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あんどうりすの防災四季だより 25年12月21日(再放送12/28)ゲスト:法政大学 現代福祉学部 福祉コミュニティ学科 教授 水野雅男先生

りす:本日は能登半島地震から間もなく2年を迎えますので、法政大学 現代福祉学部 福祉コミュニティ学科教授の水野雅男先生にお越しいただいております。
水野先生よろしくお願いします。

水野先生:こんにちは。よろしくお願いします。

水野先生には西東京市にあるエフエム西東京本局のAスタジオにお越しいただきました。

あんどうりすの防災四季だより

近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。

アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。

放送の文字起こしを、記事と同じページに掲載しています。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。

文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。

放送音源

   

文字情報

ボラキャンすずを作った経緯

りす:なぜ水野先生にお越しいただいたかというと、能登半島地震の被災地には珠洲市というところがあります。
そこで「ボラキャンすず」という、テント宿泊などを中心にボランティアの拠点となる施設を水野先生は運営していらっしゃったのです。
なぜ大学の先生が「ボラキャンすず」を運営されてきたのかということを、能登半島地震2年を迎えるにあたり、いろいろなことをお話しできればなと思っています。
よろしくお願いします。
そもそもなぜ「ボラキャンすず」というものを立ち上げたのかをお聞きしてもいいでしょうか。

水野先生:はい。私は石川県出身でして、街づくりのことを生業にして自営業でやっていました。
その時に輪島市や珠洲市などの能登地域に通っていまして、地域を元気にする人たちを何人も知っていました。
それで地震が起きてからしばらくは実家で様子を見ていたのですが、やっぱり被災地の様子を見に行かなきゃいけないと思いました。
私の大学の先輩が盛岡市にいまして、東日本大震災の時から被災地の支援を行う一般社団法人を立ち上げて運営していたんです。
その彼から能登に炊き出しに入るから「お前ちょっとアレンジしてくれ」と電話がかかってきたんです。
やっと行けるなぁと思い、関係各方面の知人に連絡を取って、1月13日から1週間能登に入りました。
それは避難所に行って炊き出しのお手伝いをしていたんですけれども、そういう中で被災地を歩いてみたりした時に、誰もいないんです。
被災者もいないしボランティアもいないし、これはどうしたことかなと思ったんです。
実は私、2007年の能登半島地震の時は輪島市に入って、震災の翌日も何かやろうということで、立ち上げてNPO活動をしていたんですが、その時と大きく様変わりしていました。
規模の大きさもありますが、ボランティアが入れない、入っていないということにすごく危機感を感じて、それでボランティアキャンプを立ち上げようと思ったんです。

珠洲市の知人を訪ねた時に、鉢ヶ崎オートキャンプ場というのがあって、そこのゲートが閉まっていたんです。
使われていないんだなと思ったんですね。
それでここにキャンプ場を作ろうということで、市の所有地なので副市長に連絡を取って、「ボランティアの滞在拠点にしたいので、ここを使わせてください。」ということを伝えて、許可を得たのが1週間後くらいでした。

りす:早いですね。

水野先生:それで鉢ヶ崎オートキャンプ場を使えることになったので、ベースキャンプを作りました。
地震の被害の規模が大きかったため、ホテルも旅館も民宿も、大きなダメージを受けていてボランティアを泊める余裕がありませんでした。そのためキャンプ場を作ろうと思ったんです。

りす:大学の先生がなぜキャンプ場をと疑問に思ったのですが。

水野先生:イタリアは屋内ではなくて、外でテントを張って家族ごとに避難生活を送るっていうレポートを見て、そうだな、日本もそうしなきゃいけないなと思ったのが2019年です。
そこからモンベルアキレスの協力を得て、大学のキャンパスで「CAMP in Campus」という屋外でテントを張って避難生活を送る実証実験をやっていたわけですね。
それを被災地に持っていけばいいなという風に思ったんです。

りす:わかりました。それで、関係ができていたからスムーズにテントも提供してもらってという形で動きが作れたということですね。
そのあとは、ボランティアの方が来られたんでしょうか?やはり道が大変だったと思いますが。

水野先生:はい。1月5日に県知事が「ボランティアはむやみに能登半島に入らないでください。」と、「不要不急で入らないように」というメッセージを流したんですね。
それでちょっとビクビクしていた方々もたくさんいらっしゃったけれど、工事車両とか緊急車両を優先しつつ、ボランティアは時間差で入ればいいですし、路面状況もそんなにひどくなかったということは炊き出しした時に分かっていましたので、ボランティアに来てもらうようにしたんです。
けれども、公式にオープンしたのが3月1日です。

りす:だいぶ後ですね。
水野先生:そうですね。テントを張ったのは2月下旬でしたので、やっぱり色々な調整があったりして時間がかかりました。
ただ開設したは良いものの、どんなボランティアが来るかも全然わからず、何人ぐらい来るのかというのもわからない中で開いてみて、徐々にSNSはもちろん、モンベルのホームページとかでも発信していただいたので。

