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あんどうりすの防災四季だより 24年10月6日(再放送10/13)ゲスト:兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授 青田良介先生②

りす:今回も兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授の青田良介先生にお越しいただいています。
青田先生、今回もよろしくお願いします。

青田先生:お願いします。

  青田先生には引き続きリモートでお話を伺いました。


あんどうりすの防災四季だより

近年、大地震や豪雨水害の発生が相次ぐなか、市民にとっても「防災・減災」は非常に身近な話題となっています。以前と比べ、防災の知識に触れることが増えていますが、わたしたちは覚えた知識をマニュアル化してはいないでしょうか?
この番組では、四季に合わせた「防災・減災」のトピックをあらゆる視点で紹介します。
パーソナリティーを務めるのはアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん。
アウトドアで出会ったスキルを楽しくわかりやすく話してくださいます。

アウトドアって大変そう…防災って難しそう…そんなことないんです。
気がついたら防災の知識が身についていた!そんな時間になるはずです。

放送の文字起こしを、記事と同じページに掲載しています。
音声をお聞きいただきながら、文字で情報やデータをご確認ください。

文字情報と合わせてラジオライブラリーもお聞きください。

放送音源

   

文字情報

災害時に迅速な対応ができる秘訣とは?

りす:前回は民間支援団体と共同して災害対応をするということが台湾の迅速な対応を可能にしたというお話をお伺いしましたが、実は国や自治体にも素早く対応を行う秘訣があるとお聞きしました。
本日はその点についてお話しいただけますか?

青田先生:はい。情報共有がしっかりしているというところで大きく2点ございます。
まずはなんといっても現場間での情報共有ですかね。
本来、避難所運営は市町村のお仕事なのですが、市町村だけでは対応が厳しいということで、いわゆる日本の県知事さんにあたる方が毎日避難所を次から次へと回っていきます。
ポイントは避難者から直接話を伺うということです。
これで表に出てこない避難者の声や、何が必要かなど、今後何が課題になりそうかということを直接聞いて、今後の対策の絵を描いていくということです。
その結果、今の仕組みで対応ができないということが分かれば、国と交渉を行ったり、先週お話しした民間支援団体と議論を行ったりしていきます。

つまりできることをどんどん増やしていこうという、その出発点としてまず現場を知るというこの点が早い秘訣の1つかなと考えます。

もう1点は情報共有を、国県市町村が1つのクラウド上で可能とするシステムを採用しているというところです。
ですから例えば〇〇省庁の××局にいちいち聞くということをしなくても、クラウド上で全て把握することが出来ます。
そして情報を入力する訓練を全国で実施いたしましたので、情報を入力しないと批判を受けるということにもなっています。
さらには、その情報の一部をマスコミや、市民の方々にも提供しているので、一斉にどこで何をしているかがわかります。
こういったことが、現場と全体の情報を抑えるという事につながり、災害対応への早さの秘訣であると考えています。

りす:コロナ対応でも台湾は、ITを駆使して素早く対応されてたので、やはりクラウド上に情報をアップしてというイメージは分かりやすく、日本ももっと真似したいところですが、それでもやはり現場に知事が入るという、泥臭さみたいなところもやはりあるということですね。それは人と人とのつながりが大事ということだからでしょうか?

青田先生:そうですねデジタルは本当にものすごく発達していますが、ただデジタルだけでは不十分で、やはりアナログの点も重視する必要はあるということですね。
この両者をうまくバランスをとりながら対応していくところが、迅速性や起動性、柔軟性に繋がっていくのかなというふうに思います。

りす:台湾では走りながら考える。考えながら走る。ということが実践されているとお聞きしましたが、それはどういうことなのでしょうか?

青田先生:これは台湾の文化のようですね。
要は「間違えていたら修正すればいいじゃないか」という考え方です。
これに対して日本は用意周到という言葉があると思います。
これはもちろん大事なのですが、周到にならない限り動き出さないという点もあろうかと思います。
台湾の場合は失敗することはあり得るでしょうと、だからその都度修正してどんどんバージョンアップしていけばいいんじゃないですか?という…。
特に緊急時はこういった「走りながら考える」といったことも、必要じゃないかと思います。

りす:トライアンドエラーみたいな、やっぱりそれは機動性のためには重要っていう考え方ですよね。
行政はどちらかというと、平時のシステムを重視しがちですが、それでも非常時の対応にパッっとうつり変われるということはやはりすごいなぁと感じました。
そんな台湾から見て、日本の能登半島地震の対応はどのように見られていたのでしょうか?

青田先生:これは私も大変関心がありましたので、現地の方と親しくなりましたので、本音ベースでどうですか?とお聞きしましたら
「もし台湾で今の能登半島地震のような対応になれば、やはり遅いということでかなり批判を受けて、政権が持たないでしょう」というところからも台湾の状況を調べて、なるほどそうかなと思ったところです。

りす:政府が持たなくなるというようなことを台湾から日本が今言われている状況について、どうしていけばいいのでしょうか?

青田先生:そうですね、まずやはり今おっしゃったように「トライアンドエラー」ということは政府自体だけじゃなしに、国民全般でそれを認識する。
特に非常時ですね。

「ずっと待って始めるのと、間違っているかもしれないけれども修正しながらやっていくというのの、どちらが早いですか?」っていう、そういう比較もいるんじゃないかなと思います。

りす:ということで、2回に続き台湾と日本の避難所対応や災害対応の違いについて、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授の青田良介先生にお聞きしました。青田先生どうもありがとうございました。
青田先生:はい、ありがとうございました。


あんどうりすの防災・減災 りす便り
https://andorisu.jimdofree.com/

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