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あんどうりすの防災四季だより 25年5月4日(再放送5/11) ゲスト:東京管区気象台 地域防災推進課 情報利用推進官 多田英夫さん

りす:本日は、皆さんからいただいた気象についての質問・疑問の声などにお答えいただこうと思いまして…。
東京管区気象台 地域防災推進課 情報利用推進官 多田英夫さんにお越しいただいています。
多田さん、よろしくお願いします。

多田さん:よろしくお願いします。
情報利用推進官という仕事をしています、多田といいます。
本日はお招きいただきましてありがとうございます。よろしくお願いいたします。

多田さんには田無駅改札そばまちテナスタジオでお話を伺いました。

あんどうりすの防災四季だより

近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。

アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。

放送の文字起こしを、記事と同じページに掲載しています。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。

文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。

放送音源

   

文字情報

情報利用推進官とは

りす:情報利用推進官とは何でしょうか。

多田さん:気象台はたくさん情報を出していると思いますが、それがなかなか読み解きが難しかったり、「いつ・何を使えばいいんだろう」という声が多いんです。
私の仕事は、そういった情報を防災の対応が必要なときに、しっかり使っていただくということと、防災だけではなくて日常生活の安全を守ったり、企業の活動などで活用していただこうという目的で仕事をしています。

雷はどんな時に発生するの?

りす:まさしくこの番組に出ていただくための「情報利用推進官」ということなんですけれども。
最近「雷」というものが気になるというような声があったりするのですが、雷はどんな時に発生しやすいでしょうか?

多田さん:これから雷が多くなってきますし、危ないですから、しっかりと理解しておいていただければと思います。
まず、雷というと、発生しやすい気象条件というものがあります。
天気予報でよく耳にされるかもしれませんが、地上と上空の気温の差などの発生条件がありますので、天気予報でどういう解説がされているかというのをしっかりと聞いていただくということが大事です。
それと、その説明の中に出てくるキーワード、「上空の寒気」とか、最近もありましたけど「寒冷渦」とか、あとは雷を発生させるものは「積乱雲」。

そういったようなキーワードに敏感になって、天気を見た時にピンと来ていただければというふうに思います。

りす:「積乱雲」は知っていても、「寒冷渦」や「上空の寒気」など漢字が多いと、なかなかピンとくるのも大変かもしれませんが、何度も見て慣れるしかないのでしょうか?

多田さん:そうですね。最近、気象予報士の方が非常にきれいなグラフィックを使って説明してくださってますので、それを見て、実際の映像と言葉の組み合わせで理解していただければいいのではないかと思います。

りす:それがいいですね。それからスマホなどを見てチェックするというようなこともできますよね。

多田さん:そうですね。最近スマホでも詳しい情報を受け取れるようになってますので、「どの情報を見れば今の雷の状況がわかるか」というところを知っていただくと、いつでも見られます。
スマホだと、勝手に指が動いてページをたどっていけるようにしておいていただければ、いざという時に早く情報を取得できると思います。

情報のアップデートも大事!

りす:雷対策については、昔から残っている古い情報もあったりするということですが。

多田さん:そうですね。都市伝説ではありませんが、「こういうのはダメだ」とか「これは安全だ」などと言われていますが、最近の研究で、「実は昔言われていたことは違う」みたいなことがたまにあったりします。

例えば、「金属製のものを身につけていると雷に遭うから危ない」と言われていましたが、これはケース・バイ・ケースなんです。
直撃を受けたらどうしようもないですが、他に落ちた雷が伝ってくるような時ですね。

りす:木とかに落ちた雷が横に行って、ということですね。

多田さん:はい。例えば、指輪をつけていると、入った電流が心臓の方に行かずに体の表面を流れて、指輪から逃げるから、かえって安全だとか、そのような話も出てきたりしていますので、皆さんには常に最新の情報をアップデートしていただければというふうに思っています。

りす:大事ですよね。私も長野県佐久医師会の「教えてドクタープロジェクト」に入っていて、医師の先生と交流しながら防災情報を新しいものに更新していますが、雷が原因で心臓が止まったりした場合、大人で30分ほど止まっていても動き出したりする場合があるそうです。

普通は30分ぐらい心臓が止まっている人がたくさんいらっしゃったら、「トリアージ」で助かる人から助けるために心臓が止まっている人は放置されがちですが、「リバーストリアージ」と言って、逆にそういった人から救出できるからというふうに、助ける方法に変わっているような論文も出てるとうかがいました。

「あれ?違う」ということがあるので、情報のアップデートは大事ですよね

雹(ひょう)について他

りす:さて、次の質問ですが、ゲリラ雹が多くなったように感じています。ゲリラ雹というのは気象用語ではない思っていますが、たくさん降ってくる、急に降ってくる、こうなったら雹が降りそう、というのはどんなところに気をつけておけばいいでしょうか?
自分の肌感覚で察知する方法はありますか?」という質問があります。

