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在宅医療について 2025年1月18日・25日(土)放送分

まつばらホームクリニック『ラジオ在宅NOW』!

この番組は、保谷駅から徒歩三分の場所に位置する、まつばらホームクリニックの松原清二院長に、日頃医療の現場で感じていらっしゃることをお話頂き、皆様にも在宅医療に対しての理解をより深めて頂ければと思います。

第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします!

【1月のテーマ】
『在宅医療について』

皆様是非お聴きください!!

西東京市を中心に患者さんの自宅に行き、診察をしている在宅医療専門診療所「まつばらホームクリニック」のホームーページはこちら→https://m-hc.jp/

↓放送内容を文字でもお読みいただけます!

「松原ホームクリニックラジオ在宅NOW」今回は前回に引き続き11月14日に谷戸公民館で行われた“にしにしnet.定例会議”内、松原先生の講演内容を抜粋してお送りします。

質問者:あと1ついいですか。これは1人暮らしの本人だけしか住んでいない場合とかもありなんでしょうか?

松原先生:ありですね。結局その人自身がそれでOKであればいいと思うんですよね。結局自分の人生って自分で決めたいっていうのが当たり前で、それでその人が在宅医療を受けたいっていうことだったら、それでありですね。

質問者:例えば看取りじゃなくても結構高齢夫婦とかがすごくたくさんいらっしゃるじゃないですか。本当に病院行くだけでも大変そうだけど連れて行かなきゃいけない老老介護の方を見るんですけど、本当にまだ看取りではないけれどももう行くの大変だから在宅で診ていただくのを、例えば月に1回こうする的な感じとかそういうのもありなのでしょうか?

松原先生:基本的にはですね、それは在宅医療機関によるんでしょうけど、うちは基本的に2週間に1回は最低診させてもらってます。それであのご状態が落ち着いているか落ち着いてないか診ていきます。あとはその在宅に来るっていうことは何を意味しているかというと、今お話があったように体が弱いってことをやっぱり意味していて転倒リスクもあるし、認知症のリスクもあるし、そうするとそういうような評価と治療も含めてやっていくっていうのが基本なんですね。月に1回だと指導しきれないところがあるんですよね。例えば僕なんかよくやるのが、ご高齢の人ってやっぱり骨粗鬆症の方がすごい多くて。そうすると、運動のやり方とか教えました。って言って僕よく片足で立って教えたりするんですけど、一回教えただけだと誰もやらないですね。そうじゃなくてやった?やった?やった??というような感じでやっぱりまめ接することによって前向きになってくれるってところもありますので、基本は2週に1回ぐらい最低ラインとして関わっています。

質問者:その場合の病気のレベル的にはなんかあるんですか?それはあなたはちょっと軽すぎるからまだ在宅じゃないなって言うのもあるんですか?

松原先生:例えばですね、ごくたまにいらっしゃるんですけども、一人暮らしで寂しくてでも普通に散歩できるっていうような人もいらっしゃるんですよ。でもそういう方も気持ちわかんないことないな。と思って初めは行ったりもするんですけど、やがて自分は大丈夫だということに自立されます。断ることはないんですけども、そういうような方は基本的にはやっぱり軽すぎる。例えば高血圧だけとか、便秘症だけとかそれで散歩もできる。例えば田無から保谷までいけるような人は外来の方が望ましいと思います。どちらかっていうとやっぱり先ほどお話しした、認知症で病院にいけない人とか、あとは外来で待ちきれない人とか、あと医者から説明されても全然理解ができない。ご家族も若い人が付き添えない人はそういった慢性疾患であっても在宅医療のほうが望ましいというふうに思います。

質問者:ありがとうございました。

田中ヒロコ:他にありますか?

質問者:今聞かれた方と被るかもしれないんですが、対象の方が要介護3以上の方っていうふうにあったんですけれども、介護認定って改善してないんだけど低く出ることが多いじゃないですか。3だった人が2になったり、1になったりとかしてケアマネージャーが区分変更をもう1回かけて、何とかサービスを使いたいから再度認定するとかいうことも結構あると思うんですけれども、要支援の方とか要介護1、2の方っていうのは基本的には受けてらっしゃらないっていう感じですか?

