いろんなものが流れていて、ここのところをもう少し整理するというか、その良い悪いを判断する力がないとダメかなって思います。
だからそれはコロナとかこういうことだけじゃなくて、我々のいろんな仕事の中で、 いろいろ調べたりする時に、どうしても今だったらパソコンでいろいろ調べていく。
Googleでとかね、チャットGPTとか、そういうのを調べるんですけど、果たしてそれが本当なのかっていうのは、やはり我々はそれで飯食ってるので、やっぱり裏を取っていかないといけないので、それを嘘の情報をお客さんに流してしまうと、ああそうですかって信じていただいちゃって、実際は違ったみたいになると、それはそれでまた大きな問題なので。
やはりその世の中に流れている、この特にネット上で流れている情報っていうのが、本当か嘘かっていう…
まあ嘘というのはちょっと言い過ぎかもしれませんけど、本当に合ってるのかっていうのは、やっぱり裏を取るということはやらなきゃいけないかなって思います。
ですから、まあ、放送局とか新聞とか、そういったメディアの方々の情報を正確性というか、それがまあ高いものにしていただきたいなと思います。
仕事上で、お客さんからいろいろ取引先から問い合わせがあって、いろいろインターネットで調べて「あ、こうですね」みたいな話することってやっぱあるんですよ。
でも、専門のそういう研究機関とか聞くと「いやいや、そうじゃない」とかたまにあります。
なので、そういう仕事上での調べるものを もうインターネットだけで調べるというのはちょっと危険だなって非常に思ってます。
そういう商売としてやっている情報は、やはりそれなりの機関のものを見てとか、そこに問い合わせをしてやらないといけないなって、それは思いますね。
僕らは工業の世界なので、その工業の関係の機関っていうのは、結構東京都とかも 、国レベルも意外にあるんですよね。
なので、そういうところに聞きます。で、そういうところにだいたいいろんな専門の方がいらっしゃるので、だいたいそういう相談事は無料なので、そういうところに聞いて、お客さんの方に回答したりしてます。
精神面への影響― 人と会えないストレスと孤立感 ―
人と会わないとか、出かけないとか、家から出るなとか。
まあ、それがやっぱり一番ストレスでしたね。
通勤は当時、うちは電車通勤ももちろんいたんですけど、車で通勤できるやつは車通勤したりとか、とにかく人とできるだけ交わらないようにしたっていうのが、まあ非常にストレスでしたね。
そうですね、僕もだから、 一切飲みに行ってもなかったし、お店もやってなかったし、かといって家で買ってきて飲むっていうのも、それはそれでいいんですけど、あまり面白くないし、コミュニケーションが取れなくなった期間が結構長かったので、それが非常に自分としてはかなりのストレスでしたね。
感染への恐怖と社会の対応を振り返って― 不安・ワクチン議論・過剰対策への再評価 ―
一番最初の頃ってなんだか皆さんわかんないですよね。
それでちょうどあの横浜に船がついた時、いろいろ話題になっていたと思うんですよ。
船から乗客の方々が降りられなくなっていて。
で、ちょうどあの時に横浜で僕ら展示会をやっていたんです。
でもその頃はまだ何も皆さん感じていなくて…だけど、だんだんだんだんいろんなことが分かってくると、何なんだろうなって、芸能人の方が亡くなったりしたじゃないですか。
で、亡くなっちゃうの?みたいなことになって、それは怖かったですね。
そのうちワクチンがどうのこうのってなった時に、 ワクチンは打った方がいいとか、打たない方がいいとかいう、そういう2つの意見にも分かれたし、ワクチンを打ったからおかしくなったっていう、そういう話も聞くと、先ほどのネットの話じゃないですけど、それは本当なのかっていうのもあったり、打たなかった人、打つの嫌だっていう方が感染しちゃったとか、そういう話を聞いたりとか、だからじゃあどっちがいいんだっていうのもあったので、非常にそういう意味では怖かったですね。
だから、皆さん怖いから何もやらない、人に会わない、出ないとかいうことをやっていていたんでしょうけど、まあ今思えばですね、本当あの行動っていうのはどうだったのかなっていうのは、まあ多分皆さんも思ってると思うんですけど、そこまでやる必要なかったのかなとかね。
初期の頃ってなんかコロナに感染した方が出ると、そこの職場とか消毒とかやったじゃないですか。
今思えばですよ、うん、そこまでどうだったのかなと、感じるとこですね。
やたらあちこちでアルコールがあり、皆さんマスクをし、よく手を洗いということをやってらしたと思うんですけど、まあそれが良かったか悪かったかはね。まあ、効果があったかなかったかはちょっとよくわからないんですけど。まあ。 まあ。
感染予防の徹底で花粉症とインフルエンザにはならなかった
僕の場合は手洗いマスクをやっていたおかげか花粉症にならなくて、ちょうどこのコロナの間は1回も耳鼻咽喉科に行ってないですね。
インフルエンザのワクチンって毎年打ってるんですよ、12月頃に。
でもそれで打ってるんですけど。 二年に1回、しっかりインフルエンザになるんですよ。
それがインフルエンザにもならなかったんですよね。
手洗いと消毒とマスクは花粉症の方って皆さんその時期になるとするんですけど、
でも家入るとしないとかね、会社の中で誰もいなければしないとかあると思うんですよね。
でも、それを徹底していたら、もしかしたら皆さん花粉症にもインフルエンザにもならないかもしれないですよね。 そんな気がしますね。
これからの社会へのメッセージ― 正確な情報と前向きな行動で乗り越える ―
感染症はきっとありますよね。
世の中いろんなウイルスがいるし、新しいものもできたりするので、きっとあって、今もう世界中いろんなとこに人が動いてるので、どっかでそれが起きたら、もうあっという間に世界中広がっちゃうのが、もう今の世の中だと思うんですよね。
だからもうそれはしょうがない。
だから、先ほど言った正確な情報ですかね。
それを国なのか、どこが出すのかわかりませんけど、それを素早く出してもらって、どうやったら感染しづらいかとかね、そういった明確なことを出してほしいなって思います。
皆さん本当大変だったと思うんです。
大変だったと思うんですけど、多分皆さんそれなりにいろんな努力をして、出ないとか会わないとか、消毒するとかマスクするとかいうことをやって、乗り越えてきたじゃないですか。
人間強いなと思うし、いろいろそのアイディアをね、出したりいろんなことをやると、こういったものも乗り越えられるかなって思います。
なので、怖がってばっかりいるんじゃなくて、もう 出てしまったものはしょうがないので、じゃあそれをいかに早く、まあ退治するというか、なくすというか。
あと、いかに自分に影響ないようにするかというのは、まあ考えて行動すべきかなって、そんな感じがしますね。