多田さん:雹を降らせるのは、積乱雲という非常に発達した雲です。
積乱雲が近づいてきていることを知るというのが一番大事なことだと思います。
例えば、周りを見渡して暗い領域が近づいてきた、黒い雲が近づいてきたなど、目で見える部分。
また、積乱雲は非常に強い風を伴っているので、上昇気流もあれば下降気流もあり、下降気流により上空から冷たい風が吹き下ろしてくることがあります。そういった冷たい風が吹いてきて、その風が強くなってきたら気を付けてください。
それと、雹が降るときは雷が鳴ることも多いので雷の音など
この辺りを五感を駆使して、前兆現象に敏感になっていただければというふうに思います。

りす:その前兆現象が無く、雷が落ちるという場合もありますし、雷鳴が聞こえたらすでに雷の射程範囲に入っていると言われており、すごく危ない状況になっているかと思いますが、そういった時に雹が降る可能性が高いのでしょうか?

多田さん:そうですね。雷鳴が聞こえたらもう射程距離に入っている場合も多いですが、最近の報道を見ていると、「鳴ってないのに突然」というのも聞いたりします。
ですので、先ほどの天気予報の話も言いましたが、「雷が起きそうな気象条件」という時には、気象台も「雷注意報」というのを出していますので、そういう場合には念のため、「今、注意報が出ている」というのを知っておいていただければと思います。

また気象庁のホームページや、気象レーダーの画像、そして「雨雲の動き」という気象台のページがありまして、その中に地面に落ちている雷も雲の中で飛んでいるものを含めた「現在落ちている雷」で最新の状況を表示していますので、ぜひ見慣れていただければいいのかなと思います。

※気象庁 雨雲の動き/雷活動度/竜巻発生確度(ナウキャスト)
https://www.jma.go.jp/bosai/nowc/#lat:35.960223/lon:142.690430/zoom:6/colordepth:normal/elements:hrpns&slmcs&slmcs_fcst

※画像はナウキャスト:雨雲の動き 2025年5月2日20時55分実際の状況画面

りす:そうですね。私も外で水遊びしたりすることがあるので、絶対に雷レーダーは見ています。
やはり10キロ以上離れているような範囲でも危ないと思い、早めに退避するようにしています。
雷はレーダーでわかることがあると思いますが、雹は必ず前兆現象があるのでしょうか?

多田さん:実際に、発達した積乱雲から何が降ってくるかというのは、雲の発達の度合いにもよるので、我々としてもレーダーの画像で、赤や紫などで示された、すごく強い雨の領域があるような時に、例えば気象衛星の画像を見て、非常に発達した白く輝く雲があるなど、そのようなことを総合的に判断して、雹に備えることになります。

りす:なるほど。雹は怖いですからね。私もこの前、仕事で愛知県あたりを車で走っている時に、黒い雲があって「そこに行ったら危ない」と分かりましたが、高速道路だったので止める場所がなく、パーキングもないので、様子を見ていたら、突然雹が降ってきて、四方八方から風が吹いてきて、「竜巻の中か」と思うくらいでした。車もへこんでいるんじゃないかと思ったら、そうでもありませんでした。

多田さん:大きさによるかもしれないですね。

りす:そうですね。ゴルフボール大になると危ないとお聞きしているんですけど、それは事前に分かるのでしょうか?

多田さん:最近、気象レーダーが少し高度化してきまして、雲の中でどのくらいの大きさの雨粒があるか、あとはそこに映っているものが雨なのか、雹なのかということが、ある程度わかるようになってきていますので、そのような情報を、ホームページに載せるのは難しく、どのように伝えていくかというところもありますが、今後伝えていければなとは思っています。

りす:あと、質問の中に「雨粒の大きさはいろいろありますが、どのようにいろんな大きさの粒ができるんでしょうか?」という夏休みの子ども相談室のような質問がありました。

多田さん:例えば霧雨とかは、小さな雨粒ですよね。本降りや豪雨になってくると、大きな雨粒になります。
雨ができるときというのは、埃やチリなどの核のようなところに、周りの水蒸気が集まって雨粒を作る形になります。
その集める時間や、風の流れでどのくらい集まってくるか、雲の発達の状況など、そのようなところで雨の大きさが変わってくる、というふうに理解していただければいいのかなと思います。

りす:ありがとうございます。今回は「雷、雹、そして雨粒のでき方」というところまでお答えいただきました。
東京管区気象台 地域防災推進課 情報利用推進官の多田英夫さんにお越しいただきました。
多田さん、ありがとうございました。

多田さん:こちらこそありがとうございました。





あんどうりすの防災・減災 りす便り
https://andorisu.jimdofree.com/

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