松原先生:基本的には話は聞いて、できたら診察はします。ただ、お会いしてみて、お互い喋ってっていうよりも雰囲気ってなんかあるんですよね。結構元気だから、俺大丈夫だわ、私大丈夫だわっていうことで、1ヶ月2ヶ月例えば在宅診療が入ったとしても結局続かないケースっていうのが現実あるかなというふうに思います。ですが一方で続くケースももちろんあるんですよね。続くケースの場合はそのまま診療はしていくんですけど、僕の本音としていえば軽い人は外来に行けるまでにもっていってあげたい。どちらかっていうとやっぱり僕嬉しいのが、自分のとこ在宅専門でやっているもんですからね。乳がんの患者さんでもう余命数ヶ月とか言われた人が大学病院でホルモン治療して、リハビリして、そしたら全然歩けなかったのが生き苦しいのも取れて歩けるようになって、大学病院まで電車乗って行けるようになった。そうすると在宅医療って必要ないんですよ。そうなってくると。そうすると元々いた先生のところに戻してあげて、その先生から驚きの手紙が来て・・・そういう反応を見るのがちょっと僕好きで。その良くなったっていうのも実は嬉しいんですよね。ご相談があれば、いくらでも対応、相談には乗りますけれども、それからはやっぱりお互いの関係性かなというふうに思います。要介護1とか要介護2とか、先ほどそのお話しされていた、いや、これちょっと要介護1、2って厳しくないか?っていう人も実際いらっしゃるのも事実なんですよ。そういう方って生活していくと自然にやっぱり半年、1年すると要介護3、4に落ちていくことが多いんですよね。それは診ながらって形になるかなというふうに思います。

質問者:一つお伺いしたいんですが、在宅医療の大切さというのがよく分かったんです。在宅医療を専門にするか?しないか?というのは医療機関の方で選べるのか?日本全体としてその辺はどっちの方に向かっていくのか?現状はどうなっているのか?

松原先生:政治的な方向性ですよね。在宅医療のニーズっていうのは間違いなく多い一方で、日本医師会等がイメージしているのが外来で診ている患者さんが動けなくなって、それでお家に行ってその先生が主治医として最後まで診るっていうのが一番考え方としてはストーリー性がある話なんですね。ところが自分自身が在宅診療を開業する前に、2つのところで仕事してみたんです。やっぱり経験してみないとわからないものですから。一つのところは病棟あり検査あり、外来もあり在宅ありってことになってくると四つ全部やると集中力そぐれちゃうんですよね。例えば外来をやっている最中に在宅の患者さんの件で、結構混んでいるインフルエンザの時期とか冬場とか相談されても集中できないんですよね。在宅の患者さんをたくさん見たいと思うんだったらやっぱり在宅専門の方がいいかなぁっていうふうに思いました。ただこういうふうに思ってる人間もいれば、先ほど日本医師会の考え方のように、やっぱりその一連の流れの中で人を見ていくっていうのがきれいな流れだろうというのも考え方としてはあるとは思うんですけども。それはお医者さんのキャラクターとかそういうのにもよるんじゃないでしょうかね。そういう経験があるので僕は仕事は分けた方がいいかなって個人的には思います。

田中ヒロコ:ありがとうございます。

質問者:病院に入院した場合、普通はその病院食を食べてその病気の人のあった食事が提供されて、先生が食事とか治療も含めてその結果を自分で判断されて、こういう食事でこういう風にして改善したとかっていう結果を見ると思うんですけど、在宅医療の場合、食事とかって、先生が例えばこの方が病気だからなるべくこういうご飯を作ってねって言っても、なかなかそうもいかない現実があるじゃないですか。そうすると病院に勤務していらっしゃる医師の方と違って、自分の思うように結果が出ないとかお薬が食べるものによって阻害されちゃってうまくいかないとか、そういうジレンマとかそういう事っていうのは先生を仕事されていて、それでも許容していらして在宅の患者さんがある程度自由というか食事とかそういうものの自由とかっていうものはありだと思ってお仕事されてるんでしょうか?

松原先生:それすごくいい質問なんですよね。実は今年の4月からですね訪問栄養指導って言ってですね、在宅で栄養師さんも行ってですね、ちゃんと栄養指導した方がいいんじゃないかっていうのが国の方の流れの政策としてはあるんですね。

ただ一方のその現実どうなの?っていう話になっちゃうと、自分の家でそれされたくないようなっ・・・ていうのがやっぱり患者さんにあるんです。

在宅医療でちょっと心がけているのは病院と違うのはですね、あんまり指導的な姿勢で言っちゃうとその患者さん家に居場所なくなっちゃうんですよね。基本は少し緩くですね。例えば心不全の人だったら、梅干し好きなの?最近食べてるの?食べてるなら2個のところ病院なら0のところ1個とかそういう話し方で、少し緩く、ある程度許容していると思います。許容していかないと続かないと思います。

田中ヒロコ:先生優しいと思う。私いつもラジオ聞いてて先生優しいってすごい思います。好きなものを食べる目標にしようとかっておっしゃってた時もあって、本当に寄り添い?先生だったらもうこれだめ、あれだめ、あれだめっていうふうな感じじゃなくて、好きなことをするため、好きなものを食べるためとかそういうことを目標に誘導してくださったりとか、松原先生ならではの診療をされてるんだなっていうのがいつもラジオでお話を伺って感じています。

松原先生:ありがとうございます。