りす:そうですね。ホームページで申し込めるようになっていたので、申し込みやすいという声がありましたね。

水野先生:そうですね、ありがたいです。

※ボラキャンすずFACEBOOKページ
https://www.facebook.com/volunteercampsuzu

※モンベル ホームページ内の紹介 


https://about.montbell.jp/release/disp.php?id=687

りす:社協さんに申し込むという場合もありますが、なかなか初めて行こうと思った人が、そういった社会福祉協議会にうまくつながれないとか、持っていかなきゃいけない物があって大変じゃないかと思っている人も多かったんですけれども、「ボラキャンすず」はテントが張ってあって行けばいいみたいな形。

水野先生:そうですね。今回の能登半島地震の特異な点は、個人のボランティアを社協は受け付けなかったんです。

りす:なるほど、そうですね。

水野先生:それは大きなハンディになっていて、いわゆる県のボランティアバスは金沢駅に早朝集合して、バスに乗って3時間とか4時間かけて被災地に行って、活動を3時間ぐらいやって、また戻る。
それを毎日繰り返しているというおかしなことをやっていたわけですよ。
それじゃ全然はかどらないじゃないですか。

りす:そうですね。行き帰りでほとんど1日が終わってしまっていたというふうにお聞きしています。

水野先生:そういうこともあって、ベースキャンプを作らなければいけないと思ったのと、そのボランティアバスで来て参加した人は社協に入れるけども、それ以外は団体であれば受け付けますが、個人は受け付けないとされていて、これは今までの震災ではなかったとボランティアの方から聞きました。
県が統制しようとしたんですね。そういうことがあって、我々は「ボラキャンすず」に滞在した人は、「ボラキャンすず」のチームとして社協に入るという形を取って受け入れてもらったので、ボランティアの方は何も心配せずに、とりあえず食料とか持って来れば滞在ができて活動できるという形になったわけです。

りす:ハードルを下げるという、調整役をされたということですよね。
ボランティアはどんなような方が来られていましたか。

水野先生:平均年齢見たら、50代になるんじゃないかな。
やっぱりリタイアされて時間に余裕のある方が多いですね。
正確にはわからないですけども、延べ1万5千人くらいのボランティアがボラキャンに入っています。
社協にも入りますし、ボラキャン独自の案件もあるので、そこにメンバーが行くという形になっています。
延べ1万5千人ですが、実質は、千数百人の方が何度も通ってくださっている。
あるいは、1週間〜2週間滞在されているということですけれど全国47都道府県全てからいらっしゃっています。
能登半島の先端までわざわざ来てくださるということには驚きです。

りす:はい。でも場所があったから、ボランティアに行きやすくなったというのはきっとありますよね。

水野先生:そう思います。もっと近場の七尾市や輪島市の方が行きやすいですが、やっぱりベースキャンプとしてテントが張ってあるというところが良かったんだと思います。

りす:そうですね。口コミがすごかったんですよ。
もう「ボラキャンすず」を知らないボランティアはいないみたいな感じで、能登半島支援で水野先生の名前を知らなければモグリだというくらい、その界隈では有名な先生です。

ボランティアに参加された方の声や先生が伝えたいこと

りす:では、ボランティアに来られた方達が実際にされた仕事やどのような声があったか。
それから先生がこれからどこかが被災した時に伝えたい経験などがあればまとめていただければと思います。

水野先生:活動はいろいろあります。
炊き出しのお手伝いもあるし、9月に豪雨の災害があって土砂の流入がありました。
そのため泥出しも結構長く続きました。
いろいろな形で現場に入ってもらって、被災者からありがとうと言われるので、ボランティアの方は心が洗われると仰っていたのが印象的ですよね。
それとやっぱりボランティアセンターという社協は1回限りなので、継続がなく、被災者の方とのコミュニケーションが取りにくいんですけれども…。
我々の現場はもう何度も通ったりして、地元の方、いわゆる被災者の方やあるいは飲食店経営されている方々とのつながりがすごくできている。
これが今回の大きな特徴だと思います。
そういう形の方が望ましいのではないかなと思いますし、ボラキャンは一つのモデル、プロトタイプとして、今後の被災地でこれを真似てもらうというか、利用してもらうようなこともぜひしてもらいたいと思っています。


りす:はい。ありがとうございます。
このお話はまた来週もじっくり深くお聞きしたいので、水野先生、来週もよろしくお願いします。

水野先生:よろしくお願いします。


※一般社団法人紡ぐ学校上黒丸 

 
https://www.kamikuromaru.com

問い合わせ先
https://www.kamikuromaru.com/contact


あんどうりすの防災・減災 りす便り
https://andorisu.jimdofree.com/

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